これからポーランドへ行く方が知っておきたい情報

ポーランドの起業家とお話をして分かったこと

Engin_Akyurt / Pixabay
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クラクフ市公認ガイドのカスプシュイック綾香(本名)です。2014年以降、ポーランド在住。ガイド・通訳業の傍ら、旅行や生活に欠かせないポーランド情報をお届け中!
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今月の上旬、ビジネス通訳のご依頼を受け、グダニスクというポーランド北部の街まで行ってきました。

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私はもともと英語の同時通訳と通訳案内士(外国語を話すガイド)を学んでいたこともあり、たまにビジネス関連の通訳依頼を受けます。込み入った話でなければポーランド語でも構いませんが、今回は英語通訳のつもりで挑んできました。

すると思いのほか、ポーランド語を話すときのほうが楽で、結局英語を使う場面はほとんどなかったんです!

今回のこの通訳のお仕事を通して、自分は思ったよりポーランド語が話せるということが分かり、ちょっとした自信にも繋がりました。まだまだ勉強していく必要がありますが、学習歴3年未満でここまで到達できたのは嬉しいです。

しかし、他にも今回のお仕事で大きな気づきがあったので、当記事ではそのことについてお話ししようと思います。

 

ハイツテクニックのボイラー 引用 pellasx.pl

訪問した会社の名前は Heiztechnik(ハイツテクニック)。暖房器具として用いるボイラー(上の写真のようなもの)を開発し、また製造・販売しています。

実際にお話した方は、ハイツテクニックのオーナーZさんと担当者のTさん。

ハイツテクニックの事務所と工場はグダニスクから車で40分ほど走ったところにあります。その周辺に宿泊施設はあまりなかったため、グダニスクに数日間と滞在することになりました。

初日から最終日までオーナーのZさんが迎えにきてくださったのですが、Zさんの車には今までに見たこともないほどハイスペックな機能が備わっていて、そこからもビジネスがかなり成功している人だと思わざるをえません。

ポーランドでは高級車といえば日本同様ベンツで、街中でも割と見かけます。

Zさんもベンツかと思いきや、同じくらいのステータスではあるものの滅多に見かけないBMWでした。すごいなぁ。

ハイツテクニックのオフィス 引用 heiztechnik.ua

事務所も新しくて綺麗。

外観を見て思わずZさんにこう聞いてしまいました。「このカラーは、ポーランドをイメージしたんですか?」

すると「いや、ちがうよ」と即否定されました(笑)。特に意味はないのだそうです。ポーランドでは、ポーランドの国旗を模したような白と赤の組み合わせを見かけることが多いんですよね。

無意識に愛国心がでているのでは?

と思ったり。でも会社名のハイツテクニックは、ドイツの会社に見せかけるためにドイツ語風に名付けたものなんだそうです。ポーランドの会社より、ドイツの会社のほうが強い、信頼できるといったイメージがあるのかもしれません。

しかし、ポーランド製のハイツテクニックの商品そのものは優秀で、常に高機能と最先端を追っているという感じ。

最も驚いたのが、操作パネルが日本語にも対応していたこと。今回のために日本語をインストールしたようですが、最初は信じられなくて聞き間違いかと思いました。すると、本当に日本語の文字が画面にでてきて仰天しましたね。

作業現場も活気があり、ヨーロッパで一番の働き者と言われるポーランド人たちの仕事熱心さを見ることができました。

 

やっと、本題に入ります

つい前置きが長くなりました。ZさんとTさんとお会いし、たっぷりお話して分かったこと。まず、一つ目は…

ポーランドに誇りを持っていること!

西欧とポーランドではどちらがより進んでいるか。もしそう聞かれたら、直感的に「西欧」と答える人がほとんどでしょうが、Zさんはちがうと言います。

経済力では西欧が勝っているかもしれませんが、街の綺麗さや施設設備などは全体的にポーランドのほうが上

西欧は早くに発展し、ポーランドはここ数年で急速に発展を遂げたこともあり、明らかにその点では差が出ています。

ハイツテクニックの製品がほか西欧の同製品と比べて人気があり、優秀であるのもそこにヒントがあるのでしょう。

急速に発展している首都ワルシャワ

また、私はZさんの人柄や起業家としての考え方にもすごく惹かれました。

実は、今回ご依頼されたNさんは会社を設立したばかりで、まだ実績はなかったんです。それにボイラーはあまり日本では普及しておらず、独占契約を結ぶことには成功したものの、1年で10台売れてまずまずといったプレゼンでした。

ヨーロッパでは年間数万台、いやそれ以上の出荷台数があると思います。

それでもガッカリしたような顔は一切せず、むしろすんなりとその現実を受け入れてくれたんですね。新たなビジネスの難しさは十分理解している、と。

そして同じ起業家として心から応援しているのが伝わってきました。

しかし、遠く離れた日本で販売するといった点で、Zさんが懸念していたことがあります。それはカスタマーケア。

日本もカスタマーケアには敏感な方ですよね。何かを売る場合、それが高額であればあるほどカスタマーケアや購入後のサポートが重要になってきます。

Zさんは、「故障時、日本への部品発送はかなり時間がかかる。お客さんを待たせることになるが、それはよくない」、「部品交換時の対応が遅いと、我が社のイメージを損なうのでは?」など、他にも心配の声を上げていました。

話し合いの中ではこのカスタマーケアの部分が最も長かったと思います。解決策をお互いに提案していく中で、たとえ販売台数が少なくともここまで真剣に向き合っている姿を見ると、「さすが、成功された方だな」といった感じでした。

起業家同士の話し合い、同業者ではないものの大きな刺激を受けましたね。

 

カシューブ地方の伝統スープ

最終日の夜、ZさんとTさん、そしてNさんと私の4人でディナーをいただきました。初日から立派なお昼やデザートをご馳走になったりと、想像以上の厚いおもてなしを受けていましたが…。

ディナーでの会話は、最後は私に関する話で盛り上がりました。

Zさんが「ところで、君はいったいいくつ?」と聞いてきたのです。ポーランドでは女性に年齢を聞くのは失礼とされますが、ドストレートに聞かれました。

隠すことでもないので、「26歳です」と言うとビックリした顔。

どうやってNさんと出会ったのか、何をしているのか、今までどんなことをしてきたのか、ポーランドをどう思うか、などなど色んなお話をしました。

そして会話の流れで、カトリックであることを打ち明けるとこんな返しが…!

ポーランドは祝福された国だ

Zさんは私が同じカトリックであることを知った後、より打ち解けたような話し方になりました。「ポーランドはカトリックであるべきだ」と言ったり…!

そして楽しいディナーは終わり、再会を約束してお別れ。本当にZさんとTさん、Nさんにはお世話になりました。

Nさんのビジネスが無事に成功し、日本でもポーランド製品が受け入れられますように。また、グダニスクでお会いできることを楽しみにしています (^o^)
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今日のポーランド語

biznes

biznes(ビズネス)は「ビジネス」という意味です。また、interes(インテレス)/ interesy(インテレセ)も「ビジネス」の意味を持っています。

単純に自分のビジネスを紹介するときは “biznes” で構いませんが、ビジネスで何かをする、ビジネスで出張へ行く、といった場合は後者を使います。

 

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あやか
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