これからポーランドへ行く方が知っておきたい情報

ポーランドには自然宗教の時代から季節が6つある|季節の伝統習慣も紹介

ポーランドには伝統的に6つの季節がある
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クラクフ市公認ガイドのカスプシュイック綾香(本名)です。2014年以降、ポーランド在住。ガイド・通訳業の傍ら、旅行や生活に欠かせないポーランド情報をお届け中!
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サッと3分程度で読めます

 

夫Piotr
復活祭が過ぎて4月に入って、やっとポーランドも春って感じだね。日中15度近く上がる日もあったり、ぽかぽか!
あやか
でも来週は10℃前後になるみたい。タンポポも咲いてて、気分的にももう春だけど…。
夫Piotr
数日前は25℃まで上がってすごく暑かったのに…。ま、春が来たって思ったらガクンとまた冷えるのは毎年のことだよ。
復活祭/イースターにやること徹底紹介

5月上旬まで雪が残っていることもある!

四季
ポーランドの季節と気温
1月と2月 zimaジマ ≤0℃
3月と4月 初春 przedwiośnieプシェドヴィオシニェ 0℃〜5℃
5月と6月 wiosnaヴィオスナ 5℃〜15℃
7月と8月 latoラト ≥15°C
9月と10月 Jesieńイェシェニ 5°C〜15°C
11月と12月 初冬 przedzimieプシェドジミェ 0℃〜5℃

 一般的に、ポーランドの季節は春夏秋冬の4つとなります。しかし、初春でも雪が降ったり、夏でも最高30度を超えたと思ったら次の週には15度以下…なんていうのはよくあること。伝統的に6つの季節が存在するのは、この不安定な気温変化が大きく関係しているのかもしれません。

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一面に咲くタンポポの花

わずか1ヵ月でこのちがい…

一面の雪
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千年前にさかのぼる季節区分

 ポーランドが建国された10世紀、ポーランドは自然宗教を信仰する国でした。当時のポーランドには自然宗教(スラヴの民間信仰)の風習に沿った独自のカレンダーがあり、6つの季節はその古いカレンダーに見ることができます。それによると、昔の人々は、自然の移り変わりから生まれる嬉しさや不安な気持ちを季節に反映していたようす。なぜなら、当時は日常を快適に過ごすための機械や装置もない時代…。自然こそが日常を支配し、生と死をつかさどるものと考えられていたのです。

ポーランドの歴史
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自然宗教から受け継がれる習慣

 興味深いことに、自然宗教の習慣や文化の一部は現代にも受け継がれています。そのどれもが季節と密接に関わっており、時には霊をあがめる祭りも行われました。しかし、966年にキリスト教カトリックとして生まれ変わったポーランドは自然宗教崇拝を禁じることに…!それでも人々がいきなりキリスト教に馴染めるわけがなく、次々と反乱が発生。その結果、自然宗教の習慣をタブーとしながらも黙認するようになりました。こうして、現在の祝い事にも異教の名残を見ることができます。

ポーランドの歴史 10世紀
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自然宗教由来の伝統習慣
5月2日
Rękawkaレンカフカ
祖先の霊魂を崇める “春の葬式”。現在では復活祭後の最初の火曜日、クラクフにあるクラクス塚で行われる祭りが有名。レンカフカという名は古代スラヴ語の “rakeva − 棺” が由来となっている。19世紀末には禁じられてしまったが、この日は霊魂への贈り物として食べ物や硬貨を投げる習慣があった。
6月20日
Nocノツ
Kupałyクパウィ
春に別れを告げ、夏を迎えるための神秘的な儀式。最も重要な要素は火と水であり、またスラブの愛の神によって歓迎された。花輪を灯とともに水辺に浮かべたり、頭に花輪をのせて少女たちが火の周りを踊るといった儀式が行われる。ここ近年で中止となってしまったが、ポズナンのランタン祭りが有名。
10月31日
Dziadyヂャデ
自然宗教の時代では、”死者の饗宴きょうえん” と呼ばれるものが年に6回行われていた。その中でも最も重要だったのが秋と春(前述のレンカフカ)であり、特に秋のものはカトリック文化にうまく溶け合うことができた。現在では11月1日が “諸聖人の日” として祝日になっており、墓参りに行くのが習慣である。
ポーランドのお盆

▲日付はスラヴ暦に基づくものであり、
現在のイベントの日付と必ずしも一致しません

自然宗教のシンボル

スラヴ人ってどんな民族?
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あやか
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