ポーランド語のアルファベットと発音の基本



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ここは、ポーランド語の先生でもない私がレッスンをするコーナーです。ん?と思った方はこちらをどうぞ。
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この記事を最後まで読み通せば、ポーランド語のアルファベットや読み方について基本的な知識が得られます。

文が読めるようになるだけでポーランド語が一気に近づいて、楽しくなってくるはず。がんばって練習しましょう。

 

このページの目次
1. とりあえず聞いてみよう
2. アルファベットの種類
3. アルファベットの発音
4. 区別の難しい音の解説

 

とりあえず聞いてみよう

ポーランド語のアルファベットの読み方は原則ローマ字と同じで、子音+(半)母音で読むことができす。

まず最初に、実際のポーランド語を聞いてみてください。そのとき、小さい「」(拗音)の付く音がたくさん出てくることに注目してください。これがポーランド語の特徴です。

CIASTECZKA

動画:CIASTECZKA

動画について
パソコンのクッキーについての動画です。音が掴めればそれでいいので、適当に最近見た動画を選びました。

どうでしたか?話している人の声が女性であればまた印象も変わったかもしれませんが、ポーランドは世界的に「美しい言語」だとよく言われます。それは、

拗音が多いから。拗音が多いと軟らかい響きになり美しく聞こえるんです。

この動画を見て、「オンもよく聞くな」「ニェが多いな」と思った人は良い調子。ポーランド語は、単語の性や格変化などで最後の音に規則性を持つ言語です。今は何を言っているのか分からなくても、ポーランド語をひたすら聞いているとその規則を勉強するときに役立つと思うので、いろんな動画を見たり聞いたりして耳を慣らしていってください。

 

アルファベットの種類

それでは、ポーランド語のアルファベットを具体的に見ていきましょう。

diakrytyki

ポーランド語のアルファベットは合計32文字となります。英語より6つ多め。

赤い9つのアルファベットは見慣れないですね。 ąę の下にある尾のようなものはオゴネク(しっぽ) といい、ćńóśź の上にあるチョンはクレスカ(線)、ż の上にある点はクロプカ(ドット)といいます。ł はポーランド特有のアルファベットで英語の w のような発音をします。qv x はポーランド語のアルファベットとしては存在しませんが、外来語には用いることがあります。

小文字表記は以下のようになります。

a, ą, b, c, ć, d, e, ę, f, g, h, I, j, k, l, ł, m, n, ń, o, ó, p, r, s, ś, t, u, w, y, z, ź, ż

 

アルファベットの発音

※()内の音はスペルを言うときの音

a ア – tak タク:はい
ą オン – są ソン:jest の複数形
b ブ (ベ)bok ボク:そば
c ツ (ツェ)noc ノツ:夜
ch フ – dach ダフ:屋根
cz チュ– czas チャス:時間
ć チ – choć ホチ:だけど
d ド(デ) data ダタ:日付
dz ヅ – cudzy ツヅィ:外国
ヂ – wiedźma ヴィエヂマ:魔女
ヂュ – dżam ヂャム:ジャム
e エ – ten テン:これ
ę エン – gęś ゲンシ:ガチョウ
f フ(エフ) farba ファルバ:絵
g グ(ゲ) guma グマ:ゴム
h ハ – hak ハク:フック
i イ – list リスト:手紙
j イ(ヨット) raj ライ:楽園
k ク(カ) kot コト:猫
l ラ (エル) las ラス:森
ł ワ, ヴ(エウ) łatwo:簡単
m ム (エム)mama ママ
n ヌ(エヌ) nos ノス:鼻
ń ニ(エニ) koń コニ:馬
o オ – okno オクノ:窓
ó ウ– ból ブル:痛い
p プ(ぺ) pas パス:ベルト
r ル (エル)kara カラ:罰
rz ジュ – rzeka ジェカ:川
s ス(エス) sam サム:同じ
sz シュ – dusza ドゥシャ:魂
ś シ – oś オシ:車輪
t トゥ(テ) tam タム:そこ
u ウ – buty ブテ:靴
w ヴ – kawa カヴァ:コーヒー
y イ (イグレック)dym ディム:煙
z ズ (ゼット)zima ジマ:冬
ź ジ (ジェット)źrebak ジレバク:若馬
ż ジュ(ジェット) żaba ジャバ:かえる

日本語は子音だけを “意識して” 発音することがないので、子音のみの音に関しては特に実際とは異なります。2つセットもでてきましたが、それで1つの子音または子音+母音となります。

正確な発音ではなくても文脈や前後の単語の音から言いたいことは理解してもらえることがほとんどなので、これら39の音を文字通り覚えればポーランド語を読むことができるでしょう。実際のポーランド人の発音や単語を聞いて見たい人はこちらの動画がおすすめです。

アルファベットの発音

アルファベットの発音

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区別の難しい音の解説

39のアルファベットからなる音で特に日本人が発音する際、気をつけたい点を書き出してみました。

 

 ć/ń/ó/ ś/ź

クレスカは、i の音を表します。よって、ć とci は基本的に同じ発音です。
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 クレスカと子音+ i

クレスカの後に子音が来るときと 子音+ i の後に母音が来るときは両方同じ発音ですが、子音+i の後に子音が来るときこの i はやや強く発音します。クレスカの後に母音が来ることはありません。
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「チェ」cie/ce/cze

cie は日本語の「チェ」の音に近く、ce は「ツェ」と発音します。cze は難易度が高くここでは説明しきれないので「音声学の基本 後編」で説明します。しかし、 cie と同じように発音しても誤解されることはないでしょう。
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「フ」hu/ ch

どちらも同じ「フ」の発音です。hi/chi も同じ「ヒ」です。どちらかを綴るかは単語ごとに暗記するしかありません。
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 「ジュ」 dż/rz/ż

rz/ ż はまったく同じ音「ジュ」ですが、dż/rz = ż はそれぞれ練習しないと上手に発音できません。これらの発音方法については「音声学の基本 後編」で詳しく説明します。
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「ラ」 l/r(重要)

l は上の歯茎に舌先を付けて「ラ」と発音し、r は舌をどこにも付けず発音します。私は r を発音するとき、下の歯茎の辺りを舌で弾いて「ラ」と発音しますが、これでもまったく問題ないようです。
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「ジ」dź/ź

dź は日本語「ジ」に非常に近い音、ź (zi)は舌先を上の歯茎に付けて「ジ」と発音します。日本語の「ジ」には d の音が入っているので 「ザジズゼゾ」と言うと dza/dzi/dzu…に聞こえます。
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「シュ」 siu/sz

siu は日本語の「シュ」に近い音、sz は舌先を硬口蓋(用語解説は次の記事)に付けて「シュ」と発音します。日本人の proszę(どうぞ)は prosię(子豚)の発音ですが、「どうぞ」と言うシチュエーションの時には誰も「子豚」の方とは捉えないので安心してください。
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「イ」 i/j/y(重要)

i と y は母音、j は子音です。i と j の発音はほとんど同じなので両方日本語の「イ」と見なしていいでしょう。y は「イ」に近い「ウ」の音ですが、ポーランド語に頻出する男性形容詞語尾 -ny の音は「ヌィ」と発音すると、中性形容詞語尾 -ne「ネ」と区別できます。
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「ブ」 b/w (重要)

b は日本語の「ブ」と同じ音、w は上の歯で下唇を軽く噛むように(ただし歯は見せない)して「ブ」と発音します。
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「ウ」 u/ó

どちらも同じ「ウ」の発音です。ó はスラブ語起源。どちらかを綴るかは単記ごとに暗記するしかありません。
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練習あるのみ

練習あるのみ

日本人にとって厄介なのは子音の発音でしょう。ポーランド語には子音が多いのでここで聞き間違いをしたり、されることがあります。しかしこれは日本語の発音が単純な構造のために対応しきれないだけで、英語の発音練習でも必ずぶつかる壁。ここは練習あるのみです。

ただ、あんまり繰り返していても何を言っているのか分からなくなるので、混乱してきたらとりあえず一旦諦めて次に進むことも大事だと思います。これらの発音が正確に出来ないからといって会話が成立しないわけではありません。

日本ポーランド語を話すくらいの気持ちで、最初はあまり神経質にならず思うままに発音してみてください。

 

次回は音声学の観点から「音」について解説していきます。音声学初心者の方でも分かりやすいようにまとめました。

正しい発音ができるように…音声学の基本 前編

2015.12.04

 

最後までお読み頂きありがとうございます☆
あやか
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7 件のコメント

  • 柳田優 より:

    質問です。
    1. アルファベットの発音の箇所で、nの例がsokなのはどうしてですか? 
    2. ロシア語の「アルファベットの歌」を聞いたことがありますが、ポーランドの子供たちも「アルファベットの歌」を歌いますか?

    • ポーランドなび管理人 綾香 より:

      優さん

      一つ目のご質問についてですが、これは私のミスでした!ご指摘ありがとうございます。
      修正しましたので、ご確認ください。
      二つ目のご質問ですが、こちらにも「アルファベットの歌」はあります。”アーベーツェーデー…♪”という風に続きますが、ポーランド語には特殊アルファベットがあるので、その辺りに注目しながらこちら(https://m.youtube.com/watch?v=jAu8z8Rp1kM)の動画をご覧ください ^ ^

      • 柳田優 より:

        ありがとうございます。ポーランド語のABCの歌の動画は面白いなあ。どうしてオゴネクを全部無視してクレスカは ź だけが入っているのかな?全部で26文字になっていますよね。メロディーに合わすという理由ではなくて、何かはっきりとした理由があるのでしょうか?

        • ポーランドなび管理人 綾香 より:

          日本では英語版のものをそのまま歌うので、こういう特殊アルファベットや英語とは違う発音を持つ国の”ABCのうた”は面白いですよね!
          無視している特殊アルファベットがあるのは、あまり意味深い理由ではないと思います。それを家族に聞いてみると、「ドイツ語やフランス語のだって全部は入れてないよ」と言っていたので、メロディーに合わせていると単純に考えていいと思いますよ (^ ^)

          • 柳田優 より:

            そうですね。考え過ぎでした。そういえば日本語だって五十音なんていいますが、[ぱ]や[ば]や[っ]とかは文字としては補助的にしか考えてませんよね。

  • kazuwox より:

    まさしく...
    先日業務渡航でクラクフに行く機会があり,一言くらい現地語を覚えようと,ポーランド人同僚に現地語のPlease発音してもらって耳で確認した後,実際に発音してみたところ大笑いされました.やはり「子豚」に聞こえたみたいです.(後で指摘されました)..音声的にも難しいし,あの言語は到底習得出来そうにありません...

    • Ayaka より:

      kazuwox さん

      日本人の発音だと「こぶた」になってしまうのは仕方ないですよね…!
      ポーランド語の読み方自体はそんなに難しくないのですが、発音は確かに苦労するところかもしれません。
      それにしても大笑いとは…!
      失礼ですねぇ (- -)

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