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大昔から戦争は情報戦でもあり、味方同士の情報共有には暗号が必要不可欠です。第二次世界大戦中、ドイツが使用していた暗号機エニグマを最初に解読したのはポーランド人数学者であり、彼らの存在なしではこの戦争はもっと長引いていたでしょう。
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私が一番好きな映画
ラマヌジャンの生きざまに震えが止まらない
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エニグマの仕組みをザックリ説明
今から約10年前の2014年、映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」が公開されました。それでエニグマを知っている方もいるでしょう。エニグマは1926年よりドイツ軍が採用したスクランブラー(回転板)を用いた暗号機のことです。エニグマはドイツ語で「謎」という意味で、商用と軍用の2バージョンがありました。
どのようにして暗号化するのかザックリ説明すると… まず、ギーボードで文字を打ちます。
とりあえず、一文字だけ、A と打ってみましょう。
そうすると A は、例えば1つ目のスクランブラーでは N、2つ目ではそれが G、3つ目ではそれが F となり、このような感じで往路3回、そしてリフレクターで跳ね返って復路3回の計6回、規則に応じて文字が変換されていきます。最終的には最後のスクランブラーで例えば D になると、D のランプが点灯します。つまり、エニグマによって A は D という文字に変換されたということです。この3枚のスクランブラーはあみだくじのように複雑に繋がっており、文字がスクランブラーを通るごとにそれぞれ回転する仕組みになっています。そうしなければ、常に特定の文字に変換されてしまうためです。
これらのスクランブラー3枚がどう合わさるかによって文字が暗号化されるわけですが、スクランブラーは26回動くと1回転する仕組みになっています。この時点では、変換される暗号は26の3乗で17,576通り。しかしここからさらに、これらスクランブラーを繋いでいるプラグによって自由にスクランブラー3枚を6つのペアで接続することができます。そうすると、エニグマによって暗号化される文字の組み合わせは計100,391,791,500通りになります。こうなると地道に解くのは不可能!
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エニグマを解読したポーランド人
「言語学者が解読していては効率が悪い」ー
そう最初に気付いたのはポーランド人でした。というのも、100年ほど前まで暗号は主に言語学者が解読していたそうです。逆に言うと、第一次世界大戦あたりで使われていた暗号機までは、まだ、数学者が挑むほどのレベルではなかったのです。
しかし1917年ごろ、暗号機にスクランブラーが使用されるようになると暗号が複雑化していきました。そこでポーランド西部の街、ポズナン大学の数学科に暗号解読チームがつくられ、学生らはドイツやソ連が用いる暗号の解読を試みます。
こうしてポーランド陸軍・暗号局BS4課が中心となって数学科の学生とともにドイツの暗号を解くようになりましたが、1928年、いきなり解読できなくなってしまいました。やがて、ドイツがエニグマを使用していることに気付いた暗号局はエニグマの仕組みを調べ、その結果、マリアン・レイェフスキ率いる若手3名の数学者を採用します。彼らはポズナン大学数学科の優秀な卒業生でした。1931年、暗号局はフランスの諜報機関からエニグマの説明書を受け取り(フランスはエニグマの解読にお手上げだった)、数理論に基づいて研究を進め、1932年の大晦日、エニグマの解読に成功します。
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WW2で連合軍を勝利に導く
1933年にヒトラーが政権を握ると、ドイツとの戦争が現実味を帯びていきます。ドイツはエニグマを改良し、ポーランド人数学者らはさらなる解読作業に追われました。そして1938年、ついにポーランドは暗号解読機ボンバ(意味は爆弾)の発明に成功し、その後もドイツが改良を加えるたびボンバを増やしてアップデートしていきます。
1939年9月1日、ドイツは一方的にポーランドとの不可侵条約を破棄し、ポーランドを侵攻。第二次世界大戦の開幕です。しかし、ドイツ軍はまだエニグマが解読されていることに気付いていませんでした。ただ、度重なるエニグマの改良によってボンバを量産する必要があり、もはやドイツとソ連の不当な占領によって亡命政府と化したポーランドには量産に費やす経済的余裕がなかったのです。資金不足のために連合軍に頼らざるを得ませんでした。
こうしてやがて、映画「イミテーション・ゲーム」の主人公であるイギリスの数学者アラン・チューリングがエニグマの解読者として活躍することになります。彼の協力なしにエニグマの解読を継続することは不可能でしたが、それを可能にしたのはポーランド人数学者らが発見した解析技術とボンバの詳細情報の共有によるところが大きかったのは言うまでもありません。そして1945年、連合軍の勝利によって第二次世界大戦は終結しましたが、もしエニグマの解読が出来ていなかった場合、この戦争は1948年頃まで続いていたとも言われています。
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エニグマを題材にした映画
でもポーランドの功績をあえて隠してる感じ…
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天文学的数字のパターンがあるという、フランスさえお手上げだったエニグマを解読したのはマリアン・レイェフスキ率いるポーランド人数学者たち。戦争が始まり、ポーランドが不当に占領されてもしばらくはポーランドが解読していましたが、やがて連合軍の力に頼らざるをなくなり、すっかりこれがイギリスの手柄のようになってしまったのがモヤモヤです。ちなみにポーランド軍は、1920年代から1945年まで日本軍に対して暗号解読技術を教えるなどして日本における暗号水準も大幅に向上させました!
凄く驚き!勉強になりました。
しかし、イギリスはどこでも立ち回りが上手いようですね。
お久しぶりです!読んでくださって嬉しいです (^ ^) クラクフでのご案内でいっしょにナレシニキ(甘いクレープ)を食べた青木さんですよね? 最近、数ヶ月ぶりにナレシニキを食べました〜!
イギリス、本当に立ち回りが上手いと思います…。亡命政府といえ、ポーランドは連合軍とともにずっと戦いましたからね。