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この記事の内容
コロナ禍が始まった当初から待望されていたワクチンがついに開発され、世界中で接種が始まっています。
私の住むポーランドでも2021年1月15日から新型コロナ(COVID-19)ワクチン接種が始まりました。私も待ちリストに登録すればいずれ接種できます。
家族含め接種した人は周りに多くいますが、本当に接種する前にちゃんとワクチンのことを知っておきたいと思い、当記事を書くことにしました。
同じようにワクチンを接種すべきか迷っている方の参考になれば幸いです。
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この記事の目次
❶ 新型コロナ予防接種のメリット
❷ ワクチンの種類と各社製品の特徴
ウイルスベクターワクチン
mRNAワクチン
組み換えたんぱく質ワクチン
❸ ワクチンの主な副反応とその割合
ファイザー製ワクチン
モデルナ製ワクチン
アストラゼネカ製ワクチン
❹ 最も懸念すべき副反応について
❺ ワクチン接種のイメージと流れ
ワクチンを接種できる人の条件
1回目のワクチン接種
2回目のワクチン接種
中等〜重篤な副反応に注意する
ワクチンの効果が出現する
❻ この記事のまとめ
【リアル経験談】新型コロナ感染症状&重症化リスクがある高齢者の場合
新型コロナ予防接種のメリット
ワクチン接種は世界中の政府が推進しているものであり、私の住むポーランドでも老若男女問わず接種したい人が多いみたいです。
第一にワクチンを接種することで新型コロナの発症リスクが最大95%まで減少し、予防接種を受ける人が多ければ多いほど、集団免疫をより早く獲得できると言われています。
しかもワクチン接種は無料であり、医療従事者の人々も積極的に接種していることから安全性は確かなものと言えるでしょう。
新型コロナの流行以来、世界中ですでに感染者250万人以上が亡くなりました。
しかし、予防接種を受けることによって感染を免れる人が増え、このパンデミックを早く終わらせることができると言われています。
また、一部EU諸国では予防接種を受けた人々は証明書を受け取り、そのおかげでいくつかの制限を回避することができます。
これも多くの人にワクチンの接種を促す大きなメリットとなること間違いありません。
参考:ポーランド政府HP
Dlaczego warto się zaszczepić przeciwko COVID-19?
一般的には接種のデメリットよりメリットのほうが大きいですが、一番の懸念は接種後の倦怠感や頭痛、筋肉痛といった副作用やアナフィラキシーショック(非常にまれ)。副反応について詳細は下のほうで説明します。また、新型コロナに感染した際の身体的・社会的デメリットも考慮して接種するかどうかを考えたほうがいいかもしれません。
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参考:NHK NEWS
新型コロナ ワクチン接種を示す証明書 ヨーロッパで発行の動き
ワクチンの種類と各社製品の特徴
ひと言にワクチンと言っても多種多様ですが、どのように作用するのか知っていれば安心感を得ることができるかもしれません。
新型コロナの場合、製薬会社が開発するワクチンの種類としてはウイルスベクターワクチン、mRNAワクチン、組み換えたんぱく質ワクチンの3つが注目されています。
現時点で認可されているワクチンの接種方法は基本的に筋肉注射(三角筋に垂直に2cmほど刺す)となり、接種回数は2回。
投与間隔はメーカーや医療機関によって異なり、14日〜84日と大きく幅があります。
下記、日経バイオテクの記事を引用してワクチン情報をひと通りまとめました。
専門用語が出てくるので完全に理解するのは難しいですが、最先端医学に驚かされます!
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ウイルスベクターワクチン
ヒトに対して病原性のない、または弱毒性のウイルスベクター(運び手)に抗原たんぱく質の遺伝子を組み込んだ、組み換えウイルスを投与するワクチン。ウイルス自体が細胞に侵入し、細胞質で抗原たんぱく質をつくり出すことで、抗体によりウイルスを排除する「液性免疫」と、免疫細胞の1つであるキラーT細胞などにより排除する「細胞性免疫」を引き起こすと考えられている。(略)新型コロナウイルス感染症には、ヒトに感染する際に足がかりとする「スパイクたんぱく質」の遺伝子を組み込んだウイルスベクターワクチンが主に開発されている。英オックスフォード大学と英大手製薬アストラゼネカはチンパンジーアデノウイルスを、カンシノはアデノウイルス(5型)を、J&Jはアデノウイルス(26型)を、アイロムグループ子会社のIDファーマ(東京・千代田)はセンダイウイルスを用いたワクチンを開発中。
引用元:日本経済新聞
DNA・mRNA・ベクター… 多様なワクチンの違いは?
【欧州医薬品庁の認可を得たワクチン】
アストラゼネカのAZD1222ワクチン
(別名Covishield, ChAdOx1 nCoV-19)有効率70%、1回目の28日後〜3ヵ月後に2回目接種
【近々承認されそうなワクチン】
ヤンセンファーマ、Johnson&Johnson
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mRNAワクチン
抗原たんぱく質の塩基配列を作る情報を持ったmRNAのワクチン。生体内で分解されないようにするため、また血液に含まれるマクロファージや好中球などによりウイルスを排除する「自然免疫」が過剰に誘導されるのを抑えるため、脂質ナノ粒子(LNP)などに封入して投与する。投与後、細胞質内でmRNAが抗原たんぱく質に翻訳されて免疫が誘導されるため、液性免疫だけでなく、細胞性免疫も引き起こすと考えられている。これまで世界で承認されたmRNAワクチンはないが、ここ数年で研究開発が活発化している。新型コロナウイルス感染症に対しては、スパイクたんぱく質のすべてあるいは一部の塩基配列を作る情報を持ったmRNAを脂質ナノ粒子に封入したワクチンを、米バイオベンチャーのモデルナなどが開発中。
引用元:日本経済新聞
DNA・mRNA・ベクター… 多様なワクチンの違いは?
【欧州医薬品庁の認可を得たワクチン】
ファイザーとバイオンテックのワクチン
有効率は95%、1回目の21日後に2回目接種
モデルナのmRNA-1273 SARS-CoV-2
有効率は94%、1回目の28日後に2回目接種
【近々承認されそうなワクチン】
キュアバックのワクチン(今夏以降?)
組み換えたんぱく質ワクチン
ウイルスの構成成分である抗原たんぱく質を昆虫細胞や植物、哺乳動物細胞などで作り、単離・精製したワクチン。投与後、抗原たんぱく質が細胞外から取り込まれ、ペプチド(たんぱく質の断片)に分解されて、主に液性免疫を誘導すると考えられている。米国では2013年、昆虫細胞を使ったたんぱく質発現システムを用いた仏サノフィ(旧米プロテインサイエンス)の季節性インフルエンザワクチン「フルブロック」が承認、販売されており、相当数の投与実績がある。新型コロナウイルス感染症に対しては、主にスパイクたんぱく質を抗原とする組み換えたんぱく質ワクチンを、米バイオ医薬品開発のノババックス、中国クローバー・バイオファーマシューティカルズ、サノフィ、塩野義製薬(UMNファーマ)などが開発中。
引用元:日本経済新聞
DNA・mRNA・ベクター… 多様なワクチンの違いは?
【近々承認されそうなワクチン】
ノババックス、サノフィとGSKの共同ワクチン
▲別名 サブユニットワクチン
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ワクチンの主な副反応とその割合
どのようなワクチンでも副反応のリスクは多少ありますが、市場に出ているワクチンは非常に厳しい安全要件を満たしたもの。
新型コロナのワクチンで共通する軽度の副反応は注射部位の痛み、倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛、発熱などが挙げられます。
ただし、これらの一般的な症状は数日以内におさまるので深刻なものではありません。
接種後の副反応には個人差があり、 高齢者だと軽い傾向があるとのこと。
またワクチンは基本2回接種ですが、2回目で初めて副反応が出たという人もいます。
2021年3月現在、ポーランドでは320万回以上のワクチンが打たれています。
国内で約60万回分が接種された1月19日時点では235件の副反応が報告されており、その内154件が注射部位の痛みと発赤でした。
参考:ポーランド国立衛生研究所
臨床試験で報告された副反応
10人に1人以上に注射部位の痛み(>80%)、倦怠感(>60%)、頭痛(>50%)、筋肉痛と悪寒(>30%)、関節痛(>20%)発熱、10人に1人未満に注射部位の腫れと発赤(>10%)、吐き気、100人に1人未満がリンパ節の腫大や倦怠感、不眠症、手足の痛み、1,000人に1人までの範囲で顔面神経の一過性の片側麻痺が見られた。
【その他】臨床試験の過程で、特に追加免疫投与後に大量のIgG抗体、CD4+およびCD9T細胞が測定された。米国政府機関CDCによる最近の推定では、100万回の投与あたり平均11.1件のアナフィラキシーが発生したことが示されている。
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10人に1人以上に注射部位の痛み(92%)、倦怠感(70%)、頭痛(64.7%)、筋肉痛(61.5%)、関節痛(46.4%)、悪寒(45.4%)、吐き気/嘔吐(23%)、脇下の腫れ/痛み(19.8%)、発熱(15.5%)、注射部位の腫れ(14.7%)、発赤(10%)、100人に1人以上に注射部位に発赤、発疹、蕁麻疹など。非常にまれな副反応として顔の腫れが見られた。脇下の腫れ/圧痛、倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛、悪寒、吐き気/嘔吐、発熱の発生率は、高齢者よりも18歳から65歳未満の成人のほうが高かった。
【その他】以前にフィラー注射(ヒアルロン酸?)を受けた人で2例の重度の顔の腫れが報告されている。顔面神経系の副作用は10,000人に1人以上〜1,000人に1人未満とされる。
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最も一般的な副作用として、注射部位の痛み(54.2%)、頭痛(52.6%)、倦怠感(53.1%)、筋肉痛(44%)、気分が悪い(44.2%)、発熱(33.6%)、悪寒(31.9%)、関節痛(26.4%)、吐き気(21.9%)、38℃以上の高熱(7.9%)など。2回目の投与後に報告された副反応は軽度だった。試験全体では175件の重篤な副反応が報告されている(対照群の溶血性貧血、2回目接種後の横断性脊髄炎、試験ワクチンまたは対照ワクチンの接種後の40°Cを超える発熱など)。
【その他】横断性脊髄炎の症例については、1人目は接種前に多発性硬化症が確認されている。2人目はワクチン接種とは無関係だった。重篤な副反応が出たすべての人は完全回復または改善している。
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最も懸念すべき副反応について
いずれのワクチンもその種類に関係なく、重度のアレルギー症状 “アナフィラキシーショック” を引き起こす可能性があります。
この重篤なショックが起こるのは接種後数十分以内がほとんどのため、投与15分〜30分は院内で待機することになります。
ただし、このような急性反応が発生する頻度は約10万回に1回と非常にまれなことです。
アナフィラキシーショックを起こすと本人が大変苦しむのはもちろん、処置が遅れてしまった場合は最悪、死に至るもの。
病院で適切に対処すれば助かるので、まれだからと言って甘く見ないようにしましょう。
また、どこ製ワクチンで◯名死亡など不安になる報告もありますが、事故死などあらゆる死亡例もカウントされているとか。
因果関係が明かではないネガティブな情報には惑わされないよう注意したいものです
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舌のしびれや腫れ、唾液の飲み込み困難、息切れ、不整脈、気分が悪くなる、めまい、血圧の低下(90/60)、強い脱力感、血色が悪い、発汗、顔および首の紅斑などの症状が出た場合は注意し、異常だと感じたら病院に連絡しましょう。
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【2021年2月19日報道】
新型コロナのワクチン接種による副反応などで死亡した場合、国の予防接種健康被害救済制度で一時金4,420万円が支払われる。ほか、1級の障害が生じた場合は障害年金505万6800円、在宅の場合は84万4300円の年額支給。朝日新聞「ワクチン接種で死亡したら4420万円支払い 厚労相」
ワクチン接種のイメージと流れ
実際のスケジュールは医療機関で要確認
【ポーランドでのワクチン接種優先順位】
日本同様、ポーランドでもワクチン接種の優先順位があります。優先順位は高い順に医療従事者・関係者、医療管理・販売スタッフ>社会福祉施設、介護・治療施設の入居者や従業員>新型コロナ前線で働いている警察や軍隊、感染時の重症リスクが高い慢性疾患のある者>60歳未満の人々。
ほかにも教育関係職員、公共交通機関など重要なインフラのもとで働く人々も優先されます。
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ひと通りワクチン情報を把握した今、❶社会的メリット(現時点では入国時の隔離措置免除)を得られる+❷自分が接種することで周りの感染率も下がる+❸ガイドとして不特定多数の人と接触しやすい自分がワクチンを接種することによってお客さまも安心するだろう、ということで打ってみようかと思います。打つ、打たないは個人の自由ですが、「タダだから打っておこう」とか「なんとなく怖いから打たない」というのではなく、きちんとワクチンについて把握してから接種したいですね。
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