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5分で分かるポーランド経済|EU加盟で最も成功した国の経済力を解説

ポーランドの経済事情
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クラクフ市公認ガイドのカスプシュイック綾香(本名)です。2014年以降、ポーランド在住。ガイド・通訳業の傍ら、旅行や生活に欠かせないポーランド情報をお届け中!
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この記事の内容
 ポーランドは順調に経済成長を遂げており、1989年の共産圏脱却以来、1人あたりのGDPはおよそ150%増加!ついに先進国市場の仲間入りを果たしました。世界金融危機での景気後退を回避した唯一のヨーロッパという事実から見ても【経済力は本物】と言えるでしょう。
 
 ポーランドは今やEU諸国の主要パートナー。ここ数年でも物価は目に見えて上がり、特に鉄道インフラは驚くほど向上しました。当記事でポーランドの経済事情やEUでの立ち位置を分かりやすく説明するので、ポーランドがどれだけ成長した国であるか知ってもらえると嬉しいです。

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この記事の目次
ポーランドの経済データ
今後も期待される経済成長
主な輸出産業と国内消費
さらなる成長の鍵はゲーム業界
EUからの支援はウィンウィン
通貨ユーロを導入する可能性
この記事のまとめ
7分で分かるポーランドの歴史!建国から社会主義脱却までの千年を総括

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ポーランドの経済データ

ポーランドの場所
ポーランド 日本
国土面積 312,679㎢ 377,915㎢
人口 3,840万人 1.262億人
通貨単位 złotyズウォテ・PLN 円・JPY
EU加盟 2004〜
GDP (USドル) 5658.5億 5兆2,200億
GDP成長率 +4.03% +0.5%
インフレ率 +2.3% +0.5%
債務残高比率 46% 238%

※数字部分は2019年末のデータ

あやか
日本のGDPは世界3位でかなり大きいけど、債務残高はワーストの11.8兆ドルでビックリ。
ピオトル
日本のほうが豊かではあるけど、景気がよくて安定してるのはポーランドみたいだね。

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今後も期待される経済成長

経済の成長 1992年から2019年までのポーランドの経済成長率はなんと平均4.2%
毎年好調なスピードで伸びており、過去30年間でGDPは実質3倍にもなりました。

世界の経済成長率は平均3%、EU全体では平均1.5%と言えば、その目覚ましい発展がよく分かるのではないでしょうか。
うまく対策していけば、あと10年で経済力が今の2倍になるという予想もあります

また近年行われたリサーチによると、8割以上のポーランド人が平均的または良好なレベルで生活していると回答しました。
ちなみに、アンケート開始当初の1993年では半数以上が貧しいと回答しています…。
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EU GDPランキング&債務残高対GDP比
順位 国名 百万US$ 債務残高
1 ドイツ 3,861,550 59%
2 イギリス 2,830,764 85%
3 フランス 2,715,818 98%
8 ポーランド 592,401 46%
9 スウェーデン 530,884 35%
10 ベルギー 529,665 98%

※2019年末時点のデータ

あやか
なんと旧共産圏の中ではポーランドのGDPが1番高くて、次に16位のチェコ、20位にハンガリーがつづいてるよ。
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今後、成長する中での課題
 ポーランドがこのまま経済成長をキープしていくにあたり、大きな課題がいくつかあります。
❶鉱業・農業・製造・エネルギー分野で生産性ギャップを埋めて賃金を上昇させること(現在の生産性レベルは西欧の半分)、❷2030年までに生産年齢人口が200万人以上減少するため外国人労働者や移民を受け入れること、❸民間および公的投資のレベルを見直して十分な投資資金を確保し、イノベーション能力を大幅に向上させること(現在は世界38位でEU諸国25位)、これら3つが主な課題です。

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主な輸出産業と国内消費

輸入 2019年、ポーランドの貿易輸出額は過去最高の2,358億ユーロでした。
前年度と比べて増加率は1%未満ですが、2015年以降35.8%も増加しています。

そんなポーランドの最大の輸出先は、全体の30%近くを占める隣国ドイツ。
輸出産業を最も支えているのは電子機器・部品やバッテリーで、特に自動車部品はポーランドが世界全体の5.4%を占めています

近年はソラリスという大手車両メーカーが絶好調で、国内はもちろん世界32ヵ国に輸出されているというのだから驚き。
2014年頃、ドバイでバスに乗ったらソラリスでポーランド人夫が嬉しそうでした。笑

ポーランドの主な輸出品目 そして国内消費の高さもEUの平均を上回り、GDPの大半を占めています。

今後も経済の成長に伴って国民の平均所得増加が見込まれ、充実した子ども手当や家族カード(3人以上の子どもがいる家庭が利用できる経済的支援)の普及、新たな年金政策のおかげで個人消費は伸びていくでしょう。

また、コロナ禍における国内でのオンラインショッピングの業績も好調のようす。
この苦しい期間も、国民の高い購買意欲で世界的な経済不況を乗り切ってほしいですね。

あやか
ここ数年でも物価や地価は目に見えて上がってる。ホテル代も上がってるし、お得に旅行できるのも今のうちかも?
ピオトル
ここ数年で買い物に使うお金も増えたよね。高めのBIO製品も増えたし、ワンランク上の商品が増えた気がする。

参考:World’s Top Exports, Trading Economics

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さらなる成長の鍵はゲーム業界

ゲーム ちょっと意外ですが、ポーランドで最も急成長している市場はゲーム業界!
時価総額は60億ドルを超えており、なんと過去3年間でほぼ10倍も増えています。

2020年の世界ゲーム市場規模は1,749億ドルと予想され、一方で映画業界は422億ドル、音楽業界は202億ドル。
つまり、これからの時代はゲーム市場が今後の経済の大きな支えになるということ。

ビデオゲーム大手調査会社の Newzoo によると、近年のポーランドのビデオゲーム収益はEU諸国の中では7位と好調です。
ポーランドには現在300以上のゲーム開発会社があり、今後も増えていくでしょう。

私がかつてご案内したお客さまの中にもゲーマーの方がいらっしゃり、ポーランド生まれのゲームの中で最も人気を誇るウィッチャーについて何度も聞いたことがあります。
ゲームに出てくる場所を訪れるためにポーランドに来たという方もいらっしゃいました。

 

EUからの支援はウィンウィン

EU 財務省のデータによると、ポーランドはEU加盟の2004年以来、EUから1,810億ユーロ以上の財政支援を受けています。

同時にポーランドもEUに580億ユーロを支払っており、差し引きすると1,230億ユーロを得ていることになります。
この莫大な資金は、主に公共インフラの整備費用として様々な用途に使われてきました。

EUからの援助がなければポーランドがここまで発展しなかったのは事実です。

ただしこの支援金は、西側諸国にもある程度の利益が見込めるよう計算されたうえで特定の事業に対してのみ使用されます。
つまり財政支援が慈善事業ではない以上、お互いに利益を享受しているということです。

例えば、バルト諸国を横断する高速鉄道はスペイン、ドイツ、フランスの企業によって設計され、最初の大規模な建設プロジェクトの契約はベルギーの会社に委託されました。

工事現場 事実、西側諸国がEUからの予算として東側諸国に支援している額は、西側企業が東側に投資して得た額と比較すると小さいです。

経済学者トマ・ピケティによると、2010年から2016年の間、ポーランドはGDPの2.7%に相当する額をEUから受け取った一方、国外に渡った利益は4.7%!

西側諸国では「貧しい国に支援してあげている」と思っている人も少なくないですが、この事実を知ったら驚くかもしれませんね。

街中を歩いていると、EUのマークとともにEUからの支援金額が堂々と書いてある大きな看板を見かけることがあります。
それだけを見るとすごく援助されている印象ですが、実はウィンウィンの取引なのです。

ピオトル
ポーランドが西側と比べて貧しいのは、元はと言うとドイツとソ連が戦争でめちゃくちゃに破壊したからなんだけどね。
あやか
そういえば、戦後にドイツからの賠償金は受け取っていないんだっけ。それ考慮したら、ポーランドの復興力は相当だね…。
ポーランド共産主義

【繰り返してはいけない過去】ポーランドが共産圏だった頃の壮絶な話5選

 

ユーロを導入する可能性

ユーロ お金 EU加盟国27ヵ国中、ユーロ通貨を導入している国(ユーロ圏)は19ヵ国。
ポーランドは2012年からの導入を検討していましたが、まだ導入予定はありません。

EU加盟条件の1つに “統一通貨ユーロの導入”(ただし導入期限なし)というものがあり、厳しい基準をクリアすればユーロ圏にステップアップできることになっています。

ポーランドはその基準をすでにクリアしていますが、まだ導入に至っていません。
ギリシャ財政破綻や欧州債務危機を受け、ポーランド国民の過半数以上はこのまま自国通貨を維持するべきだと考えているようです。

政府も今はユーロ導入に消極的であり、最短でも2030年以降となる見込み
その頃にはポーランドの経済力がもっと伸びていると予想されるので、取り巻く環境が変われば世論も導入に前向きになるでしょう。
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ユーロ導入のメリット
・為替リスクと取引コストの削減
・中小企業の欧州進出がしやすくなる
・ユーロ圏内での貿易が増える
・ユーロ圏内から旅行者が訪れやすい

デメリット
・物価上昇における人件費の増加
・現行通貨からユーロ移行時の負担
・ユーロ圏内のインフレによるリスク
・導入後に経済が傾くと最悪国が破綻する

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この記事のまとめ
アイコン ポーランドがEUに加入した2004年当初、ポーランドは “EU諸国の中で最も貧しい国の1つ” でした。
当時の一人当たりのGDPはラトビアに次いで2番目に低く、失業率はなんと19%…。控えめに言っても “落ちぶれた国” であったことは認めざるを得ません。

 しかし今やEUで8番目に高いGDPを誇る国となり、EU諸国の中ではかなりの成功を収めています。単純に経済成長率だけを見れば日本の5倍。まだまだ伸びる要素があるところを見ると、明るい未来が待っているでしょう。ただ、一方で生産性ギャップの向上、労働力不足など解決すべき難しい問題もあります。5年、10年先のポーランドがさらに前向きな成長を遂げ、それがヨーロッパの明るい経済発展につながることを期待しましょう。

思い出の写真

7分で分かるポーランドの歴史!建国から社会主義脱却までの千年を総括

 

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あやか
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