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更新日:2017年2月10日
クラクフ旧市街に高いところは数カ所ありますが、美しいクラクフを一望するならコシチューシュコの丘がおすすめ!
このページの目次
1. コシチューシュコとは?
2. コシチューシュコの丘
3. 市街から丘への行き方
4. 見学可能時間・入場料金
コシチューシュコとは?
コシチューシュコは、ポーランドが消えた時代(ポーランド分割)に大活躍したポーランドの英雄の名前です。
ポーランド建国の父、ユゼフ・ピウスツキと並んでポーランドのヒーローとして讃えられている彼が一体どんな人物だったのか、簡単に説明しましょう。
タデウシュ・コシチューシュコ
タデウシュ・コシチューシュコ(1746年〜1817年)は、愛国心を持ってポーランド分割に対して大規模な蜂起を起こしたことで知られる、ポーランド・リトアニア共和国時代の軍人。
この時代、ポーランドは度重なる戦争で軍事力と財源を消耗しており、ロシアの財政援助に頼った結果、ロシアの言いなり状態になっていました。
そして1772年、弱体化したポーランドはロシア、プロイセン、オーストリアの三国によって、国土の約4分の1と人口の35%を失います。国家資金不足に軍事力不足、他国の政治介入で政治を荒らされ、もはや抵抗する術もなく、ポーランドは渋々と領土譲渡を承認しました。
ポーランドはこの一度目の分割後、国政改革を行うことで国家の維持に努め、最後の国王はヨーロッパ初の憲法を制定します。憲法に基づき選挙王制はやめてザクセン家の世襲制とし、共和国は単一国家のポーランド王国に戻りました。
しかし、新憲法を嫌ったロシアがまたもや介入。プロイセンも分け前を要求し、ポーランドでは第二回の分割を承認するかどうかの選択を迫られました。
ポーランドも最初はロシア軍と戦うことによって激しく抵抗しますが、ロシアの勢力は圧倒的で対抗できないまま承認については沈黙を貫き、それは分割への同意と見なされてしまいます。
こうして1793年、ポーランドは面積にして25万平方キロを失い、残された領土はたったの20万平方キロとなり、人口は400万人となりました。
この頃、ポーランド議会は存在していましたが、事実上はロシアの属国なので意見するほどの力はありません。
ここで立ち上がったのがポーランド分割時代の英雄であるタデウシュ・コシチューシュコ。
彼は二度目の分割がなされる前、ロシア軍と戦っていました。しかしポーランドはロシアとの戦いに停戦を申し出たため、フランスへ亡命。そこでポーランドの窮状を訴え、フランスの支援を約束させます。
二度目の分割で国家機能を失った祖国に戻ったコシチューシュコ。
彼は1794年3月24日、クラクフの中央広場で蜂起宣言を発しました。この時、彼はこう述べたといわれています。
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こうして愛国者は農民を率いて義勇軍を結成し、ロシア軍と潔く戦い、ラツワヴィツカの戦い(1794年)では勝利をおさめました。
この戦いでコシチューシュコ将軍は農民兵を率い、ポーランドを侵略してきたロシア軍に立ち向かいました。武器や人数規模からして明らかに弱小であった農民兵。しかし、ロシア軍に打ち勝ってしまったという奇跡的な戦いです。
ヴロツワフでは、このラツワヴィツカの戦いのようすを描いたパノラマが日本語解説付きで見れますよ。詳細は下の記事 “6.主な観光スポット” をご覧ください。
要するに彼は18世紀から19世紀初頭にかけて、消えたポーランドを取り戻すために奮闘したポーランド人です。
幼少時代はドイツ、イタリア、フランスで育ち、軍事教育を受けました。
また、1776年〜1783年の間はアメリカ独立戦争で、ジョージ・ワシントンの副官として戦っています。
ポーランドに帰国した後は祖国ポーランドのために農民を率いて、コシチューシュコ蜂起というものを起こし、ポーランド再興を目指しますが結局打ち勝つことはできませんでした。しかし、圧倒的に不利な状況の中でも潔く戦った姿は英雄以外の何者でもありません。
コシチューシュコの丘
では、コシチューシュコの丘が作られた経緯に迫っていきましょう。
前回のティニエツ修道院の記事にも書きましたが、歴史を知っているか知らないかだけでも見方や景色が大きく変わってきて数倍楽しめそうな気がします。
象徴的なお墓として…
1820年7月、英雄コシチューシュコの3周忌を機に、彼に由緒のあった地の土や岩を集めて建設されることになったコシチューシュコの丘。
当時のポーランドは他国からの侵略によって存在しない国でした。この頃のクラクフはオーストリアに併合されており、クラクフ自由市と称されています。
そんな中でもコシチューシュコの丘の建設許可が下りました。着工式のスピーチではコシチューシュコの秘書であったパシュコフスキがこう述べたそう。
自由と独立より大切なものはない。
これほどの偉業を成し遂げた者(コシチューシュコ)をなしにして―
この着工式にはポーランド人だけではなく、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア人までもが駆けつけ、皆がそれぞれのスピーチを行ったといいます。
その日の建設作業は愛国唱歌とともに日が暮れるまで続きました。
建設には数年の年月がかかり、これらは祖国を愛するポーランド人の寄付とボランティアによって成し遂げられます。ちなみにポーランドという国が再び地図に現れるのは1918年のことでした。
建設から3年後の1823年10月、コシチューシュコの丘は完成しました。
しかし1850〜54年の間、オーストリアはこの丘をまるで隠すかのように壁で囲む作業を始めます。それは他国からクラクフを守るためでもあり(ポーランド人のためではない)、またコシチューシュコというポーランドの英雄を市民から遠ざけるためでもありました。
この壁は現在も残っており、一部は博物館となっています。とても面白いので、ぜひ営業時間内に行ってくださいね。
ちなみにですが、コシチューシュコはヴァヴェル大聖堂の地下に眠っています。ヴァヴェル城観光の際は彼の棺(Tadeusz Kościuszko とある)を探してみてください。地下最初の部屋ですよ!
展示内容と丘からの眺め
博物館では、ポーランドが国家として再び独立、そして戦後ソ連からの独立回帰を果たすまでに活躍した著名人を蝋人形でズラッと見ることが出来ます。
どちらかというとポーランド人の観光客の方が多いため、いっしょに記念撮影している人もちらほら。ここだけの話、似ているかと言われれば…どうかな?!
博物館は意外と見応えがあるので、最低でも30分は時間が欲しいところ。英語も読めてしまう方は1時間くらい見ておくといいでしょう。見落とされがちですが、地下の方も見学できますよ。
博物館の出口は入ってきたところと一緒ですが、そこからコシチューシュコの丘への入り口はちょっと距離があります。
歩いて5分程度でしょうか。ゆっくりめだと7〜8分かもしれません。
私も久しぶりに行った時は「こんなに距離あったっけ?!」と驚きました。でも初めて来た時は、博物館からそのまま丘へ行けるようになっていたのですが…。
丘の入り口からてっぺんまでは、マイペースに上って10分程度。
私は今のところ、5分あれば十分です。しかし、ガイドでご案内する時は「もっとゆっくり上らないとダメだなぁ」と反省しながら上っています (>_<) ※もちろん、ちゃんとお待ちしますよ。
お客さんによっては「疲れた〜!」という方もいますが、やはり何といっても清々しいので皆さん上ってよかったと仰られます。時間の関係もあり限られたお客さんしかご案内できないのですが、本音は快晴の日のガイドであれば皆さんをここに連れて行きたいと思うほど。
市街から丘への行き方
この記事を読んで「行ってみたい!」と興味が沸いた方のためにクラクフ市街からの行き方をまとめました。
コシチューシュコの丘へは、公共交通機関または公共交通機関と合わせてハイキングで行くこともできます。タクシーだと約15〜20分、旧市街からなら平日だと60PLN程度が相場です。
2017年2月現在の情報
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公共交通機関 バス・トラム
まずはマンガ博物館付近の Rondo Grunwaldzkie(ロンド グルンヴァルヅキエ)というバス停留所へ。
停留所までの行き方はどこから出発するかによって異なりますが、クラクフ中心部から向かう場合は179番のバスまたは52番のトラムが便利です。
バスは Oś. Krudwanów(オシェドレ クルドゥヴァヌフ)方面、トラムでは Czerwone Maki P&R(チェルヴォネ マキ パーク&ライト)方面です。
参考までに、クラクフ中央駅付近から乗車する場合を載せておきますね。
◆179番バスの場合
中央駅併設のショッピングモール内の出口から Pawia 通りに出てください。
Pawia(パヴィア)通りに面する Dworzec Główny Zachód 停留所(プロホテルの近く)からRondo Grunwaldzkie 停留所まで行くことができます。
① Dworzec Główny Zachód乗車
② Politechnika
③ Nowy Kleparz
④ Grottgera 08
⑤ Plac Inwalidów
⑥ AGH(アゲハ大学)
⑦ Cracovia
⑧ Jubilat
⑨ Konopnickiej
⑩ Centrum Kongresowe IC 下車
所要時間17分なので、2.80PLNのチケットで大丈夫です。
Centrum Kongresowe IC 停留所から Rondo Grunwaldzkie は60m。バスの本数は平日で2〜4本、土日祝で1〜2本となります。
◆52番トラムの場合
中央駅併設のショッピングモールメイン入り口に出てください。メイン入り口は中央駅とは反対方向にずっと進んでいったところにあり、乗車する停留所は Lubicz(ルビチュ)通りにあります。
① Dworzec Główny 乗車
② Poczta Główna
③ Starowiślna
④ Stradom
⑤ Orzeszkowej
⑥ Centrum Kongresowe IC 下車
所要時間10分なので、こちらも2.80PLNのチケットで大丈夫です。
Centrum Kongresowe IC 停留所から Rondo Grunwaldzkie は90m。バスの本数は平日で3〜4本、土日祝で2〜3本となります。
◆Rondo Grunwaldzkie から
ここからコシチューシュコの丘までは101番のバス(方面:Kopiec Kościuszki)で終点まで乗り、8分。
しかし、このバスは平日でも1時間毎なので待つくらいなら歩いて行ってしまった方がいいかもしれません…。
うまく乗り継ぎができれば、出発地によっては40分以内の乗車時間で済 むので40分間有効の3.80PLNを購入し、それを最初に有効化すれば2枚のチケットを用意する必要はありません。中央駅付近から出発する場合、 2.80PLNと3.80PLNのチケットを往復分用意してください。
これらのバスやトラムのスケジュールを知るには “jakdojade” のアプリやウェブサイトが便利です。下の記事で紹介しているのでぜひ活用してください。
ハイキングで行く
中央駅の裏側にある Uniwersytet Ekonomiczny 停留所から2番のトラムで Salwator 下車。
そこからコシチューシュコの丘までは約2キロ、徒歩30分の距離。西の方角へずっと歩いていってください。
Salwator まではほか、109/209/229/239/249/259/269/409のバス、または1と6のトラムでも行けます。
見学可能時間・入場料金
コシチューシュコの丘には主に博物館と丘の2箇所、見学ができます。
蝋人形(ポーランドの偉人)といっしょに記念撮影もできるので、博物館には絶対行くべきです!あのショパンもヨハネ・パウロ2世もいますよ。
博物館(エキシビション)
時期 | 開館 | 閉館 |
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1/1 – 1/15 | 9:30 | 15:00 |
1/16 – 2/28 | 9:30 | 16:00 |
3/1 – 3/29 | 9:30 | 17:00 |
3/30 – 4/30 | 9:30 | 18:00 |
5/1 – 8/30 | 9:30 | 19:00 |
9/1 – 9/30 | 9:30 | 18:00 |
10/1 – 10/22 | 9:30 | 17:00 |
10/23 – 12/31 | 9:30 | 15:00 |
※閉館30分前が最終入場となります。
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コシチューシュコの丘
こちらは、9時から日没までとなっています。例えば8月現在は19時50分まで。時間は公式サイトに表示されているので夕方以降に行く場合は公式サイトをチェックしてください。
また5月1日〜9月31日の金曜日から日曜日と祝日は夜11時まで開いています。なんか、クラクフ市民のデートスポットになってそう…(笑)。
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入場料(カード不可) | |
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割引料金(子ども・学生) | 10 zł |
通常料金 | 12 zł |
4人以下の家族 | 30 zł |
6人以下の家族 | 40 zł |
※2月4日(コシチューシュコの誕生日)、3月24日(コシチューシュコ蜂起の日)、10月15日(コシチューシュコの命日)は入場料無料。
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この入場料は、博物館とセットになっています。博物館閉館後に行ってもこの料金となるので、なるべく博物館の営業時間内に行くようにしましょう。
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Spokojnie
Spokojnie(スポコイニェ)は「落ち着いて」という意味。Spoko(スポコ)というのもよく耳にしますが、これは Spokojnie の略ではなく「OK」「問題ないよ」とまたちがった意味なので混同しないよう分けて覚えてください。
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初めまして。7月に6日間、家族でクラコフとワルシャワ2日間ずつ行く予定です。
ネットでいろいろ情報を捜していてあやかさんのこのページを見つけました。
まだいくつかの記事しか読ませていただいていませんが、全部チェック、プリントさせて
いただくつもりです。
コンサート情報など、貴重な情報をありがとうございます!!
facebookも読みたいと思っています♪
由美さん
はじめまして!コメントありがとうございます(^ ^)
由美さんはご家族といっしょにポーランドへ旅行されるのですね。素敵ですね。
当ブログにはガイドブックに載っていないお得な情報が満載、日々更新しているのですべてをチェックするのは大変かもしれません。
しかしその分、有意義な旅行になること間違いなしです!
そして、すべてを読み通したくなるほど私のブログを気に入っていただけたのはとても嬉しいです♪
これからもどうぞよろしくお願いいたします(^o^)