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以下、イースターは復活祭と表記します
2024年の復活祭…3月31日
復活祭は毎年異なり、春分の日(3月21)を過ぎた最初の満月の次の日曜日です。月の満ち欠けは29.5日間なので、具体的には毎年3月下旬から4月下旬の間に復活祭がやってきます。
キリスト教と復活祭の関係
何千年も前、神のメッセージを直接受け取った預言者と呼ばれる人々によって、聖書という書物が書かれました。これを今日のキリスト教では旧約聖書といいます。旧約聖書には多数の預言と神の言葉が書き連ねてあり、神の御子イエス・キリストの誕生やその後の出来事も記されています。
一方、イエスの誕生後に書かれた書物を新約聖書といいます。こちらはイエスや宣教に関することが主な内容となり、旧約聖書よりずっと短いもの。その新約聖書によれば、生前のイエスは人々にこう説きました。— 自分の罪を悔い改め、神を信じることによって神の国(天国)へ行ける、と。
イエスは聖書の預言通り、人々の罪を肩代わりするために十字架に磔られて短い生涯を終えました。ここで重要なのが、イエスは処刑前、復活することを弟子たちに預言したということ。そして本当に死後3日後によみがえり、生前説いてきたことが真実であったことを人々の目の前で証明したのです。キリスト教はイエスの復活なしに完成することはありませんでした。だからこそ、イエスが復活したことを祝う復活祭は盛大に行われるのです。
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復活祭前後のスケジュール
イエスはローマ兵らによって逮捕され、処刑直前まで暴力と罵倒を受けました。これを「イエスの受難」といい、復活そのものは喜ばしいことでも受難は決していいことではありません。そこでカトリックでは、イエスの逮捕から墓に葬られるまでの一連の出来事を「十字架の道行き」として心に留めるようにしています。特に、復活祭の40日前から復活祭までの間は四旬節と呼び、イエスの受難を思いながら慎ましく過ごします。
復活祭1週間前の日曜日、イエスが十字架に磔られるまでの受難を記念する「聖週間」が始まります。復活祭当日までに多くの典礼があり、その1つ目が聖枝祭。宣教活動の最期、イエスがロバに乗ってエルサレムに入場したとき、民衆が木の枝を道に敷いて歓迎したことを思い起こす日です。
この日、信者は当時の民衆のようにイエスを歓迎していることの象徴としてカラフルな枝を持って教会へ行きます。本来はナツメヤシやシュロの枝ですが、ポーランドではネコヤナギやドライフラワーで飾られた枝を用意します。ここから受難が始まるので、全体的なミサの雰囲気としてはやや暗め。
最後の晩餐があったのはイエスの処刑3日前。イエスは最後の晩餐を通して、「パンは自分の身体-肉」、「ぶどう酒-ワインは自分の血」と表現し、12人の弟子にパンとぶどう酒を与えました。これは年中のミサで行われる聖餐(洗礼者が神父からパンを受け取って口にする)で思い起こされます。
またイエスはこの最後の晩餐で、弟子たちへの愛を示すために一人一人の足を洗いました(イエスの洗足)。人の足を洗うのは僕の仕事ですが、身分上の差に関係なく、互いに足を洗い合わなければならないことを示したのです。このイエスの行為に倣い、聖木曜日のミサでは神父が信者の足を洗います。ちなみにローマ教皇はこの日、刑務所でミサをしたり、受刑者たちの足を洗います。
最後の晩餐のあと、イエスは弟子ユダの裏切りによって逮捕されました(実際にイエスが罪を犯したわけではなく、どんな理由で逮捕されたかは分かっていない)。その後、イエスは牢獄に入れられ、激しい拷問と尋問の末に不当な死刑の宣告を受けます。そして大きな十字架を背負い、処刑場のゴルゴダの丘まで向かいました。ゴルゴダはヘブライ語で「しゃれこうべ」という意味です。
この日のミサでは旧約聖書の「イザヤの預言書」、新約聖書の「ヨハネの黙示録」と「ヨハネの福音書」(イエスが前夜にゲツセマネという場所で祈るところから墓に葬られるまでの一連の出来事)が歌にのせて読まれます。ミサの後半はひざまずいては立っての繰り返しで、受難のクライマックスだけに厳粛な雰囲気。典礼のハイライトは、四旬節のはじまりのミサで布に覆われたイエスの十字架から布が外されるところです。また、この日は肉を食べてはならず、食事は限りなく質素に済ませる必要があります。
この日の日没後に始まるミサが終わると、四旬節が明けます。そのミサが始まる前に信者は、卵、パン、ハム、仔羊のかたちをしたケーキ(イエスの象徴)が入ったバスケットを持って教会へ行き、お祝いのテーブルに置きます。司祭はそれらに聖水を掛けて祝福し、祝福を受けたものを食べることによって四旬節の断食が終わるのです。
聖土曜日のミサは復活徹夜祭とも呼ばれ、4つの部で構成されます。最初は教会の前で火が灯される「光の祭儀」、次にキャンドルを持って教会内に入り「ことばの典礼」、そして成人洗礼の場ともなる「洗礼の儀」、最後に「感謝の典礼」があります。40日ぶりにハレルヤの曲を歌い、およそ3時間にも及ぶ長いミサが終わると復活祭の幕開け。断食が終わった嬉しさもあり、深夜でもさっそくご馳走や酒類を堪能する人もいます。
イエスの復活を祝うことは、キリスト教徒にとって最大の喜び。教会によっては爆竹を鳴らすこともあります。日曜日なので主日のミサが行われますが、通常よりも30分長い程度。ご馳走を食べる前に教会へ行くか、それともお腹いっぱいになってからのんびり行くかは本人次第。教会の周りも一気にお祭りムードとなり、復活祭ならではの甘〜いお菓子やおもちゃの屋台が並ぶことも!
復活祭当日は伝統的に家族と過ごすため、ショッピングモールやお店、博物館・美術館、娯楽施設、レストランなどは基本的にお休みです。春だけに旅行シーズンでもありますが、観光客の人たちは食べ物を事前に購入しておき、外での観光をゆっくり楽しむとよいでしょう。教会から出てくる人たちの嬉しそうなようすを見ているだけでもポジティブな気持ちになるかもしれません。
一般的に、金曜日からつづくイースター休暇の最終日。この日もポーランドは祝日であり、教会のミサに行きます。街によってはイベントもありますが、多くの人々は前日の復活祭の余韻を楽しみながら家でのんびりくつろぐでしょう。また、復活祭の日から8日間はオクターブという祝祭期間になり、食べたり飲んだりして明るく過ごします。
さらに、ポーランドやハンガリー、スロバキアでは古代の慣習の名残で、復活祭翌日の月曜日は少年が少女に水を掛けるという遊びで盛り上がります(śmigus–dyngus)。水を掛けられた少女は早くお嫁にいけるとか…?年頃を過ぎた大人の女性も水鉄砲やバケツで水攻撃を受ける可能性があるため、ポーランドにいる人は注意しましょう。
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この仔羊のケーキが子どもたちに大人気!
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当記事で紹介した復活祭前後のスケジュールや祝い方はカトリックとポーランドの慣習によるものです。カトリックであれば祝い方に大きな差はないはずですが、国や教派(プロテスタント)によって独自の祝い方があるかもしれません。
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ちなみに復活祭のミサは何百人もの人たちがベンチに座れないほど混むんですが、洗礼のときは私も家族も特別席に座ることができました。次にちゃんと座れる復活祭は40年後くらいかな〜なんて思ってると、コロナの影響で2020年と2021年の復活祭ミサはフカフカのソファーに座りながらテレビで観ることに…
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日曜日にボレスビワエツに行ったら、陶器店はお休みでした。復活祭は、とても大きな行事ですね。こちらの記事を事前によく読んでおけばよかったと悔やまれます。でも、昨日は、とてもきれいなヴロツワフの街を見ることができたので満足です。本日は、陶器店に再チャレンジです。
Kazukiさん
日曜日はもとから多くの店がお休みであったり、営業時間が短くなるので、復活祭当日だと尚更だったかもしれませんね。
私もヴロツワフの街並みは大好きで、こちらに来たばかりの頃はクラクフの中央広場よりも気に入っていたほどでした。
お気をつけてご旅行をお楽しみください。
ボレスビワエツを紹介された文のおかげで、教会から広場を撮ることができました。門越しの広場もいいですね。
お役に立ったようで何よりです。
私も食器をもう少し揃えたいので、またボレスワヴィエツに行ってみたくなりました。