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はじめは苦労して覚えた曜日や月の読み方。
もう今はスラスラと言えるのですが、そうなると、今度はふと由来が気になってきました。
日本語でのそれは単純で、とても分かりやすく、疑問に思うことはありませんよね。
でもポーランド語の場合、すべての月にそれぞれの意味が込められているのがとても面白い!
当記事を書きながらも、私も学びがたくさんあったので、ぜひ皆さんにもシェアさせてください。
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なぜ一週間は7日間なの?
その前にちょっとした余談ですが、そもそもなぜ一週間が7日間かご存知でしょうか?
それは、キリスト教徒やユダヤ教徒の読む旧約聖書「天地創造」によると、神は6日間かけて天地を創造し、7日目に休まれたからです。
そして、その7日目は神によって祝福された日であり、この日を安息日とするよう定めました。
現在のキリスト教ではそれが日曜日であり、その前身となったユダヤ教では金曜日の日没から土曜日の日没にかけての一日が安息日です。
しかしこれは一説によるもので、約30日ある月の満ち欠けを基準にしたとか、古代バビロニアの暦が元になっているとか、諸説あります。
曜日の名前は、宗教や文明と密接に関わります。
ポーランドでは一部にキリスト教文化に影響を受けた読み方が見られますが、古代に多くの神々を崇拝していた国では曜日を天体に当てはめた呼び方をします(日本もそのひとつですね)。
曜日の読み方の由来
ポーランド語を学習している方にとっては、新たな気付きがあるかもしれません。
私も学習しはじめた頃にこれらを知っていれば、もうちょっと楽に覚えられたと思います…。
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。単純に、ニェヂェラ(日曜日)の後だからポニェヂャエクになります。
。ポーランド語で「po」は「後」という意味の前置詞になりますが、そこで「po niedziela(日曜日のあと)」を合体させて、さらに接尾辞 -ek を付けることでポニェヂャエクになったのでしょう。
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。一週間の2番目の週にあたるため、フトレックといいます。
。ポーランド語で「第2の/2番目」は「wtórny(フトゥルネ)」といい、これに接尾辞 -ek を付けた呼び方です。
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。ポーランド語で「真ん中」は「środek(シロデク)」といい、水曜日は一週間の真ん中なのでシロダといいます。
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。一週間の4番目の週にあたるため、チュファルテクといいます。
。ポーランド語で「4」は「cztery(チュテレ)」といい、これに接尾辞 -ek を付けて「チュファルテク」になります。
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。木曜日につづき、一週間の5番目の週にあたるため、ピオンテクといいます。
。ポーランド語で「5」は「pięć(ピエンチ)」といい、これに接尾辞 -ek を付けて「ピオンテク」になります。
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。ソボタはヘブライ語の「szabbāth」、つまりユダヤ教の安息日を意味する「シャバット」が由来となっています。
。ちなみにイタリア語では「sabbato」、フランス語では「samedi」、スペイン語では「sábado」と言いますが、やはりこれらも「シャバット」から来ています。
。土曜日だけが、唯一借用語となります。
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。ポーランド語は西スラブ語に属しますが、ニェヂェラはスラブ語「ne dělati」が由来になっています。
。これは「働かない」という意味になり、日曜日は仕事をしないことを指します。
。ポーランド語で「(機械などが)働かない=機能しない」は「ニェ ヂャワ」と言いますが、なんとなく語感も似ていますね。
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月の読み方の由来
日本語のように、1〜12を当てはめるだけの言い方はシンプルすぎるように思います。
一応、和風月名もありますが、それらをすべてスラスラ言える人は少ないのではないでしょうか。
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。これは「stykać(ステカチ)=出会う、隣り合う」に由来し、前年と新年の月が隣り合うことからそう名付けられました。
。この単語は滅多に聞かないですが、そういえば「会う」は「spotykać(スポテカチ)」というので語源がいっしょです。
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。昔のポーランド語で「ルテム」は「不吉、寒い、不快」という否定的な意味で、実際にこの月のイメージにぴったりです。
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。英語での3月もいっしょですが、これはローマ神話の戦いの神、マルス/マルティウスが語源となっています。
。ちなみに火星もこのマルスが語源でマーズ(英語)といい、3月は火星が一年の中で最も明るく輝く月でもあります。
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。ポーランド語で「kwitnące kwiaty(クフィトノンツェ クフィアテ)」は「花が咲く 」と言い、開花が語源です。
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。ローマの豊穣の女神、マイアが由来。
。ちなみに労働祭/メーデー(5月1日)の起源は、その日がマイアの祭日であり、供物が捧げられたことにあります。
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。昆虫のカイガラムシが語源となります。
。カイガラムシをポーランド語で「czerwce(チェルフツェ)」といい、6月になるとこのカイガラムシのサナギが集められ、天日干しすることによって赤色を抽出していたことに由来します。
。現在でも、カイガラムシは着色料(コチニール色素)として広く使われています。
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。ライムツリーとも言われるシナノキ(ポーランド語で「リパ」)が7月に開花することから、リピエツと名付けられました。
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。昔はシジュピェニ(Sirzpień)と呼ばれていて、これが変化した呼び名です。
。元々の語源は「シェルプ(sierp)=鎌」であり、この時期に農民たちが鎌を使って穀物を収穫していたことに由来します。
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。この時期にギョリュウモドキ (ヘザー)が咲くことから、そう名付けられました。
。ポーランド語でギョリュウモドキは「wrzos(ヴジョス)」といい、少し珍しく、山以外ではなかなか見かけません。
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。語源は「麻幹(おがら)」を意味する「パジヂェジュ(paździerz)」です。
。麻幹とは皮を剥いだ麻の茎のことで、民家の屋根材として使われていました。
。日本でも屋根材に使われ、お盆の迎え火や送り火で麻幹を焚く風習があります。
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。リストパドはこの時期に葉が落ちることを指し、ポーランド語で「葉」は「リシチ(liść)」、「落ちる」は「パダチ(padać)」 といいます。
。昔、「葉」は「リスト」と呼ばれていましたが、これらのワードがくっついて、リストパドと呼ばれるようになりました。
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。語源は「グルダ(gruda)」、雪で地面が覆われた「凍った土地」を意味します。
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以上、ポーランド語学習者はもちろん、学習者以外の方でも興味深いと感じられたはずです。
こういったことは意外とポーランド人でも知らなかったりするので、ポーランド語が話せる方は教えてあげるといいかもしれませんね (*^o^*)
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wywodzić się
wywodzić się(ヴェヴォヂチ シェン)は「〜に由来する」という意味の動詞です。
例えば、「土曜日はヘブライ語のシャバットに由来する」は “Słowo sobota wywodzi się z hebrajskiego wyrazu szabbāth(スウォヴォ ソボタ ヴェヴォヂ シェン ズィ ヘブライスキェゴ ヴェラズ シャバット)” と言います。
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はじめまして。
夏にポーランド旅行に行く事が決まっている者です。
月や曜日の表現に深い意味があったのはとても驚きました。
旅行は三週間ポーランドだけ滞在で、往復ポーランド航空と言う、まさにポーランドオンリーの旅ですが、ツアーではなく、旅慣れていないのでとても不安で心配です。
アウシュビッツへ行くか行かないか考え中でこちらに出会いました。若い方なのに、いろいろ深く考えておられるのには感心しました。
このサイトで勉強したいと思います。よろしくお願いします。
マル子さん
はじめまして、管理人の綾香です。
夏にポーランドへお越しになるとのこと、今から情報集めをしておけば余裕をもって計画を立てることができるでしょう。
日程にもかなり余裕がありますので、存分にポーランドを楽しめると思います。
どこへ行くか行かないか、これは個人の自由ではありますが、迷われるくらいであれば時間の許す限り吟味してみてください。
夏のポーランド旅行が少しでも有意義なものとなるよう、当ブログがお役に立てれば幸いです。
あやかさん、有難うございます。
アウシュビッツ、オシフィェンチム行は、もう二三日中に決めないといけないので、迷っています。今回の旅行は私ども日本人夫婦と友人のポーランド人夫妻と四人の車の旅でして(それ自体が実は心配。途中で喧嘩しないかとか事故とか)、スケジュールはもう決まっております。アウシュビッツ、オシフィェンチムも早く予約しないとなくなりそうなので。
アウシュビッツ行を反対しているのはポーランド人達でして、ポーランド人夫婦の内、奥さんは行かないと言います。なので、それぞれの夫二人がアウシュビッツへ行き、奥さんと私の二人はクラクフ街歩きをしたらよいと言われています。クラクフ滞在は二日間で一つはそれでもう一つはヴィエリチカなので、町を観光する時間がないのです。
在日ポーランド人の友人も「オシフィェンチムへ行ったらしばらくは気が滅入るからやめなさい」と言っています。でもあなたの記事を読んで行かないといけないと思っています。また、その人は一週間ポーランドにいると、日本と違うので消化器がおかしくなると言っています。(日本人と結婚して日本食に慣れているその人は、帰国すると胃が悪くなるんだそうです)などなどいろいろ言われて、バタバタしているところです。まだこちらの記事を全部読んでいないので、じっくり参考にさせていただきますね。本当にありがたいです。
あやかさん、アウシュヴィッツ、オシフィェンチムへ私も行く事になりました。
ポーランド人の友人が団体コース(個人で行くので)を申し込んでくれました。
時間厳守で集合時間に遅れると、中に入ることも出来ないそうですね。
クラクフ市内観光は、レジャイスクへ向かう時に、少し時間があると分かりました。
また、あやかさんの記事でポズナンやグニェズノのことが書かれていたのを読んでとても助かっています。プシブロジンとポズナニ合わせて、八連泊しますので、そこからグニェズノも足を伸ばす予定です。ポーランドの最初の首都、由緒ある街なのですね。
初めてのポーランド旅行、楽しんできます。
ありがとうございました。
マル子さん
アウシュヴィッツへ行かれると決断されたとのこと、私の記事も背中を押してのことであれば一生懸命書いた甲斐があります。
ポーランド人のご友人も良かれと思ってアドバイスされたのかもしれませんが、マル子さんご夫婦にとってはそうそうないポーランド旅行ですし、お二人が納得するかたちで進めるのが一番よいでしょう。
また、いろんなポーランドの街を周られるようで、きっと忙しいスケジュールながらも濃い一日を過ごされるのだと思います。
引き続きブログを参考にしていただき、ご友人とともに特別な時間を楽しんでください。