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この “ワルシャワ蜂起” の記事は、下の関連記事の続編として書いています。
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.前回記事から来られた方、ワルシャワ蜂起のみについて知りたい方は、そのままこちらの記事をお読みください。
ワルシャワでの武装蜂起
ポーランド侵攻から始まった第二次世界大戦、ドイツ軍による首都ワルシャワの占拠、ナチス・ドイツの政策によるポーランド人への迫害、虐殺、拷問…。
そんな憎きドイツ軍からポーランドを守るため、ついにポーランド人たちは大々的な作戦を実行します。
それがワルシャワ蜂起でした。
この時のワルシャワに住むポーランド軍は、ロンドンにあるポーランド亡命政府の協力のもと、ポーランド地下国家というものをワルシャワの地下に建設しています。建設、といっても敵に気付かれてはいけないので、地下を掘り進めて新たな国をつくったのではありません。
しかし地上はドイツ軍が占拠しているため、地下に潜伏してこっそりと活動するしかなかったのです。ワルシャワ蜂起もこの地下国家で練られた打開策でした。
実はこの蜂起は、敵であったソ連軍の協力と見せかけた蜂起の呼びかけ(※)がきっかけで計画されています。
「ソ連といっしょに戦えば、ドイツ軍を倒せるかもしれない!」
そんな希望を胸にして1944年8月1日17時00分、ポーランドはワルシャワ蜂起を決行。この蜂起では国内軍のみならず、圧倒的に不利な状況の中、女性も子どもも皆戦いました。
間もなく蜂起の報告を受けたヒトラーは、蜂起した国内軍の弾圧とワルシャワの徹底破壊をドイツ軍に命じます。
弾圧にはその残虐性で有名なカミンスキー旅団やSS特別連隊が加わり、ポーランド人に対しての略奪や暴行、虐殺が繰り返されました。また蜂起参加者のワルシャワ市民はテロリストとされ、多くの人々がナチス・ドイツによって処刑されています。それでも蜂起軍は最後までドイツ軍と戦うことをやめませんでした。
しかし、63日にも及んだ必死の抵抗は無惨な結果に終わります。
犠牲者としてポーランド蜂起軍の死者数は約18万〜25万人、ドイツ軍では約1万7千人。後に70万人もの人々がワルシャワから追放されますが、悲劇はこれだけに留まっていません。
1944年当時、ドイツ軍を攻めていたソ連軍は、ワルシャワにいるポーランド人に「我々もドイツ軍を攻撃するから、蜂起をするように。いっしょにドイツ軍をやっつけよう。」と呼びかけました。敵と協力するのは真意ではありませんでしたが、ドイツ軍をどうにかしなければと考えていたポーランド人はソ連軍の案に承諾します。しかし、蜂起の間にソ連軍がポーランドに協力的な支援をすることはなく、ソ連軍は重大な裏切り行為を犯しました。その裏切りを許せなかった生き残りのレジスタンスたちは”呪われた兵士” と呼ばれていたそうです。
やっと、すべてが終わった
ワルシャワ蜂起の終焉が訪れたのは蜂起決行から63日後の10月2日。
抵抗を続けていた国内軍はナチス・ドイツによってほぼ潰滅状態でしたが、終結してもなお、ドイツ軍はワルシャワの街を徹底的に破壊し続けました。すべては蜂起を起こした報復。ワルシャワは見るも無惨な姿となり、戦後ワルシャワに生き残ったポーラン人はわずか…。
そして蜂起から翌年の1945年、第二次世界大戦はついに終結します。
何もかも失ったワルシャワでしたが、後にワルシャワ旧市街は戦後のポーランド人の熱い想いもあって壁のヒビ1本に至るまで完全に復元されました。戦前の写真や絵を見ながら、忠実に。
努力が報われたかのように旧市街は1980年にワルシャワ歴史地区という名で世界遺産に登録され、今ではあの過去の忌まわしい出来事が噓だったかのように大勢の観光客で賑わっています。
また当時のことは決して忘れてはいけないと、戦争時代のポーランドを後世に伝える博物館(ワルシャワ蜂起博物館、パヴィアク刑務所博物館、ユダヤ人歴史博物館など)も建設されました。
これらの博物館は時間が許すのであれば、絶対に訪れてほしいです。
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この記事のまとめ
この記事を読むだけで、ポーランドの苦難の歴史と彼らの愛国心がどれだけ強いものか伝わってきたはず。
もうワルシャワを「ショパンの街」「美しい世界遺産の街」などと言ってられないですね。ここで数十万人ものポーランド人が愛するポーランドを守るために、命をかけて戦ったんですから。
このワルシャワだけで私たちが学ばなければならないことは沢山あります。
せっかくの観光、暗い過去から目を背けて旅行を満喫したい気持ちも分かりますが、ワルシャワに来られるのであれば今一度、私たち人類が犯した過ちと向き合ってみるべきではないでしょうか。
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今日、ワルシャワ蜂起迄、命をかけた映画を観て、愛国心の大きな人達の偉大さを実感した。
ポーランド語でのワルシャワ蜂起のドラマやドキュメンタリーを見たことはありますが、日本語字幕もあるのでしょうか。毎年この時期になると当記事にアクセスが集まり、どこかで話題になっているのかと思います。ワルシャワ蜂起や戦争に果敢に立ち向かった人々がいたからこそ今がある、そのことを忘れないでいたいですね。