これからポーランドへ行く方が知っておきたい情報

ポーランド人の国民性を8つ紹介|愛国心が強く、ヨーロッパいちの働き者

ポーランド人の国民性
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クラクフ市公認ガイドのカスプシュイック綾香(本名)です。2014年以降、ポーランド在住。ガイド・通訳業の傍ら、旅行や生活に欠かせないポーランド情報をお届け中!
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この記事の内容
 性格なんて人それぞれ…と言えばそれまでですが、どこの国にもその国ならではの国民性が存在します。
 私は6年以上ポーランドに住む中で、多くのポーランド人に共通するキャラクターなるものを度々見てきました。そこで、在住者目線で【ポーランドのユニークな国民性】に迫ってみましょう!

アイコン
この記事の目次
自国の歴史に誇りを持っている
でもネガティブ意識もある
人懐っこく、もてなし上手
数字に強くて節約が得意
古いモノでも長く大切に使う
カトリック信仰があつい
欧州トップクラスの働き者
自然や季節をしっかり楽しむ
この記事のまとめ
ポーランド人あるある9選|国産志向、我が国の言語は世界一難しい!

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自国の歴史に誇りを持っている

ワルシャワの人魚 ポーランドは千年以上の歴史を持ち、かつてはロシアも恐れるほどの大国でした。
オスマンを撃退してムスリムによる欧州進出を防ぎ、ポーランドなくして今のヨーロッパはなかったと言っても過言ではありません。

しかし18世紀後半以降は軍と財政を消耗して弱体化し、100年以上も消滅。
そこから再び国家として這い上がるまでに幾度もの苦難と逆境を乗り越え、戦後もソ連の圧政から自力で抜け出した過去を持っています。

そんな、17世紀までの輝かしい歴史と凄まじい近代史を持つポーランド人…。
2016年に行われた国内大手アンケート会社CBOSの調査によると、回答者の90%近くが自分たちは愛国者であると答えました。

また国民の大多数がポーランド国旗を所有しており(祝日や試合応援 で必須)、自国を守るためにも選挙の参加に意欲的。
さらに、誰しもが尊敬するポーランド人の偉人の名を1人や2人挙げることができます!
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夫ピオトル
ポーランドの歴代国王や英雄たちが眠るヴァヴェル大聖堂は、ポーランド人みんながワクワクしながら訪れる場所だよ。
あやか
胸を張って自国の歴史を語れるって素晴らしいことだよね。苦しい時代もポーランドを守ってきた先人たちに感謝。泣
ポーランドの歴史

 

でも、ネガティブ意識もある

自虐的な女性 ポーランド人は外国人や観光客に「ポーランドは素敵だね」と褒められると、謙遜けんそんしているのかなぜか懐疑的になる人が多いです。

欧州の中でもパッとしない国だと思っていたり、自尊心もどことな〜く低い。
情熱的で愛国心も強く、自国の歴史に誇りを持っていても政府の文句はバンバン言います。

また、特に共産主義時代の苦い思い出を背負っている40代以上の人たちは西欧ヘのコンプレックスが強い人も割といます
古都クラクフはあんなにも美しいというのに、プラハのほうを勧めてくることも…。笑

とは言っても、外国人に自国を褒められて嬉しくないなんてことはないはず!!
もしポーランドの良さを否定してきたら、具体的に好きなところを伝えてみてください。
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夫ピオトル
よく、国外に長く住むポーランド人で本気でポーランドをけなす人がいたりするけど、あれもちょっと落ち込むよなぁ。
あやか
そういう人が久しぶりにポーランドに帰ったら、思ったより観光客も多くて街も発展してるってビックリしそうだけどね。
ポーランドが共産主義だった頃の話

 

人懐っこく、もてなし上手

会話 ポーランド旅行中、困っていたら地元の人が親切に助けてくれたとか、一人での食事中に話し掛けられて仲良くなったとか、そういった話はガイドのお客さまからもよく聞きます。

日常生活でも挨拶をし合う場面が多く、他人とのバリアはあまり感じません
顔見知り程度でもふつうに会話し、列車の個室でも出入りの際には挨拶し、重い荷物を持っていると男性の方が声を掛けてくれたり。

ちなみに病院や歯医者などの待合室では個人名で呼ばれないため、先に待っている人たちに直接順番を尋ねる必要があります。
とにかく、日本よりも他人に話しかけたり、話しかけられる機会が多いのは間違いなし。

自宅に招待されると予想以上の歓迎を受けることが多く、終始テンションも高め。
そして必ずと言っていいほど度が強めのお酒を勧めてくるので(ウォッカ)、お酒に弱い人は断り文句をちゃんと考えておきましょう!
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夫ピオトル
日本では他人との間に一定の距離を感じるね。スーパーのレジで挨拶しない人も多いし、はじめはちょっと意外だった。
あやか
日本に帰ったとき、ポーランドにいる感覚でレジの人に「おやすみなさい」って言ったことある…。恥ずかしかった!
リピーター観光客がたくさん
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数字に強くて節約が得意

お金 国際機関OECDによる数学的リテラシーランキング(2018)では、ポーランドは多くの先進国を抜いて欧州トップレベル
北米、スイス、ドイツよりも上なんですよ。

それが根拠になるかはさて置き、ポーランドは数字に強い人がかなり多いです。
私の夫は全国の学校が参加する数学大会で優秀な成績をおさめ、その見返りとして県内トップレベルの高校に試験なしで入学したとか。

数字に強いということは計算もやっぱり得意で、結果的に節約上手に繋がります
ポーランドの友人と買い物に行くと、即座にお買い得商品をチェックしたり、計算や比較してる人が多いような気がしてなりません。

また、得するノウハウ系ブログやサイトも多く、「ケチるわけではないが損はしたくない」といった考えが随所に感じられます。
高くても良いもは買うので、安物買いの銭失いにならないよう心がけているのでしょう。
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夫ピオトル
話が少しズレるけど、数年前にポーランド数学者のステファン・バナッハが気になるっていう人をガイドしてたよね。
あやか
わ〜、懐かしい!あの後、旧ポーランド領のリヴィヴでポーランド人数学者ゆかりの地を巡って、お墓参りも行ったっけ。

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古いモノでも長く大切に使う

時計 これは本当に見習うべきことですが、ポーランド人はモノを大切に使います。
中には買い換える頻度が高い人もいますが、基本、古くても使えるものはとことん使う派

夫の実家にも古いモノが色々あり、ヴィンテージレベルの家電製品もまだ現役。
共産主義時代にかなり苦労して手に入れたとか深い思い入れがあったり、単純にまだ捨てるほど傷んでもないから手放せないんだそう。

友人の家で娘を遊ばせた時、その友人が幼少期に買ってもらったという数十年前の絵本やおもちゃがいっぱい出てきました。
夫の実家にも30〜40年前のおもちゃが山ほどあるため、特に驚きませんでしたが…。

男性なら機械いじりも得意で、電気製品が壊れたら分解して自力で直します。
買ったほうが安い、早いとかそういう問題ではなく、まだ使える可能性があるのに捨ててしまうことに抵抗を感じるのかもしれません。
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夫ピオトル
着ない服も基本は捨てない。大したお金にならなくてもリサイクルショップに売ったり、寄付する人がほとんどだね。
あやか
ポーランドに来たばかりの頃、古着屋の多さにビックリしたなぁ。仕入れから6日後に最安値になる仕組みも面白い!

 

カトリック信仰があつい

聖書の勉強 カトリックは建国以来の国教であり、ポーランド人の9割はカトリック教徒
そして、ポーランドの至るところに十字架やローマ教皇(特にポーランド人の故ヨハネ・パウロ2世)の写真を見ることができます。

私もカトリック教徒なので毎週教会に行きますが、若い人たちや家族も多く、教会主催のイベントや集まりも盛んに行われます
観光地のお土産屋さんにも、イコン(聖画)やお祈りグッズがズラリと並んでいますよ。

ちなみに聖職者に挨拶する場合、「こんにちは」は “神にご加護を” という意味の “Szczęść Bożeシュチェンシチ・ボジェ” で、「さようなら」は “神とともに” という意味の “Z bogiemズ・ボギエム” です。

また定形表現なので信仰とは別ですが、リアクションの一つに „Jezus i Mariaイエズス・イ・マリア”(イエスとマリア)という言葉があります。
英語のオーマイゴッドみたいな感じで、外出先でもしょっちゅう耳にするフレーズです。
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夫ピオトル
尊敬するポーランド人ランキングでは、1位は毎回決まってヨハネ・パウロ2世。教皇、聖人でありつつ我が国の英雄!
あやか
ラジオ・マリアっていうカトリック向けのラジオ番組も大人気だし、道端にも小さな礼拝堂がちょこちょこあるよね。
最大教派カトリックについて徹底解説

 

欧州トップクラスの働き者

働く男性

 ヨーロッパ労働時間ランキング(2019)によると、ポーランド人は週平均39.7時間働いておりEU加盟国の中では1位!
(日本人は週平均45時間以上だとか…

一応、ポーランドでも正規雇用の会社勤めなら週5日8時間勤務が基本です。
そして、年1回は2週間連続で休暇を取得しなければいけないため、それに有給を合わせればまる1ヵ月休むこともできちゃいます。

私の夫は「昇給しなくていいから週3日勤務がいい」とボスに要求し、今は週4勤務で毎月4日分の特別手当をもらっています。
このように、正規雇用でも交渉を通して時短勤務をしている人も多いかもしれません。

ちなみにですが、EU加盟国での労働時間最下位はオランダで週29.3時間!
加盟国の平均は36.2時間のため、ポーランド人がいかに働き者か分かりますよね…?
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夫ピオトル
残念だけど、”日本といえば過労死が多い” っていうイメージを持っている人も少なくないね。ちゃんと休まないと!
あやか
みんな好きでそんなに働いているわけじゃないから。残業代のために残業する人もいるし、オフィスワーカーも体力勝負。
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自然や季節をしっかり楽しむ

ハイキング ポーランドの森林面積は全領土の約30%(だいたい北海道と青森ほど)。
内80%は国有林(およそ710万ヘクタール)のため、自由にハイキングしたり、常識の範囲内で自然を楽しむことができます。

またポーランドは平原の国と言われていて、都市間の移動景色はまるで北海道
そのため夏から秋にかけては、ザコパネやタトラ、カルパチュといった南ポーランドと北スロバキア・チェコ国境に広がる山岳地帯に山登り好きのポーランド人が大勢集まります。

頂上へ向かうには長い行列に何時間も並ぶ必要があり、一向に前に進みません。
夏の山は暑くて体に堪えるため、ガラガラのスロバキア側から登るのが得策と言えます。

ハイキングシーズンが終わればスキーでまた山に登り、夏は家庭菜園でベリーの収穫に勤しみ、秋は森で家族行事のキノコ狩りを楽しみ、年がら年中何かしら自然に触れています。
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夫ピオトル
ポーランドの本屋さんにはキノコの本がたくさんあるよ♪ 森には危険なキノコもあるから、適当に取るのは絶対ダメ。
あやか
植物研究者の方をガイドしたとき、初めてポーランドの森について色々知ったけど、この国の自然環境は素晴らしい!
ポーランドで食べたい美味しいベリー系フルーツ

 

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この記事のまとめ
アイコン ポーランドに縁のある方にとっては「そうそう!」と頷きたくなる内容であり、そうでない人にとってもそれなりに興味深く読んでもらえたと思います
 
 ザックリまとめると、❶自国に誇りを持ち、❷ややマイナス思考、❸他人との距離が近くてフレンドリー、❹数字に強く節約上手、❺モノを大事に長く使い、❻敬虔な人が多く、❼ヨーロッパいちの働き者で、❽自然を愛するのがポーランド人。
ポーランド人に親近感を抱くと言われる方も多いですが、これらの国民性を知ったあなたはどう思われたでしょうか?実際に接する機会があれば、当てはまるかどうか観察してみると面白いかもしれません。

ん?僕のこと?

 

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あやか
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12件のコメント

東條冨夫 より:

秋にポーランドへ行きますので、参考になりました。

Ayaka より:

冨夫さん、はじめまして!
実はこの記事は3番目くらいによく読まれている人気の記事です (*^_^*)
国民性とまでいかないエピソードも少しあるので、また溜まってきたら書きます。

ゆき より:

ほんと信心深い 店でハムを買おうとしたら その曜日は肉は売れないと言われました 私達は仏教だと言いましたがだめでした。 二度ポーランドに行きました 印象は安全な落ち着いた雰囲気でした 深い歴史には苦しい時も良いときも秘め大人の国 また行きたい。

Ayaka より:

ゆきさん

こちらでは、金曜日はお肉屋さんが閉まっていることも多いです。
ある金曜日、行きつけのレストランでピエロギ入りのスープを注文したとき、そのピエロギが肉入りだったことを思い出し「やってしまった!」と思いました。
私もカトリック教徒なので金曜日に肉を食べるべきではありません。
しかし、そのピエロギはキノコ入りになっていました!

ぜひ、またポーランドへお越し下さい (^ ^)
これからもブログをどうぞ宜しくお願いします。

[…] ポーランドについて調べてみて 色々な事を考えさせられた。 ↓ Wikipedia………非常に詳しい情報 外務省………ポーランド基礎データー ……… ポーランド在住者からの報告 ↓ ポーランドの国民性がよく分かる 6つの話 […]

小田桐英輝 より:

『6つの話』楽しく拝見しました。私の妻もポーランド人なので、クスッと笑えるお話ばかりで。
あと、会話がなかなか終わらない、というか「じゃまたね!」とか言いながらすぐに新たな話題が続く…そんな場面が多いように感じられます。日本人の私は慣れない内は(またかぁ…)とイライラしたものですが、息子に「あれは話題を変える時のジェスチャーと思えばいいんだよ」と言われ、なるほどと思いました。他のヨーロッパ人もそうなのか、ポーランド人特有なのかは分かりませんが。

承認が大変遅れてしまいましたが、コメントありがとうございます!
当記事を楽しく読んでいただけたようで嬉しく思います。今やポーランドに長く住みすぎたのか、ちょっとした違いに気付きにくくなってきたので、我ながら書いておいてよかったです(^ ^;)
確かに、ヨーロッパの文化として他国と共通するところはあるかもしれませんね。

中井たかの より:

ポーランドの障害者福祉について調べてて、このページにたどり着きました。
私も海外旅行など大好きで、ポーランドには行ったことがありませんが、大変楽しく読ませて頂きました。ポーランドへ行く機会があったらアウシュビッツなど案内していただきたいです。
Ayakaさんと同年齢の障害のある息子がいます。AB型です。
ポーランド人の特徴、大変わかりやすかったです。ポーランド人が好きになれそうです。

中井さま

コメントありがとうございます。
当ブログを運営している綾香です。

肝心のポーランドの障害者福祉に関する記事は当ブログにないものの、興味を持って読んでいただけたようで嬉しく思います。
障害にもいろいろありますが、ポーランドでは障害のある人に対しても優しい目で見ている人が多い印象です。
アウシュヴィッツ博物館の近くにダウン症の子どもたちが通う学校があるのですが、健常者の子どもとも公園で楽しく遊んでいて、私にも手を振ってくれたります。
今は新型コロナの関係で海外旅行計画もままならないと思いますが、ポーランドへお越しになることがあればぜひご相談ください (^ ^)
今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

はるか より:

ポーランドというと私は優れた撮影監督さん達!となります。どうしてポーランドのカメラマンは光と影の扱いがあんなに天才的なのか?この謎を解くためにはやはり一度は訪れてみるべきなのか?思案中です。コロナが早く収束しますように🙏

私はポーランド映画をあまり観ていないのですが、日本でも話題になっている映画は多くありますよね。そういえば、数年前にご案内したお客さまのご友人(日本人)がポーランドで映画作りを学んでいると仰っていました。本当に、そういった技術がポーランドでは優れているのかもしれませんね。

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