第5回 千年の歴史と伝統 ポズナンってどんな街?



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最終更新日:2017年5月24日

こちらは、個人的に観光客の皆さんにお勧めしたいポーランドの魅力的な都市を紹介していくコーナーです。
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ポーランド史で一番最初に出ててくる大都市の名前といえば、ポズナン

もし日本人が観光客としてポズナンに訪れるのであれば、思わず「ポーランドは何回目ですか?」と尋ねてしまうかもしれません。この街は数ある観光都市の中でも特に見落とされがちだからです。

そんなポズナンにはどんな魅力があるのでしょうか。ひと言で言えば、クラクフが京都ならポズナンは奈良のような存在感であるといってもよいでしょう。

photo: flickr by Leandro Neumann Ciuffo

photo: flickr by Leandro Neumann Ciuffo

 

このページの目次
1. ポズナンの位置
2. ポズナンの歴史
3. どんな街?
4. 市内の交通・料金
5. 市内へのアクセス
6. 主な観光スポット
7. ポズナンの関連記事

 

ポズナンの位置

ポズナン(Poznań)はポーランド西部に位置するヴィエルコポルスカ県(Województwo wielkopolskie)の県都。ヴィエルコポルスカは広大なるポーランドという意味で、その名の通りヴィエルコポルスカ県は16ある県の内で2番目に広い面積を誇ります。

ワルシャワ空港から飛行機で1時間以内の距離にあるポズナンは、多くの観光客にとってとてもアクセスしやすい街。

ほぼ真下には第4都市ヴロツワフ、西へ約50キロ離れたところにはグニェズノというポーランド発祥の地があり、他の都市へもアクセスしやすいことから意外と見逃せない好ロケーションです。

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また西へ250キロ行くとドイツの首都ベルリンがあり、ドイツ方面への国際列車も1日に数本走っています。

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ポズナンの歴史

ポズナンは10世紀、ポーランドの基礎を築いたミェシュコ1世が最初に治めた地であり、古くから首都(※)として、そして政治や商業の拠点として栄えてきました。つまりポーランド史上最も古い、歴史の深い街なのです。

またポズナンは、ポーランド人の故郷としても知られています。この地では古代からポラン族という、ポーランド人の祖先が長く領土を支配していました。

しかし966年、神聖ローマ帝国の影が近づいてきた時、この地の長であったミェシュコ1世が部族と領土を守る為に立ち上がります。これがポーランド王国の基礎となり、力をさらに強めたミェシュコ1世は周辺のグニェズノやギエチュという土地にまで領土を広げました。

ポズナンの大聖堂

ポズナンの大聖堂

そしてポーランド人として初めてカトリックの洗礼を授かったのもミェシュコ1世であり、洗礼を授かった教会もポズナンであったことから、いかにポズナンが歴史的に現在のポーランドと由緒が深い場所であるか分かります。

彼の洗礼後である968年、ポーランドは国内初の司祭となった宣教師ヨルダンを迎え、その後今でも現存する大聖堂 Katedra św. Piotra i Pawła(聖人ペトロ・パウロ大聖堂)が建てられました。

ミェシュコ1世の死後は、彼の家系であるピャスト家がポーランド王国を代々治めます。カジミェシュ1世というピャスト家3代目の王は、政治的な問題で首都をポズナンからクラクフへと移しますが、それ以降もポズナンの発展は衰えることなく、1250年前後には既に中央広場がつくられていました。

しかし17世紀になるとドイツを始めとし、スウェーデンなどの大国に攻められるようになり街は一気に衰退。

戦後のポズナン

戦後のポズナン

19世紀に入るとプロイセンやオーストリアがポズナンを支配するようになり、また第一次世界大戦でのソ連軍との激しい戦闘により、旧市街の90%が破壊されてしまいました。

現在の美しいポズナンの旧市街は、戦後地元に生き残ったポーランド人達が残された資料を元に復元したものです。

補足説明

ポーランド最初の首都は “ポズナン” とよく言われますが、記録上は “グニェズノ”(紹介記事)となります。しかし実際に政治の拠点が置かれていたのはポズナンであったことから、事実上の首都はポズナン、あるいはポズナンとグニェズノとするのが一般的です。

 

どんな街?

ポズナンという地名は、ポーランド語の “poznany“(ポズナネ:知られた)という単語が由来で名付けられたもの。

この単語は今でも使われているので、ポーランド語を知っている方はハッとしたのではないでしょうか。

建国初期からポーランドの経済と文化の発展を力強く支えてきたこの街は、西欧に近いことからも欧州経済の大事な部分を担う場所として注目されてきました。

実際に多くの国際的なイベントがポズナンで毎年開かれており、名門アダム・ミツキェヴィチ大学(ポズナン大学)や国内最高レベルの医療大学があることから学生街としても賑わっています。

そんな、歴史的でかつ多くの若者が集うポズナンですが、実は観光地としてはあまり定番ではありません。

これはポーランド人からしても一緒のようで、もしポーランド国内の観光都市ランキングを付けるとしたら「1位クラクフ、2位ワルシャワ、…5位ポズナニ」といったところでしょうか。

こう言ってしまうと「あまり見所がないのかな」と思うかもしれませんが、決してそんなことはありません。ただクラクフやワルシャワ、グダニスクなど前にある観光都市の方が観光客に好まれそうなアトラクションが多いため、どうしてもポズナンは後に来てしまいます。

ポズナン中央駅

ポズナン中央駅

私が初めてポズナンを訪れた時の印象ですが、まず最初に「なんて立派な駅なんだろう!」と驚きました。

今住むグリヴィツェという街から列車で片道5時間半もかけてポズナンを訪れたのですが、列車から降り立った途端に立派すぎる駅に圧倒されたのです。駅を離れて見ると、ワルシャワよりも大都会に来たような錯覚に陥りました。

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歴史が深いことからも「落ち着いた街なんだろう」と思いきや、街中は見るからにエレガントなショップがたくさん!まさに若者が好みそうな近代的な街

しかし、それらがポズナンの景観を損ねることはありません。旧市街ではしっかり中世の面影が感じられました。

ポーランド最古の都市だけに興味深い歴史博物館(ブラマ ポズナニャ)もあるので、旅行の日程に余裕のある方はポズナンも見逃さないようにしましょう。

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市内の交通・料金

ポズナンの公共交通機関は主にトラムとバスです。旧市街付近からほとんどの観光地へは徒歩圏内となりますが、中央駅から旧市街までは約2キロとなるのでトラムを利用してもいいでしょう。

バスは旧市街を走っていないので、観光で使うことは滅多にありません。

有効時間 料金(PLN)
10分間有効
40分間有効 4.60
24時間乗り放題 13
48時間乗り放題 21
72時間乗り放題 27

※2016年5月現在
※バスとトラムのチケットは共通
※乗り放題チケットはA〜Cゾーン

参考:料金ルートマップ

観光客の場合は、乗り放題チケットのほうが使いやすいでしょう。

また、ペカカード(peka caed)というICカード乗車券があり、数日以上滞在する場合はこれを利用するのも◎。まず最初にカードを27ズウォティで購入し、その内12ズウォティがデポジットとなります。残り15ズウォティは乗車料金として利用することができ、残額が少なくなったらチャージします。

 

市内へのアクセス

空港: 市街から西へ約7キロの場所にポズナン・ワヴィツァ空港があります。小規模の空港ですが、ルフトハンザやポーランド航空、スカンジナビア航空、そして格安航 空会社 Wizz Air と Ryanair が就航しています。空港から市街までのアクセスは非常に良く、Express line Lという急行バスを利用するのが一般的。終点ポズナン中央駅までは15分〜20分です。または59番の市バスを利用して中央駅の裏(シェラトンホテル)で降りることもできます。こちらの方が頻繁に走っており、乗車時間は約25分。

列車:ワルシャワからポズナンを結ぶ直行列車は国内最速列車EIPを利用して最短2時間30分、ヴロツワフからはIC/TLK利用(現時点ではTLKのみ)で最短2時間04分となります。

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バス:ワルシャワからの場合、ポルスキバスを利用すると5時間15分と列車より2倍の移動時間となります。またヴロツワフ〜ポズナンは同バスで3時間25分となり、列車と比較しても料金があまり変わらないので基本的に列車を利用した方がいいでしょう。

※すべての情報は2016年2月現在

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主な観光スポット

中央駅から旧市街の中央広場までは少し離れているので、5番のトラムを利用しましょう。既にこれまでいくつかのポーランドの都市を訪れたことがある方は、移動しながらポズナンの近代的な風景に目を丸くしてしまうかもしれません。

ポズナンのメインストリートは、聖マルチン通りŚwięty Marcin)です。この通りには聖マルチン教会、帝国城、アダム・ミツキェヴィチ広場があるので、うっかり見落とさないようにゆっくり歩いてみることをおすすめします。

Stary Rynek

Stary Rynek

旧中央広場(Stary rynek)
バロックやネオクラシックなどイタリア建築の影響を受けたポズナンの中央広場は、各都市のものと同様にとてもカラフル。真ん中に立つラトゥシュ(旧市庁舎)は歴史博物館となっており、また隣にあるレトロな装飾の細長い建物(1番上の写真)は、最もポズナンの中央広場を特徴づけている部分です。正午はラトゥシュのからくり時計からヤギが現れるので見逃さないようにしましょう。

聖ペトロ・パウロ大聖堂
(Katedra św. św. Piotra i Pawła)HP
ポーランドで1番最初に建てられた大聖堂。968〜1000年の間は国内唯一の大聖堂として非常に重要な役割を果たしていました。ミェシュコ1世と彼の息子であるボレスワフがカトリックの洗礼を授かった時に使われたという洗礼盤も見ることができます。その二人の位牌堂である黄金の間は必見(ライトアップに5ズウォティ要)。

ヴァルタ川(Warta rzeka)
ヴァルタ川はポーランドの中部から西部にかけて流れており、ヴロツワフに見られるオドラ川の支流。そのほとりにあるのがポズナンです。ここでかつて、幻想的なランタン祭が行われていました。川なので観光スポットという程でもないのですが、大聖堂を撮影する時はヴァルタ川に架かる橋の方から撮りましょう。橋を渡ってから撮ってしまうと、外観の美しさがあまり目立ちません。

ブラマ ポズナニャ
(Brama Poznania)HP
大聖堂近くにあるポズナンの歴史博物館。外観はモダンでとても目立ち、内部も最先端の技術を使った展示方法なので飽きずに様々な歴史ストーリーを知ることができます。視覚で理解できるよう工夫されており、たとえ説明文が読めなかったとしても満足感は得られるはず。個人的にこれ以上印象に残る博物館にはまだ行ったことがありません。

帝国城(文化センター)
(Zamek Cesarski)HP
中央駅からほど近い場所にある文化センターです。皇帝ヴィルヘルム2世の住居として1905年に建設されました。第2次世界大戦中はヒトラーの住居とされていましたが(当時のポズナンはドイツ領)、ヒトラーがこの城に住むことはなかったそう。現在は文化センターとしてコンサートや各種テーマの展示会などが頻繁に催されているので、興味深いイベントを見つけられるかもしれません。

シタデラ公園Park Cytadela
ポズナンは緑の多い街としても知られており、その中でも代表的なのがシタデラ公園。サイクリングコースがあったりと市民のためのレクリエーション施設として利用されていますが、園内には軍事博物館、屋外美術館、要塞跡などもあります。自然はもちろんのこと、運が良ければ動物も見れるかも?!

 

ポズナンの関連記事

ポズナンについては以下の関連記事もぜひご覧ください。

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あやか
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