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前回の記事のつづき、ワルシャワのコペルニクス科学センターで私と主人が特に楽しんだ展示や実験を紹介します。
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砂遊びの感覚で地形が学べる

こちらはサラサラの砂を集めて砂山をつくり、いろんな高さの地形を見てみようというもの。学ぶ以前に久しぶりの砂をつかむ感覚に喜んでしまいました。。
皆さん、このグニャグニャになった曲線をなんと呼ぶか覚えていますか?
等高線ですね。中学校の地理で習いますが、私は酔いそうな地形図が本当に苦手でした。でもこんな実験用の砂場があったら、絶対に楽しく学べたと思います!
ロボットでピラミッドを探検

前回の記事で紹介したアルタミラ洞窟もそうですが、古代のものを発掘する調査はかなりの緊張が伴う作業です。
そこで活躍するのがビデオカメラを搭載した小型ロボット。場所が科学館だとしても、自分がこんなものを操作できるなんて夢にも思っていませんでした!(^o^)

ギザのピラミッドで小型ロボットが使われたとき、そのロボットはミステリアスなトンネル(シャフト)を通り抜け「女王の間」と呼ばれる部屋に潜入しました。シャフトはなんと、高さ・幅ともに20センチ角しかなかったそうです。
女王の間の南向きのシャフトの奥には謎の扉が発見され、当然その向こうには何があるのか誰もが興味を示しました。
このようすは日本でも生中継され、世界中がもう大興奮。しかし、調査は残念ながらここで一旦ストップしたのです。

それから幾つかの調査団がこの謎を解明しようと挑戦権(ピラミッドを調査する権利)を獲得しました。
結論、扉の役割はコウモリや虫の侵入を防止するためのフタであったということ。それでもまだ隠し部屋があるとか色んな説がありますが、私が生きているうちに明らかになってほしいものです。
反応時間を測定しよう

これはただのゲームなんですが、ルールがシンプルであるだけに余計真剣になって主人と競い合いました(笑)。
床には0〜4の目盛りがあり、テンポよくモニターに表示された数字の場所へ移動しなければなりません。自分の動きは黄色の曲線となって表れ、移動するときの動きが鈍ければ鈍いほど白色のラインからズレてしまうというもの。

グラフの縦の数字は距離を表し、横は反応時間を表しています。
上の結果だと、最初の3から2の移動のみいい感じですよね。ジャンプすれば白のラインのように直線を描けると思いますが、0から4は少し距離があるので普通の人は無理だと思います…。
一般的に刺激強度(音や光など)が強いほど反応時間は短く、反応時間が長いほど複雑で多くの心的処理を要します。
自動で詩をつくるロボット

皆さんはポーランドSFの第一人者、スタニスワフ・レム(1921〜2006)という作家をご存知でしょうか。
彼は世界的に有名なSF作家であり、著書は41の言語に翻訳されています。また彼の想像力はとても奥深く、未来に発明される数々のものを具体的に予知していたことでも知られているそう。
このロボットは彼の作品から生み出されたもので、どんなテーマやスタイルからでも詩を作り出させるといいます。

ここで俳句を発見。お題は”kaczka”(アヒル)にしてみました。
一羽のアヒル
あなたはベンチの端に座った
私は暗闇の中で踊る
主人はかなり笑っていましたが、意味はまったく分かりません。でも詩は読んですぐに意味が分かるものではないですよね(笑)。はい、次いきましょう。

傷ついたアヒル
靴底から逃げている
最初の一杯をぐいぐい飲む
やっぱり、”Nie ma sensu”(ニェ マ センス:意味がない)としか言えません。
主人はそれでも「俳句っぽい」と言って笑うので、「俳句知ってるの?」と聞くと「知らない」とのことでした (^ ^;)
構造にかかる圧力を調べよう

数種類ある透明のプレートを柱に見立てた木の上に置き、それを指で押さえつけることによってどれほどの圧力がかかっているかを見ることが出来ます。
主人は建築家なのでこういったものは既に学習済みだと思いましたが、実は建築学ではあまり詳しく学ばないそう。
彼は土木工学と建築学の両方の修士を取得しているので知識はあるみたいですが、建築家はこういう物理とか数学を用いて計算することは滅多にないというのです(日本はどうか知りません)。
建築家が設計した図面を物理的に実現可能であるか調査し、計算するのがエンジニア(土木工学や電気の技術者)の仕事なんだとか。ただし、避難設計や建築法に基づいてデザインするので、単純にアートの世界ではないですけどね。

圧力が直接かかっている部分に最も力が加わっていることは分かりますが、これを計算する方法が分からなければ安全な構造を生み出すことはできません。
昔の建築物は、こういった計算が分からないままに建設されたので倒壊事故がよく起こったんだそうです。
ヨーロッパには古い建物が多く残っていますが、16〜19世紀に建設されたものだと今の建築基準法に引っかかってしまうものだらけです。そのため、改修のときは法律に基づいて莫大な予算をかけながら修復しなければなりません。
以上、いかがでしたか?

他にも興味深い展示物はたくさんありましたが、ほんの一部を紹介しました。
館内の子どもや大人はみんな夢中になって楽しく科学を学んでいて、本当にその場にいるだけでも笑みが溢れそうな場所です!次回は1日中、ここで過ごすつもりで行こうと思います (^o^)/
実は、ポーランドには日本のようにテーマパークと呼べるような場所がありません。ディズニーランドやUSJ、日本のような大きな遊園地はないんですね。
だからこそ家族で楽しむ場所といえばこういった科学館であったり、博物館や歴史的建造物、動物園、植物園だったりします。日本の子どもたちにはちょっと退屈かもしれませんが、ポーランドの子どもたちは十分満足しているようです♪
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wystawa
wystawa(ヴェスタヴァ)は「展示」という意味です。複数形の “wystawy” で用いられることが多いです。


