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この記事の内容
世界中に日本のお盆に相当する「死者の日」がありますが、不思議なことにほとんどの国で10月末から11月の初めにその日がやってくるようです。いわゆるハロウィンもその一つ。しかし、過ごし方は国によって異なります。
ポーランドでは厳かに墓参りをするので、日本のお盆と少し似ているかもしれません。「ハッピーハロウィン」と言いながら仮装する人はごく一部で、ふつうは家族や親戚といっしょに他愛ない時間を過ごしたりします。そして、このお盆が過ぎるともう冬まっしぐら
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この記事の目次
❶ ポーランドのお盆は10月末〜
❷ 自然宗教の時代から根付く習慣
❸ ポーランド人の死に対する考え
❹ 美しい墓地に思わず見入る!
❺ カトリックでハロウィンはタブー
❻ 実際の墓参りで感じたこと
❼ この記事のまとめ
【2021年対応】ポーランドの祝日一覧+気を付けるべき日と観光アドバイス
ポーランドのお盆は10月末〜
ポーランドではお墓参りの日があり、それが毎年やってくる11月1日の「諸聖人の日(万聖節)」と翌日2日の「死者の日」です。
つまり日本でいうお盆のような日であり、その前後の週末は帰省ラッシュ!
列車やバスはほぼ満席&たくさんの荷物を持った人たちで溢れるので、観光客の人はなるべく移動を避けたほうがよい期間でもあります。
お盆といってもカトリックのポーランドでは日本と考え方が異なり、死者がこの世に戻ってくるというイメージはありません。
一方、遠くに住む家族も実家へ戻り、墓参りをすることで亡くなった家族や親戚に思いを馳せるのは日本のお盆とそっくりだと思います。
毎年10月になるとスーパーや墓地にたくさんのキャンドルホルダーが売られていますが、それを見ると秋の訪れを感じます。
ポーランドの秋の風物詩といえば、キャンドルホルダーと大きなオレンジのカボチャです!
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カトリックの祝日でもあり、ポーランドの祝日でもある「諸聖人の日」はすべての聖人と殉教者を記念する日です。聖人とはカトリック教会が認める “少なくとも2回奇跡を起こした人” や殉教者をいい、世界中に何百人、何千人といます。福者という聖人一歩手前の人も含めれば、ポーランドには260人以上の聖人、福者がいるのだそう。
自然宗教の時代から根付く習慣
ポーランド建国(ポーランド公国の誕生)は今から1050年以上前にさかのぼりますが、当初のポーランドは自然宗教の国でした。
自然宗教では大地や空、そして死に対する尊厳が強く、年に6回ほど「死者の日」とも言える儀式が行われていたそうです。
やがてカトリックの国となってもその根強い風習が消えることはなく、今日ではカトリックの祝日である「諸聖人の日」と融合しました。
ポーランドはヨーロッパの中でもカトリック教徒の占める割合が多く、人々の生活を見ても一見は自然宗教の要素がありません。
しかし地方行事などで「なんだか不思議で神秘的な光景だなぁ」と思ったら、スラヴや自然宗教と繋がりがあったりするのです。
中でも11月2日の「死者の日」はポーランド全体で認識されている自然宗教に基づく習慣であり、今後もずっと守られていくでしょう。
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ポーランド人の死に対する考え
カトリックでは、罪を持ったまま死んだ者はすぐ天国へ行けず、煉国と呼ばれる場所で罪を清めなければならないと考えています。
ここでいう罪の定義は、犯罪者ではなくとも大なり小なり “過ち” を指します。
教会の教えに背いて貪欲に生きてきた人は教会に属していてもまっすぐ天国へは行けないだろう、そのような考えを持つのがカトリック。
しかし、生者が死者のために祈ることによって清めの期間が短くなると信じており、特に「諸聖人の日」や「死者の日」を通して教会では死者への深い祈りが捧げられます。
日本のお盆で「死者への祈り」と言うと先祖への敬いや感謝の気持ちが感じられますが、キリスト教では先祖に限りません。
この世を去った人々が少しでも早く天国へ行けるよう、安らかに過ごせるよう願うのです。
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美しい墓地に思わず見入る!
ヨーロッパの墓地といえば白い十字架をイメージする人も多いと思いますが、実際は様々なかたちの墓石があり、花で鮮やかです。
この時期の墓参りの流れは日本のそれとよく似ており、まずは墓石を拭いてきれいにし、それから花やキャンドルを墓の上に置き、家族みんなでお祈りするのが一般的。
花は日本のように菊が最もポピュラーで、他にもアイリス、ユリ、バラをよく見かけます。
キャンドルには風よけのために筒状になっているもの(キャンドルホルダー)を用いるのですが、それがまたカラフルで綺麗!
ポーランド語でズニチュといい、秋になると色んな形のズニチュがスーパーに並び始めます。
たくさんの色鮮やかな花と灯火で彩られた夜の墓地は美しく、まさに幻想的。
キリスト教徒は「大切に想う死者とは天国で再会できる」と信じていることもあり、元から墓地にはそれほど暗い雰囲気はありません。
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カトリックでハロウィンはタブー
秋のお墓、死者といえばハロウィンを思い浮かべたりしますが、実はキリスト教カトリックにおいてハロウィンはタブーなんです!
「ハロウィンってキリスト教のお祭りかなんかじゃないの?」という声が聞こえてきそうですが、ハロウィンも元はというと古代ケルトの悪魔祓いの風習から生まれたもの。
ケルト人は突然キリスト教への改宗を迫られたものの重要な儀式を断ち切ることができず、教会側も受け入れるしかなかったのでしょう。
しかし表向きには「悪魔祓い」と言われているものの、本当のことを言うと、悪魔と交信するための恐ろしい儀式なんです。
キリスト教において悪魔(サタン)を招く行為など御法度であり、それもあってポーランド人はハロウィンを忌み嫌う人も多いのだとか。
ハロウィンは世界的に秋の楽しいイベントとして捉えられており、ポーランドでもハロウィンの飾り付けを見ることがあります。
ただカトリック教会の神父さんたちはハロウィンを受け入れる発言はしませんし、本当に一部の若者だけが楽しんでいるイメージです。
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実際の墓参りで感じたこと
私はポーランド人と結婚しているので、家から徒歩圏内(と言っても30分くらい)にある夫の父方の墓地には何度も行っています。
母方の墓地には移住3年目の死者の日に初めて行ったのですが、日本の田舎でたまに見かけるような小さな墓地でした。
実家から数キロ離れたところにお墓があり、途中で親戚の家に立ち寄りつつ墓地へ向かうのが父方のほうの墓参りとはまた違うところ。
隣の教会には外にスピーカーが付けられていて、墓地にいながらも教会内部で行われているミサやお祈りが聞こえてきます。
次から次へと教会から人がやってきて、お墓の前でお祈りをしているようすを見ていると、宗教や信条に関係なく、死者が安らかに眠れるよう願う気持ちは同じなんだと感じました。
死が決して終わりではないことを宗教を通して知り、それを信じて死者に祈りを捧げるというのは美しいことだと思います。
私は「死んだら終わり」と言えるほど強くはないし、自分がやがて死を迎えたとき、こうやって家族がお墓を訪れてくれたら幸せですね。
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読者さんの中には、「自分には関係ない行事だなぁ」という方もいるでしょう。しかし、そんな方でもぜひお盆の墓地を訪れてみてください。大きな墓地であれば、戦時中に命を落とした人々や身元不明人のための共同墓地、すべての死者を悼む十字架があります。そこにキャンドルを置いてお祈りしてみてはいかがでしょうか
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