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今年のポーランドのお盆は、10月29日〜翌月2日にかけての連休でした。
11月2日は「死者の日」。ポーランド語で “Dzień Zmarłych“(ヂェニ・ズマルウィフ)といいます。11月1日が「万聖節」という祝日のため、1日が「死者の日」と思っている方もいるようですが、2日が「死者の日」ですよ!

カトリック信仰のポーランドでは、万聖節の翌日が「死者の日」となります。
「死者のために祈る」という発想そのものはポーランド建国前の自然宗教の時代からあったようですが、現在ではカトリック教会においての概念で、「死者のために祈る日」となりました。
カトリックの考え方では、罪を持ったまま死んでしまった者はすぐには天国に行けず、まず煉国(れんごく)と呼ばれる場所で罪を清めなければならないと考えています。しかし、この「死者の日」に死者のために祈ることによって清めの期間が短くなると信じているのです。

先祖が眠る墓地に足を運び、まずは墓石をきれいにします。そして、花や火を灯したランプを墓の上に置き、家族でお祈りします。その光景を見ていると、日本のお盆のお墓参りそのもの。
しいて違いを言うならば、ちょっと大げさにも見えるランプを置いたり、お祈りの前に十字を切ることでしょうか。
ランプは、風よけの筒状になっているものを用いるのがふつうでポーランド語で “znicz”(ズニチュ)といいます。
秋になると途端にカラフルなズニチュがスーパーに並びだすので、ポーランドの墓地に行ったことがなくても見覚えがある方は多いのではないでしょうか。

大きな墓地であれば、必ずといっていいほど敷地内にチャペルがあります。
その近くには戦時中に命を落とした人々や身元不明人のための共同墓地、すべての死者を悼む十字架があったりするので、そこにズニチュを置いて自分なりにお祈りしてみてはどうでしょうか。
信条に関係なく、死者が安らかに眠れるよう願う気持ちは同じだと思います。

秋にお墓、死者といえば誰もが思い浮かべるハローウィン。ポーランドでもこの時期になると、ハローウィンらしい装飾をたまに見かけることがあります。
しかし、カトリックにおいてハローウィンはNG。ご存知でしたか?
カトリックの人に「ハローウィン!」なんて言おうものなら顔をしかめられるか、苦笑いされることでしょう。人に寄よっては機嫌が悪くなるかもしれません。これはポーランドに住むすべての日本人が知っておくべき事実です。
というのも実は、ハローウィンというのは悪魔に関するお祭りごと。キリスト教にとって、悪魔を呼ぶような行為をすることは絶対あってはならないことなのですが、なぜかプロテスタントではハローウィンを祝う習慣があります。

ちょっと真面目に考えてみてください。ゾンビや魔女に仮装する人々を見てそれが本当に魔除けになっているのかと言われれば、そうでもないような気がするのは私だけではないでしょう。
夫には、ハローウィンで仮装するという行為そのものが悪魔を呼び込んでいるように見えるのだか。なるほど。
そんなポーランドでも最近では欧米化の影響で、仮装をする若者を見かけることがあります。しかし、真面目なカトリック教徒からするとドン引き。かくいう私も一応カトリック教徒なので、ハローウィンはあまりよく思っていません。
でも日本人にとってのハローウィンに宗教的な意味合いは一切ないので、日本で仮装をする人々がどうだとか非難するつもりは一切ありません。
次回の記事では、私がお墓参りにいった日のことをお伝えします (o^-^o)
modlić się
modlić się(モドリチ シェン)は動詞で「祈る」という意味です。
週末の朝、夫といっしょに起きる時、必ず彼は “pomodlimy się?”(ポモドリメ シェン:祈りましょうか)と私に言います。カトリックでは朝と夜にお祈りをする習慣があります。
pomodlić się は modlić się の完了体。完了体と不完了体のちがいについてはこちらの記事をご覧ください。


