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日本では11月11日といえば、お馴染み「ポッキーの日」。ポーランドでは国民の祝日「独立記念日 -Narodowe Święto Niepodległości-」です。
この日、街に出掛けるとビックリしてしまうことがあるかもしれません。何も知らなければ、「なんのデモだ?!」と怖じ気づくことになるかも?
さて、いったいポーランドではこの日をどんな風にして過ごすのでしょう。この記事では、ワルシャワとクラクフでの独立記念日のようすもご紹介します!
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このページの目次
1. 最も一般的な過ごし方
。いつもより遅めの起床
。独立記念日のミサへ
。ひたすら家でのんびり
2. 記念パレードのようす
。ワルシャワ
。クラクフ
3. この記事のまとめ
最も一般的な過ごし方

記念パレードのようすを見る前に、家でゆっくりしたい人達や記念パレードに参加しない人達はこの日をどのようにして過ごすのか見てみましょう。
ところでポーランドでは、祝日が近づくとそこら中に国旗が目立ちます。
これらは祝日の2〜3日前から見られる現象で、祝日当日や前日に国旗をあげる人は少ないです。せっかくの休みを朝から旗揚げで迎えるのではなく、ゆっくり過ごすためなんでしょうか。いや、もっとちがう理由だと思いますが…。
いつもより遅めの起床

今年は金曜日、平日が独立記念日でした。しかし国民の祝日なので、ほとんどのポーランド人達はお休みです。
公共交通機関は祝日ダイヤとなり、開いている店もごくわずか。大きなショッピングモールもお休み。そんな日にわざわざ早起きする必要はありません。
家でのんびりするか、記念パレードに参加するかの2択でしょう。
そろそろ朝食を食べようとベッドから起き上がり、冷蔵庫を開けたところで多くのポーランド人はハッとします。
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意味が分かりませんね。これは実際にうちの夫が言ったセリフです。
人口の90%以上をカトリック教徒で占めるポーランドには、「金曜日は肉を食べない」といった独自のルールが存在します。なぜかというと、金曜日はイエス・キリストが十字架に掛けられた日だから。そんな悲しい日にガツガツと肉を食べるべきではないのです。
しかし、”年に数回だけ” このルールが免除される金曜日がやってきます。
それは、金曜日と祝日が重なった日。そう、まさに今年の独立記念日!こういう日は何がなんでも肉を食べようとするポーランド人。もちろん、私も朝からがっつりソーセージをいただきました。
独立記念日のミサへ

家でのんびり過ごしたい人でも、カトリック教徒であれば教会へ行きます。日曜日に教会へ行くのと同じことです。
ミサは通常通り、40分〜1時間程度で終了します。1つ異なるのは、ポーランドのために祈るということ。ポーランド独立のために闘ってきた人達に感謝し、これからも変わらずに平和にポーランドで暮らしていけるよう祈るのです。
ミサが終わると、あとは家族とのんびり過ごすために家に帰ります。
繰り返し言いますが、祝日はどこのお店も閉まっているのでそんな日にわざわざ街へ行くことはありません。記念パレードを見学しないのであれば、寒いですし家で過ごした方がいいでしょう。
ひたすら家でのんびり

他人が休日をどう過ごしているのかまでは知りませんが、外に出ないポーランド人がやることは限られています。食べるか、テレビを見るか、寝るか、子どもと遊ぶかくらいではないでしょうか。
テレビでは「ポーランドの独立を振り返ろう」という特集が組まれ、生放送でワルシャワやクラクフでの記念パレードのようすが映し出されます。
休日出勤なんてまずないですし、家で仕事を片付けることなどありません。きっと多くの人は、教会から帰ってきた後は気ままに家で1日を過ごします。
ちなみに私はこの日、ちょっとしたお仕事で隣町に出掛けていました。祝日に出掛けることがあまりなかったため、街中が静まり返っているようすにはビックリしました。知っていましたが、まさかあそこまで徹底的に休むとは…。
記念パレードのようす

では、記念パレードに参加する元気なポーランド人達を見てみましょう。
私ももうちょっと中心部に住んでいれば、パレードを見に行きたかったのですが…。来年のこの日にガイドの依頼があれば見れるかもしれません(笑)。
ワルシャワ








最後の写真は、教会にて祈りを捧げる現在のポーランドの大統領夫妻です。
この美しい写真、建国者のミエシュコ1世やポーランド独立のために闘ってきた英雄達、ポーランドの自由のために命を懸けた人達に見せたいですね。
最近では反カトリック主義もお騒がせしていますが、やっぱり私はポーランドには敬虔な心を貫いてほしいです。ポーランドは建国当初から大事な戦いの前ではいつもイエスや聖母マリアの像を前に、ひざまずいて祈ってきました。
神がポーランドを守ったとか言いません。でも、神を信じる純粋な心がポーランドを守ってきたのは真実です。
クラクフ








いつも見るクラクフとは雰囲気がまったく違います。こんな日にポーランドに来ちゃった!という旅行者の方は、ある意味ラッキーかもしれません。
4枚目の写真ですが、よくいる観光客用の馬ではなく軍事用の立派な馬です。
乗っている人が着ている服も当時を再現したものだと思いますが、中世の街並の中でこんなパレードを見かけたらタイムスリップしたような気分でしょうね。
この記事のまとめ

この記事を書くにあたって、最初は「建国から独立までの歴史」も当記事に書いていたのですが、書くうちに長くなってしまったので分けてみました。
それにポーランドの歴史を書くと、どうしても雰囲気が重くなりますからね。しかしこの記事では、ポジティヴにまとめることができたので良かったです。
記念パレードのニュースを見て気付くのは、コメント欄への「ポーランド、おめでとう!」という書き込みの多さ。
幼稚園から大学など教育機関でも独立記念日を祝っていて、独立のために闘ってきた人達がいることを知っているだけにそれだけで感動してしまいます。
最近は西欧化の影響でポーランドの中でも意見が分かれる人が目立ってきました。考え方は人それぞれあるでしょう。
しかし、ポーランド人なのであれば政治の悪口は言っても母国の悪口だけは言って欲しくないものです。もし、ポーランドの歴史をきちんと見つめることができるのであれば、ポーランドを貶したりなんてできないでしょう。
ポーランドがこれからも平和な国であることを心から願ってやみません。そして独立98周年、本当におめでとう!
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niepodległość
niepodległość(ニェポドレグォシチ)は「独立」という意味です。
今回のテーマである「独立記念日」は “dzień niepodległości”(ヂェニ ニェポドレグォシチ)といいます。
では、”98 lat temu Polska odzyskała niepodległość” はどんな意味になるでしょうか。98という数字があるので、なんとなく分かるはず…。
使われている動詞:odzyskać(オドゼスカチ)は、「取り戻/返す」「奪還する」という意味です。なので、「98年前、ポーランドは独立を勝ち取った」と訳するのが自然ですね。
最後までお読み頂きありがとうございます☆



ということは、もしかして肉が食べられるんじゃ?!