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この記事の内容
ヨーロッパ観光といえば、立派なお城を思い浮かべる方も少なくないはず。ポーランドにも数々のお城がありますが、その中でも歴代国王の居城として最も深い歴史があり、観光地としても見どころたっぷりなのは古都クラクフにあるヴァヴェル城で間違いありません。
そんなヴァヴェル城、クラクフに滞在するならしっかりと観ておきたいですよね? でも、見どころが多いだけに見学方法がやや複雑であり、何も知らずに行ってしまうと結局中に入れなかったということも…。そこで、クラクフ公認ガイドの筆者が「ヴァヴェル城見学に必要な知識」を一挙まとめました!
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この記事の目次
❶ ヴァヴェル城の歴史を1分で紹介
❷ 城にある9つの見学スポット
6つの城内常設展示スポット
3つの期間限定スポット
ダ・ヴィンチの名画は移転しました
❸ 各見学スポットの開館時間と料金
チケット売り場の営業時間と注意
6つの城内常設展示スポット
3つの期間限定スポット
❹ 観光する前に知っておくべきこと
❺ ヴァヴェル城のチケット予約代行
❻ ヴァヴェルをガイドいたします
❼ この記事のまとめ
ヴァヴェル城を効率よく見学!所要時間は?周る順番は?よくある質問8つ
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ヴァヴェル城の歴史を1分で紹介
。ヴァヴェル城は、クラクフ旧市街の南にある小高いヴァヴェルの丘に建つお城。
ヴァヴェル(中世ではヴォンヴェルとも)という呼称の起源は諸説あり、一般的には湿地にある乾いた場所を意味すると言われます。
その後はスウェーデン軍の侵略やポーランド分割での占領によってヴァヴェルは衰退し、やがてオーストリア軍兵舎へと成り果てます。 。1905年に軍が去るとポーランド人建築家たちによって城と大聖堂が修復され、第二次世界大戦の波乱も乗り越え、ようやく500年前の姿を取り戻すことができました。 。現在のヴァヴェル城は博物館となっており、隣接する大聖堂も見逃せません。
壮大なポーランド史と文化を代表する豪華な調度品や国宝の数々、王族が使用していた部屋や礼拝堂をたっぷりと観ることができます。
城にある9つの見学スポット
。ヴァヴェル城には9つの見学スポットがありますが、それらがすべて見学できるのは4月から9月/10月までとなっています。 。9つすべてを制覇すると一日がかり!時間の許す限り、中世から500年前のポーランドにタイムスリップした気分でじっくりとヴァヴェル城観光をお楽しみください。
6つの城内常設展示スポット
。以下の6つのスポットは年間を通して見学することができます(時期によって保存作業のために休館としている展示もあり)。.
❶ | 城の大広間 | ||
State Rooms Reprezentacyjne Komnaty Królewski |
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1階はかつて使用人の住居となっており、つづいて上階で王族や貴族らが使用した部屋を見ることができる。調度品は17世紀前後のイタリア製家具コレクション、オランダやドイツの著名画家が描いた絵画、国王の肖像画などがあり、最大の目玉は16世紀に国王ジグムント2世が注文したタペストリー。最後の部屋は、国王の結婚式や国王選出の議会が開かれた宴会場。 | |||
❷ | 王族の私室 | ||
Royal Private Apartments Prywatne Apartamenty Królewskie |
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最大9人のツアー(英語あり)でガイドとともに見学する。王族の居住スペースやゲストの寝室、クジャ・ストパ(鶏の足)と呼ばれる14世紀にさかのぼる別棟、18世紀にリニューアルされた「柱の部屋」を見ることができる。最後の部屋に展示されているマイセン磁器は、それらの内1枚だけでもポーランドに一生暮らすことができるほどの価値があるという。 | |||
❸ | 国宝と武具の展示 | ||
Crown Treasury and Armoury Skarbiec Koronny i Zbrojownia |
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城の東翼と北翼の地上階一部を占める展示。16世紀に城が再建されてから18世紀末頃まで、同じ場所に「王宮の財宝」が保管してあった。第二次世界大戦後に寄贈された数々の武器コレクション、重騎兵フサリアの鎧、王族の宝石や調度品、中世の聖容器などがあり、目玉は14世紀からおよそ450年、戴冠式で使用されたシュチェルビェツと呼ばれる剣。 |
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❹ | ヴァヴェルの遺構 | ||
The Lost Wawel Wawel Zaginiony |
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20世紀前半に行われたヴァヴェルの大規模改修と発掘調査の際に発見された遺構や出土品を見ることができる。主な遺構は聖母マリアのロタンダ(円形建築物)/聖フェリックスと聖アダトゥクスのロタンダであり、その歴史はポーランド国王がヴァヴェルを居城とする前にさかのぼる。またかつて城を構成していた石の断片、初期大聖堂のモデルなど展示品多数。 | |||
❺ | 東洋美術の展示 | ||
Oriental Art Sztuka Wschodu |
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戦前、国王ヤン3世ソビエスキによって勝利した第二次ウィーン包囲(1683)250周年を記念した展示会が開かれ、多くのコレクションがヴァヴェルに集まった。展示物はその当時購入されたものや残された貸出品であり、第二次ウィーン包囲の戦利品であるオスマンの軍旗、野営テント、オスマンのタペストリー、馬具、王族への寄贈品などを見ることができる。 |
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❻ | 近代改修の記録 | ||
Wawel Recovered Wawel Odzyskany |
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2020年に新しく公開されたヴァヴェル城の近代改修に関する展示。1796年、ポーランド分割によってクラクフはオーストリアの占領下となり、城はオーストリア軍の兵舎となった。やがてヴァヴェルは荒廃するが、1880年にオーストリア皇帝が訪問したことを機に “皇帝の居城” として改修することを許される。城と大聖堂の大改修は1914年まで続いた。 |
3つの期間限定スポット
。次に紹介するのは、4月末から9月/10月末のみ見学できる場所となります。.
❼ | ロイヤルガーデン | ||
Royal Gardens Ogrody Królewskie |
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❽ | サンドミエルスカ塔 | ||
Sandomierska Tower Baszta Sandomierska |
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15世紀に新たな要塞として建てられ、かつてはヴァヴェルの丘を囲む壁に接していた。16世紀頃、ポーランド南東部サンドミエシュ周辺の貴族を投獄していたと言い伝えられており、それが名前の由来となっている。137段の階段を上った先に広がるのは、ヴァヴェル城の全貌と城のふもとを流れるヴィスワ川。ヴァヴェルの丘にある絶景スポットの一つである。 | |||
❾ | ドラゴンの洞窟 | ||
Dragon’s den Smocza Jama |
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ポーランド建国前から、ヴァヴェルの丘の地下にはドラゴンが潜んでいるという伝説があった。家畜や少女をさらっては食べていたドラゴンは靴職人スクバによって退治され、以後クラクフには平和が訪れたという。出発地点から狭い階段を降りた先には自然洞窟が広がり、全長270mのうち81mを歩くことができる。出口にある火を吹くドラゴンの大きな彫像が名物。 |
ダ・ヴィンチの名画は移転しました
。2017年5月7日までヴァヴェル城内にはレオナルド・ダ・ヴィンチの作品『白てんを抱く貴婦人』が展示されていました。 。その後はクラクフ国立美術館に移りましたが2019年12月以降、旧市街北のチャルトリスキ美術館で鑑賞することができます。.
各見学スポットの開館時間と料金
。以下の情報は2020年7月時点の公式ホームページの情報に基づいています。 。開館時間や休館日などは統一されていませんが、城が建っているヴァヴェルの丘の入場時間は毎日午前6時から日没までです。ヴァヴェルの丘の開放時間 | |
4月・9月 | 06:00〜19:00 |
5月〜8月 | 06:00〜20:00 |
11月〜2月 | 06:00〜17:00 |
3月・9月 | 06:00〜18:00 |
チケット売り場の営業時間と注意
。オンラインでのチケット購入はできないため、ヴァヴェルの丘に2ヵ所あるチケット売り場でチケットを購入します。 。無料の展示を見学する場合でもチケットは必要であり、またすべてが枚数限定!特にシーズン中は長蛇の列であったり、閉館前に売り切れる可能性があるのでご注意を。
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メインチケット売り場 | ||||
営業時間 | 場所 | |||
月曜日 09:00〜12:15 |
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火曜日〜日曜日 09:00〜16:15 |
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西側にある長いレンガ造りの建物中央部 | ||||
中休み 12:15〜12:45 | ||||
4月〜10月限定 Brama Herbowa | ||||
開館日・時間 | 場所 | |||
月曜日 09:00-15:15 |
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火曜日〜日曜日 09:00〜16:15 |
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旧市街側からヴァヴェルの丘へ上った先 | ||||
中休み 12:15〜12:45 |
※2020年夏期シーズン
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6つの城内常設展示スポット
。少し複雑ですが、各展示スポットの開館時間とチケット料金は4つに分けられます。※記載のない曜日は見学できません
※7歳未満無料、ISICカード保持者は割引料金
❶城の大広間 ❷王族の私室 | ||||
開館日・時間 | 最終入場 | チケット料金 | ||
火曜日〜日曜日 09:30〜17:00 |
16:15 | 25PLN 割引15PLN |
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中休み 13:00〜13:30(❶❷のみ) | ||||
❸国宝と武具の展示 | ||||
開館日・時間 | 最終入場 | チケット料金 | ||
月曜日 09:30-13:00 |
12:15 | 無料 | ||
火曜日〜日曜日 09:30〜17:00 |
16:15 | 25PLN 割引15PLN |
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❹ヴァヴェルの遺構 ❻近代改修の記録 | ||||
開館日・時間 | 最終入場 | チケット料金 | ||
月曜日 09:30〜13:00 |
12:30 | 無料 | ||
❺東洋美術の展示 | ||||
開館日・時間 | 最終入場 | チケット料金 | ||
2020年7月現在、見学不可 |
3つの期間限定スポット
。記事執筆時点の公式ホームページには明確な開放期間の記載はないですが、以前の情報をもとに予想開放期間を記載しています。※記載のない曜日は見学できません
※7歳未満無料、ISICカード保持者は割引料金
❼ロイヤルガーデン | ||||
開館日・時間 | 最終入場 | チケット料金 | ||
月曜日 09:30〜16:00 |
15:30 | 5PLN 割引2PLN |
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火曜日〜日曜日 09:30〜17:00 |
16:30 | |||
開放期間 4月30日〜9月30日(雨の日×) | ||||
❽サンドミエルスカ塔 ❾ドラゴンの洞窟 |
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開館日・時間 | 最終入場 | チケット料金 | ||
月曜日 09:30-16:00 |
15:45 | ❽ 5PLN ❾ 7PLN 両方割引料金なし |
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火曜日〜日曜日 09:30〜17:00 |
16:45 | |||
開放期間 4月30日〜10月31日 ❽のみ10月は雨の降っていない土日のみ |
※2020年夏期シーズン
観光する前に知っておくべきこと
大きな荷物やリュックは事前に預ける
。 大きなリュックや傘、ベビーカーなどは事前に荷物預かり所(マップ)で預けましょう。預け料はチケットを見せると無料。飲食物も城内持ち込み禁止です。
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各展示は共通チケットで見学
。9つ(冬期は6つ)の見学スポットがありますが、複数人で複数の場所を見学してもチケットは1枚。そこに見学開始時間と順番が記載されます。
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城内展示は原則撮影禁止
。特別展示などで撮影が許可されることがありますが、基本的に城内は写真・動画撮影禁止です。スマホ操作も撮影行為と見られ、注意されることがあります。
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隣接する大聖堂と城は別の管轄
。城の隣にはヴァヴェル大聖堂がありますが、大聖堂の見学には別のチケットが必要です。また大聖堂見学のみでは荷物を無料で預けられません。
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トイレは城内見学者のみ無料
。ヴァヴェルの丘にあるトイレは有料(2ズロチ)となっています。城の共通チケットがある場合、チケットのバーコードをスキャンすると無料になります。
※公式ホームページの規約はこちら
ヴァヴェル城のチケット予約代行
。ヴァヴェル城各見学スポットのチケットは枚数限定のため、当日購入では必ずしもチケットを確保できるとは限りません。また、ホリデーやシーズン中は開館直後から長蛇の列に並ばなければいけないことも…。 。そこでお城見学がスムーズにいくよう、私が前もって予約代行いたします。
代行手数料は750円、こちらのページからどうぞお気軽にお申し込みください!
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❶ 見学日3週間前までにお申し込みください。
なお、見学日が 4月30日〜10月31の月曜日となる場合、また無料開放されている日はお申し込みをお受けいたしかねます。
❷ 見学開始時間を指定することはできますが、必ずしも希望通りの時間となるわけではありません。また、展示ごとの時間指定はできません。
❸ 見学日当日、ヴァヴェル城予約デスクにてチケット代金のほかに発行手数料を別途お支払いいただきます(9人までは16PLN)。
ヴァヴェルをガイドいたします
。ここまで読まれたあなたは、ヴァヴェル観光に興味深々ではないでしょうか。私がここに書いたことはほんの一部で、ヴァヴェルには面白い歴史がもっとあります! 。さらに観光が楽しくなるような話、ガイドブックには載っていない魅力を知りたい方はぜひガイドをお申し込みください。
公認ガイドである私がポーランドで最も歴史のある場所を分かりやすく解説します。 。城内に入ってのご案内は致しかねますが、ヴァヴェルの丘と城の歴史や魅力をお伝えし、隣接する大聖堂内部もご案内します (^ ^)
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博物館となった城はワルシャワ王宮とはまた異なり、中世ポーランドの威厳を当時の姿で感じることができます。そして、ポーランドが地図から消えた1世紀以上と第二次世界大戦中、ポーランド人が命をかけて守り抜いた国宝の数々を間近で見ることができるのです。チケットが枚数限定なのもその裏返し。貴重な遺産だからこそ、ゆっくりと見学なさってください。
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綾香さん
ご無沙汰しています。ポーランドめは、大変お世話になりました。
ヴァヴェル城は、1人で夕刻訪れたので、お庭をちょこっと歩いただけでした。この記事を読むと、また行きたくなりました。
ご無沙汰しております!
もうすぐポーランドでお会いして3年くらい経つでしょうか?まだ2年前くらいの感覚ですが、気付けば私も在住6年目を迎えました……(^ ^)
コメントを読んで思い返しましたが、ボナの庭園とは別にキレイな中庭もありますね。パッと見ただけでは、丘の真ん中は緑の芝生ですが、奥のほうはお花が植えてあり整っています。きっと、そこを歩かれたのでしょうね (^ ^)