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この記事の内容
ポーランドで大人気のスイーツ「ポンチュキ」は「穴の空いていないドーナツ」です。ここ数年でポンチュキ専門店(pączkarnia)も軒並み増えており、私もお客さまから「おすすめのあのポンチュカルニャ行きましたよ!」と言われることが多くなりました♪
しかし、ポンチュキはただの甘いふかふかスイーツではありません!ポーランドには「ポンチュキ食べ放題の日」が存在するほど、老若男女問わず愛されてやまない国民的スイーツなのです。当記事ではそんな興味深い文化とともにポンチュキの由来をお話ししましょう。
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この記事の目次
❶ ポンチュキはこんなスイーツ
❷ かつてポンチュキは惣菜パンだった
❸ 脂の木曜日はポンチュキ食べ放題
脂の木曜日が存在するワケ
なぜ木曜日に食べまくる?
全国消費量は1日でおよそ1億個
❹ ポンチュキのおもしろ豆知識
❺ 向こう5年間の脂の木曜日
❻ この記事のまとめ
裏技でカンタンに!お母さん秘伝の世界一美味しいポンチュキの作り方
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ポンチュキはこんなスイーツ


(marmolada)で代用されることも。 。1個あたり70グラム前後と軽く、約300キロカロリーでも案外パクパクッといけちゃうので食べ過ぎには注意したいですね。


かつてポンチュキは惣菜パンだった

古いポーランド語では krepel と呼ばれ、ドイツ語 krapfen(揚げパン)が語源です。 。試しにクラップフェンと検索してみると、美味しそうなポンチュキが出てきますよ!
脂の木曜日はポンチュキ食べ放題
。当記事は、年に一度の「脂の木曜日」の前後にかなりアクセス数が増えます。 。せっかくなのでポンチュキそのものだけでなく、数百年以上も続くこのポーランドでの興味深い文化について学んでみましょう!
脂の木曜日が存在するワケ



なぜ木曜日に食べまくる?

それに、たった一日や二日のために大量の脂を溶かしてお菓子を揚げるのは勿体ない! 。月曜日でも準備は終わり切らず、第一、水曜日までにご馳走が食べ切れません。 。伝統的に安息日は土曜日の夕方から日曜日の夕方のため、土日は家事を休む日。
金曜日はイエスが十字架に磔にされた日のため、年中を通して断食する特別な曜日。 。最初は特に決まっていなかった食べ納めの日ですが、こうして前倒しになっていき、次第に木曜日で定着してしまったようです。
全国消費量は1日でおよそ1億個

一般的なポンチュキの大きさは、日本で売っているドーナツとほぼ同じだと言えます。 。私は、お義母さんが作る最高に美味しいポンチュキなら3個くらい食べれますよ!

ポンチュキのおもしろ豆知識

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。「ポーランドは西欧諸国と比べて物価が安い」とは言っても、さすがに1個15円(1ズロチ=30円|0.5ズロチ/50グロシュ=15円)のポンチュキを見たら驚きますよね?
でも、スーパーだと結構あり得る価格設定。
。しかしパン屋さんだと1個2ズロチ〜(小さな町では1ズロチ〜)、ポンチュカルニャでは3ズロチはします。クラクフ旧市街だと6ズロチするものもあり、価格は購入する街、立地、時間帯にも左右されがち。極端に安いものは材料が古い可能性もありますし、スーパーなら他の商品を値上げしているのかもしれません。
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。伝統的なポンチュキのフィリングは、ローズジャムかマーマレード(marmolada)。しかし、ポンチュキに使われるマーマレードは濃い赤色なので、「イチゴジャムみたいなのにマーマレード?」と思うかもしれません。日本でマーマレードというと、オレンジやグレープフルーツなど柑橘系のものなので違和感がありますね。
。実は、マーマレードとは果物の皮が含まれているジャムを指します。柑橘系のジャムのみをマーマレードというわけではありません。ポーランドで手に入るマーマレードの多くはアンズ、リンゴ、クロスグリ、イチゴ、ラズベリーなどフルーツがたくさん含まれており、ジャムよりも扱いやすい質感なのでフィリングに最適です。
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。ここ近年はポンチュカルニャが増え、これまでのポンチュキのイメージを覆すようなタイプのものも見かけるようになりました。真ん中に穴が空いたもの、チョコやキャンデースプリング、グミをトッピングしたもの、フィリングにカスタードやチョコを入れたものなど、これらは本来のポンチュキの原型を留めていません!
。アメリカンなポンチュキは、日本で展開しているドーナツショップでも楽しめるはず。ポーランドにお越しの際は、中にローズジャムやマーマレード(marmolada)が入った【穴の空いていない】ポンチュキを食べてください♪
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。理想的なポンチュキはふっくらしており、内側がちょっと凹んでいます。このようなポンチュキは、生地の質が良い証拠。ただ、ほとんどの場合はシュガーで見えなくなってしまっているので、凹み具合は分かりにくいかもしれません。
。また、ポンチュキの周りに明るい境界線が入っているかどうかもポイント。これは揚げた油が新鮮であることを示しています。ドーナツは油で決まると言っても過言ではありません。
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。かつて、ポンチュキの中にアーモンドやナッツを入れることがあったそうです。そのポンチュキを食べた人はみんな幸せになれるというジンクスがあり、現代にも継がれていないのは残念。
。まぁ、お店で買ったポンチュキがジャムの代わりにナッツ入りだったらガックリしますけどね(笑)。今は今で、「脂の木曜日には、最低でも一つのポンチュキを食べれなければならない。食べたら食べた分だけ、一年中幸せになれる」と言ったりしますが、アーモンド/ナッツ入りのポンチュキが言い伝えの元なのかもしれません。
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。前項で「脂の木曜日」の起源はキリスト教文化にあり、四旬節の断食前の食べ納めだと説明しました。しかし、実はほかにも諸説あり、ハッキリとした起源は分かっていないのです。。
。まず一つ目はクラクフ起源説。
昔々、クラクフにコンブラという悪名高い市長がいました。彼は女性をののしり、髪を引っ張ったり、投獄や処刑なども残酷に行い、当然市民から嫌われていました。そしてある日、コンブラは四旬節直前の木曜日(脂の木曜日)に亡くなります。訃報を聞いた市民はその日から酒を飲みながらポンチュキをたくさん食べ、四旬節直前の日(灰の水曜日)まで彼の死を祝ったのでした。
。次にワルシャワ起源説。
それは18世紀のこと。ワルシャワの王宮では、国王スタニスワフ・アウグスト・ポニャトフスキと有力な政治家らの間で毎週木曜日に会食が行われていました(これは歴史的事実)。いつの日か、その会食ではふかふかのポンチュキが振る舞われているという噂がワルシャワ中に知れ渡ります。そんな噂があると知った国王は市民にポンチュキを配ることにしました。その日は偶然にも四旬節直前の木曜日(脂の木曜日)であり、その話を聞いた他の街の人々も四旬節直前の木曜日にポンチュキを食べるようになりました。
。どれもただの伝説のようですが、一部事実やそれにまつわる伝統が今も続いていたりして、ウソと言い切れないのも面白いところ。これを言うと身も蓋もないですが、「ポンチュキを売るためのパン屋の戦略」という説もあります。
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向こう5年間の脂の木曜日

年 | 脂の木曜日 | 復活祭当日 |
2020年 | 02.20 | 04.12 |
2021年 | 02.11 | 04.04 |
2022年 | 02.24 | 04.17 |
2023年 |
02.16 | 04.09 |
2024年 | 02.08 | 03.31 |
2025年 | 02.27 | 04.20 |

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最後まで読んだあなたはもう立派なポンチュキ通。もし友人や知人にポーランド人がいたら、一番あなたが「へぇ〜」と思ったことを教えてみてください!


