これからポーランドへ行く方が知っておきたい情報

ポーランドの硬水に注意!旅行者も在住者もデメリットを知って万全対策を

硬水のデメリット&メリット
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クラクフ市公認ガイドのカスプシュイック綾香(本名)です。2014年以降、ポーランド在住。ガイド・通訳業の傍ら、旅行や生活に欠かせないポーランド情報をお届け中!
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この記事の内容
 日本は軟水、海外は硬水。硬水は飲んだらお腹を壊しやすい。海外では水道水を飲めないから、水(ミネラルウォーター)は買って飲むもの…。
 
 そんな話をどこかで聞いたことがある人は多いと思いますが、硬水の知識はポーランドに滞在するうえで必ず知っておきたいことの1つです。
 当記事では、硬水そのものの基準/特徴や、各シーンのメリット&デメリット+旅行者&在住者目線の対処法について分かりやすく説明していきます

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水を飲む人
この記事の目次
日本とポーランドの水のちがい
ポーランド主要都市の水の硬度
硬水のメリット&デメリット
  シーン1 キッチン・料理
  シーン2 洗濯・掃除
  シーン3 スキンケア・髪

常備したい硬水対策アイテム
  石灰カス/水垢にはデュアゴール
  リンスエイドで食器はピカピカ
  洗濯には軟化剤のカルゴンを使う
  和食作りには浄水ポットを活用
  軟水シャワーで髪と頭皮も健康的
旅行者が知っておきたい硬水対策
硬水を飲むことによる健康リスク
この記事のまとめ
ポーランドのミネラルウォーター、買うときのコツと定番おすすめブランド

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日本とポーランドの水のちがい

水 最近はヨーロッパでも徐々に軟水化(水道水でも安心して飲める)してきているものの、日本と比べればまだまだ硬水の部類です。

硬水とは水に含まれる硬度が高いものをいい、その定義となるのがカルシウムやマグネシウムといったミネラル成分の含有量
欧米ではミネラルを含む石灰岩の地層が多いため、硬水地域が多いのは仕方ありません。

しかし、同じ国でも硬度はバラバラ!
ポーランドにも軟水の地域がある一方、日本も関東だと中硬水の傾向が高くなるのです。
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水の硬度の分類(WHO基準)
水の種類 mg/L °dH 水道水
軟水 60未満 8.4未満
中硬水 60〜120 8.5〜13
硬水 120〜180 14〜24
超硬水 180以上 24以上

※欧州では °dH を用いることも多い

あやか
ポーランドの硬水度は地域によって24〜200mg/L、日本では26〜84mg/Lだそう。
ポーランド、幅ありすぎ…!
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軟水か硬水か見極める方法
 海外や旅行先で石けんが泡立ちにくいと感じたり、電気ケトルの底に白いカスがこびりついてる場合は硬水地域となります。日本から持ってきたお茶を入れて「マズい」と感じたら、それも硬水のせい…!

 

ポーランド主要都市の水の硬度

硬水度マップ
軟水 一部の小さな街(マップの緑部分)
中硬水 クラクフ、グダニスク、ウッヂ
硬水 ワルシャワ、ポズナン、カトヴィツェ
超硬水 ヴロツワフ、ザモシチ

出典:aquahome.pl

あやか
水道水を飲める地域は多いけど、飲み水に関しては買う人のほうが多いかも。1.5Lでも50〜60円くらいで売ってるよ。
夫ピオトル
水道水を沸騰させれば石灰が沈んで軟水になるよ。水は重いからできるだけ買いたくないっていう人にはオススメの方法。

 

硬水のメリット&デメリット

硬水を飲むと不足しがちなミネラルを補うことができ、腸内環境を整えて便通をよくしたり、脳梗塞・高血圧予防に繋がります。

しかし、生活面ではデメリットばかり
❶水道管や蛇口に石灰が溜まって水の出が悪くなる、❷水を使用する家電製品は故障しやすく電気消耗が大きい、❸水回りはこまめな掃除と手入れが必要、といった問題など…

 

シーン1 キッチン・料理

硬水のメリット
硬水で料理するとミネラル補給につながる
肉が柔らかくなり、臭みを消してくれる
料理や飲料によっては風味が増すこともある
パスタを茹でとコシが出てアルデンテ風に

 

硬水のデメリット
食器や水回りに白い斑点(石灰成分)が残る
電気ケトルの底に石灰の白カスが溜まる
コーヒーマシンやケトルの電気消耗が大きい
コーヒーや紅茶・日本茶の風味や色が変わる
豆や米を煮たり炊くと硬くなりやすい
出汁を多く使う料理(=和食)に不向き

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シーン2 洗濯・掃除

洗濯
硬水のメリット

 

硬水のデメリット
洗濯ものに白い斑点や石けんカスが残る
洗濯ものの色がくすんで灰色になる
すすぎの回数が増えるので柔軟剤を多く使う
衣服が摩耗によってダメージを受けやすい
石灰カスで洗濯機が故障しやすい
浴槽に水垢や石けんカスがたまりやすい
ウォシュレットは特別なノズル掃除が必要

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我が家のウォシュレット設置体験談

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シーン3 スキンケア・髪

硬水のメリット

 

硬水のデメリット
石灰カスで毛穴が詰まりやすく、肌が荒れる
肌が弱い人は湿疹やアトピーに注意
手や体をすすいだ時にヌルヌル感が残りやすい
すすぎの回数が多くなり、肌が乾燥する
洗髪後は髪がパサパサ・ゴワゴワになる
髪が抜けたり、頭皮が痒くなってフケが出る

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ポーランドのおすすめシャンプー

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常備したい硬水対策アイテム

鏡の掃除
夫ピオトル
硬水のデメリットを見てショックを受けたと思うけど、ちゃんとそれぞれに合った対策方法があるから安心?してね。
durgol

画像引用:https://durgol.com

オススメアイテム その1
石灰カス/水垢にはデュアゴール
鍋やケトル、コーヒーマシンの石灰カスを落とすには、durgolデュアゴール というメーカーの洗剤を使うとよい。クエン酸や酢を使う手もあるが、クエン酸はしっかり水拭きしないとベタベタしたり、酢は特有のにおいのほか、ゴム・プラスチック素材の消耗が早まる。
オススメアイテム その2
リンスエイドで食器はピカピカ
硬水で食器やグラスを洗い、そのまま乾燥させると白い斑点が残ってしまう。そこでリンスエイド(płyn nabłyszczającyプウィン・ナブウィシュチャヨンツィ)を用いればピカピカになる。食洗器の洗剤投入口の隣にある丸い穴はリンスエイドを入れるところ。紺色のボトルの finishフィニッシュ が人気。
オススメアイテム その3
洗濯には軟化剤のカルゴンを使う
洗濯には洗剤、柔軟剤、軟化剤の3つが基本アイテム。ポピュラーな軟化剤(środek zmiękczacz wodyシロデク・ズミェンクチャチュ・ヴォデ)は calgonカルゴン、ドラッグストア・ロスマンの商品 domolドモル など。軟化剤は石灰付着による洗濯機の故障を防ぎ、洗浄力を高める効果がある。
オススメアイテム その4
和食作りには浄水ポットを活用
浄水器を設置するとなるとそれなりの費用が発生し、場所も取る。そこで浄水ポットの定番ブリタや、旅行にも便利なポータブル浄水機能付ボトルなどで水道水を軟水に変える方法もある。和食を作ったり、日本茶を飲むときは浄水ポットの水を使えばよい。
オススメアイテム その5
軟水シャワーで髪と頭皮も健康的
硬水シャワーは髪や頭皮にダメージを与え、抜け毛やフケの原因になる。軟水シャワーは手軽に導入でき、シャワーホースに浄水フィルターを取り付けるだけなので試す価値アリ。消耗具合は硬度と水の使用量によるが、40PLN前後の商品でも最大半年持つ。
ドラッグストアで買えるもの(ポーランド語)
 

旅行者が知っておきたい硬水対策

ハンドクリーム ほんの1週間の旅行だったとしても、硬水対策するに越したことはありません。
なぜなら肌や髪へのダメージはすぐ現れ、一度傷ついたものを直すのは大変だからです!

ポーランドに限らず、ヨーロッパや北米のほとんどの水道水は硬水であるため、海外旅行では下記のことを心がけてみてください。
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保湿力の高いクリームをこまめに塗る
石けんやハンドソープは現地で買う
シャンプーも現地のものを使うと◯
日本の軟水シャワーを使う
持ち運びに便利な携帯浄水器を活用

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硬水を飲むことによる健康リスク

水を飲む女性

 一般的に、硬水そのものはミネラル補給にピッタリで健康的と言われています。
長期に渡って飲んでも特定の病気になるリスクはなく、またミネラル成分が多いからといって結石が増えるという根拠はありません。

 ただし、赤ちゃんは内臓器官が未発達なので硬水は内臓に負担を与えます
赤ちゃん用の水(woda dla niemowlakaヴォダ・ドラ・ニェモヴラカ)はスーパーに売っているので、調乳などでうっかり硬水を使わないよう注意しましょう。

 また、軟水をよく飲む人が急に硬水を多く飲むとお腹を下すことがあります。
ウイルスや菌が原因ではないので過剰に心配する必要はないですが、気になる人は低ミネラルの水を選ぶようにするといいでしょう。

ちなみに赤ちゃん用の水は小さなボトルに入っているものもあり、私の場合、外出先では 250ml サイズもよく買います。
持っているカバンが小さいときや、ちょっとだけ飲みたいとき、冬場にはピッタリ!

Baby Zdrój, Mam i ja, Primavera, Dobrowianka, Żywiec Zdrój など
Baby water

画像引用:https://babyzdroj.pl/

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この記事のまとめ
アイコン 普段の生活の中で最も身近な水。それだけに硬水による影響は幅広く、食器や水回り、家電製品などはこまめな手入れが欠かせません。洗濯では色々と補助アイテムや工夫が必要となり、慣れるまでは混乱することもあるでしょう。また髪や肌などにもダメージを与え、私もポーランドに住んでからは保湿を意識するようになりました。

 硬水はデメリットが多く、軟水にはこれといったデメリットはありません。思い切って軟水器を取り入れるのもアリですが、ちょっと大掛かりで場所も取るし面倒…。賃貸だとそれも難しいです。
だったら、割り切るしかありません。水回りや家電製品の水垢は定期的に掃除し、洗濯機には柔軟剤+軟化剤も忘れずに投入し、シャワーにはフィルター
を設置して軟水化するなど、個別に対処しながらうまく硬水と付き合っていきましょう!

ポーランドのミネラルウォーター

 

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あやか
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