必読!ポーランド旅行で知っておくべきこと

ポーランド語アルファベットと発音の基本|全36音を押さえればすぐ読める

ポーランド語のアルファベット
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クラクフ市公認ガイドのカスプシュイック綾香(本名)です。2014年以降、ポーランド在住。ガイド・通訳業の傍ら、旅行や生活に欠かせないポーランド情報をお届け中!
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ウクライナ支援活動のご報告
ルワンダの教育支援団体設立

 

じっくり読んで学ぼう

 

夫ピオトル
ポーランド語は、英語と同じようにラテン文字(ABC…のアルファベット)で構成される言語だよ。全部で32文字!
あやか
英語は26文字。6文字余分にあるけど、アルファベットにちょっと印を付けただけものだからすぐに覚えられるはず♪
夫ピオトル
じゃあ、下のポーランド語のアルファベットを見てみよう。赤いところはポーランド語の特殊アルファベットだよ。
ポーランド語の基本知識
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ポーランド語のアルファベット
A
a
Ąオン
ą
B
b
Cツェ
c
Ć
ć
D
d
E
e
Ęエン
ę
Fエフ
f
Gギェ
g
H
h
I
i
Jヨット
j
K
k
Lエル
l
Łエウ
ł
Mエム
m
Nエヌ
n
Ń
ń
O
o
Ó
ó
P
p
R
r
Sエス
s
Ś
ś
T
t
U
u
W
w
Yイグレク
y
Z
z
Ź
ź
Żジュ
ż

 ポーランド語には q/v/x のアルファベットがありません。q/v/x が含まれる外来語は kw/w/ks に置き換えられることが多いです。
例:quartz→kwarc, video→wideo, extra→ekstra, xero→ksero, text→tekst など

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夫ピオトル
ポーランド語の特殊アルファベットは全部で9文字。アルファベット順に挙げると ąオンćęエンłエウńóśźżジュ だね。
あやか
ąオンęエン のしっぽはオゴネック、ćńóśź の上にあるチョンはクレスカ、żジュ の点はクロプカと呼ぶので覚えておくと◎。
夫ピオトル
読み方は基本的にローマ字感覚でOK。子音だけの音は難しいけど、練習あるのみ!ほか、2つ1セットの音が7つあるよ。
実際に声に出して
基本の32の音の単語をチェック
a ananasアナナス(パイナップル)
ąオン kąpielコンピェル(入浴)
b bajkaバイカ(おとぎ話)
cツェ ciociaチョチャ(叔母)
ć ćwiczeniaチフィチェニャ(エクササイズ)
d dlaczegoドラチェゴ(なぜ)
e problemプロブレム(問題)
ęエン rękawiczkiレンカヴィチュキ(手袋)
fエフ farbaファルバ(塗料)
gギェ grejpfrutグレイプフルト(グレープフルーツ)
h herbataヘルバタ(紅茶)
i listリスト(手紙)
jヨット jogurtヨグルト(ヨーグルト)
k kotコト(猫)
lエル lalkaラルカ(人形)
łエウ łatwoワトフォ(かんたん)
mエム morelaモレラ(アンズ)
nエヌ notatekノタテク(ノート)
ńエニ końコニ(馬)
oエヌ obiadオビアド(ディナー)
ó skóraスクラ(皮ふ/皮)
p papierパピエル(紙)
r kremクレム(クリーム)
sエス sokソク(ジュース)
ś światシフィアト(世界)
t tablicaタブリツァ(黒板)
u truskawkaトゥルスカフカ(イチゴ)
w kawaカヴァ(コーヒー)
yイグレク azjatyckiアジヤテツキ(アジアの)
z zimaジマ(冬)
ź źrebakジレバク(若馬)
żジュ żakietジャキェト(ジャケット)
2文字1セットの7音(要暗記)
ch dachダフ(屋根)
czチュ czekoladaチェコラダ(チョコレート)
dz dziennikヂェヌニク(日記)
wiedźmaヴィエヂマ(魔女)
ヂュ dżamヂャム(ジャム)
rzジュ rzeczopospolitaジェチョポスポリタ(共和国)
szシュ szamponシャンポン(シャンプー)

 ポーランド語の母音は a/e/y/i/o/ą/ę/u・ó の8つ。u・ó はどちらも同じ「ウ」の音となり、発音方法もまったく同じです。
 łエウ は日本語のローマ字でいう w の音になり、łałeウェłyウィłoウォ…といったように読みます。

全39個だが3文字は同じ発音なので音韻は36音
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夫ピオトル
こうしてまとめるとボリュームあるね〜。最後に、śsihuch のような似ている音同士のちがいを説明するよ。
あやか
それぞれちゃんと発音できることに越したことはないけど、文脈から分かってもらえることもあるから気楽に読んでね!
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ćci, ńni, śsi, źzi

 母音である ó を除き、クレスカ(上のチョン)は i の音を表します。よって、ćci も似たような音ですが、日本人がふつうに「チ」と発音すると i の音がハッキリ聞こえるので ci となります。ć は子音なので i の音は強く発音せず、「チ」を素早く切ったような音に聞こえるでしょう。
 また、クレスカのつくアルファベットのあとに母音が来ることはありません。その場合、cini といった表記になります。これを知っていると、書き取りで役立つことがあるので覚えておくと◎。

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cieチェceツェczeチェ

 cieチェ は日本語の「チェ」の音に近く、ceツェ は「ツ」の音を意識して発音すればOK。czeチェ もカタカナだと cieチェ と同表記になりますが、こちらもポーランド人の耳には “czeチェ” と聞こえることもあるようです。仮にちがう音に聞こえたとしても、音の並びや文脈から意味を理解できることがほとんど。音声学的には c は ts、cz は tʃˠ となります。

ポーランド語の具体的な発音方法
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hu=ch, u=ó

 huch も同じ「フ」の音であり、hichi も同様です。uó も同じ「ウ」の音で、ó はスラブ語起源(現代では区別しない)。また、u は “u otwartyオトファルテ“(開いたウ)、ó は “u zamknięteザムクニェンテ“(閉じたウ)と呼ばれています。それぞれどちらをつづるかは単語ごとに暗記するしかありません。

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żジュ=rzジュヂュ

 żジュrzジュ はまったく同じ「ジュ」の音ですが、ヂュżジュ=rzジュ はそれぞれ異なる音です。ヂュczチュ の濁音(有声音)です。日本人がふつうに「ジュ」と ヂュ のほうに聞こえます。żジュ=rzジュ は sz の濁音なので、まず sz の音をつかまなければなりません。

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lr

 l は上の歯茎に舌先を付けて「ル」、r は舌をどこにも付けず発音します。私は r を発音するとき、下の歯茎の辺りを舌で弾くようにして発音しますが、これでも r の音になるので問題ありません。

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ź

  は日本語「ジ/ヂ(どちらも同じ音)」に非常に近い音、ź は舌先を上の歯茎に付けて「ジ」と発音します。日本語の「ジ」には d の音が入っているので日本人がふつうに「ザジズゼゾ」と言うと dzadzidzu…と聞こえるようです。

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sięシェンszęシェン

 sięシェン は日本語の「シェン」に近い音となり、szęシェン を発音するときは sięシェン のように「シ」の音をハッキリ出さないのがコツ。日本人が “proszęプロシェン“(どうぞ)と言うとポーランド人には “prosięプロシェン“(子豚)に聞こえます。「どうぞ」と言うシーンで「子豚」と捉える人はまずいないと思いますが、くれぐれも “proszęプロシェン“(どうぞ)と言うときに「シ」の音を強く出さないように意識しましょう。

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ijy

 iy は母音、j は子音です。ij の発音はほとんど同じなので両方日本語の「イ」と見なしてもよいでしょう。y は「ウ」に近い「イ」の音ですが、音の並びで日本人には「エ」と聞こえることも。男性形容詞語尾 -ny の音は「ヌィ」と発音すると、中性形容詞語尾 –ne と区別できます。ただし、「ヌィ」という音表記そのものは日本語で表すことのできる範囲の “ny” に近い音であって、発音のしかたによっては “nui” 聞こえてしまうようです。

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bw

 b は日本語の「ブ」と同じ音、w は上の歯で下唇を軽く噛むようにして(ただし歯は見せないようにする)「ブ」と発音します。日本人がこの2つの音を聞き分けるのはやや難しいですが、それぞれを区別して発音するのはかんたんです。

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ちょっと、つぶやいていい?
アイコン 日本語は子音だけを “意識して” 発音することがないので、子音を発音するところでつまづき・・・・やすいです。ポーランド語に限らず、英語や他の言語でもそう。でも文脈や前後の音から言いたいことは理解してもらえることがほとんどなので、最初から完ぺきを目指す必要はありません!
 
 それと、ポーランド語単語には拗音(きぇ/にぇ/ちぇ…など)が結構出てきます。拗音が多いと軟らかい響きになり、言語がより美しく聞こえます。名詞の性や格変化などで語尾の音に一定の規則があるため、ポーランド語をひたすら聞くのもオススメ。なにを言っているのか分からなくても、よく聞いている「オン-エン」の音が多いとか気付きがあるでしょう

ポーランド語 発音の基本
ポーランド語の具体的な発音方法
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あやか
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16件のコメント

柳田優 より:

質問です。
1. アルファベットの発音の箇所で、nの例がsokなのはどうしてですか? 
2. ロシア語の「アルファベットの歌」を聞いたことがありますが、ポーランドの子供たちも「アルファベットの歌」を歌いますか?

ポーランドなび管理人 綾香 より:

優さん

一つ目のご質問についてですが、これは私のミスでした!ご指摘ありがとうございます。
修正しましたので、ご確認ください。
二つ目のご質問ですが、こちらにも「アルファベットの歌」はあります。”アーベーツェーデー…♪”という風に続きますが、ポーランド語には特殊アルファベットがあるので、その辺りに注目しながらこちら(https://m.youtube.com/watch?v=jAu8z8Rp1kM)の動画をご覧ください ^ ^

柳田優 より:

ありがとうございます。ポーランド語のABCの歌の動画は面白いなあ。どうしてオゴネクを全部無視してクレスカは ź だけが入っているのかな?全部で26文字になっていますよね。メロディーに合わすという理由ではなくて、何かはっきりとした理由があるのでしょうか?

ポーランドなび管理人 綾香 より:

日本では英語版のものをそのまま歌うので、こういう特殊アルファベットや英語とは違う発音を持つ国の”ABCのうた”は面白いですよね!
無視している特殊アルファベットがあるのは、あまり意味深い理由ではないと思います。それを家族に聞いてみると、「ドイツ語やフランス語のだって全部は入れてないよ」と言っていたので、メロディーに合わせていると単純に考えていいと思いますよ (^ ^)

柳田優 より:

そうですね。考え過ぎでした。そういえば日本語だって五十音なんていいますが、[ぱ]や[ば]や[っ]とかは文字としては補助的にしか考えてませんよね。

kazuwox より:

まさしく...
先日業務渡航でクラクフに行く機会があり,一言くらい現地語を覚えようと,ポーランド人同僚に現地語のPlease発音してもらって耳で確認した後,実際に発音してみたところ大笑いされました.やはり「子豚」に聞こえたみたいです.(後で指摘されました)..音声的にも難しいし,あの言語は到底習得出来そうにありません...

Ayaka より:

kazuwox さん

日本人の発音だと「こぶた」になってしまうのは仕方ないですよね…!
ポーランド語の読み方自体はそんなに難しくないのですが、発音は確かに苦労するところかもしれません。
それにしても大笑いとは…!
失礼ですねぇ (- -)

kazuwox より:

またしてもこんにちは。2年半ぶりくらいでポーランドに来ました。現地のAndrzej さんとの行動が多いので、ちゃんと呼びかけたいのですが、日本人には アンドレィみたいに聞こえます。これであってますか?

Ayaka より:

Kazuwox さん
ポーランドで Andrzej さんはとてもよく見かける名前ですね。ポーランド語発音では「アンジェイ」となり、個人的には「アンドレィ」には聞こえません。
ただ後者で発音してもちゃんと反応はしてくれるでしょう。

kazuwox より:

早速の回答、ありがとうございます。私も アンジェイ かなと思ってたのですが、間違うと失礼かも、と事前に確認させてもらいました。今日、アンジェイ で話しかけてみますね。

tombo より:

Ayakaさん、こんにちは。教えてください。ワルシャワ旧市街地広場にU FukieraとかU Barssaというレストランがありますが、この場合のUはどんな意味でしょうか。

管理人の綾香です。
ポーランド語の “u” は英語でいう “at one’s place” といったニュアンスです。
私自身もふだんよく使う前置詞ですが、例えば “U babci” だと「おばあちゃんの家に/で」といった意味です。

Necoze より:

こんにちは!
フレデリック・ショパンが好きで、そこからポーランドも好きになり、こちらのサイトで少しずつポーランドの文字の勉強を始めている者です。発音など、大変わかりやすくまとめていただきありがとうございます!

さて、ショパンに関する英語の本を読んでいたら、CZYM BOHAT, TYM RAD という言葉が引用されていたのですが、これはポーランド語なのでしょうか?
もしそうでしたら、このページのとおり、「チュイム ボハトゥ トゥィム ラド」と読むのでしょうか?
また、もし意味などもご存知でしたら、教えていただけますと幸甚です。

こんにちは、Necozeさん。
当ブログ運営者の綾香です。コメントありがとうございます😊
ショパンをきっかけに、ポーランド語にも興味を持ってもらえて嬉しいです。日本語でもある程度ショパンに関する本は出版されていますが、英語だとその倍以上はありそうですね〜!

CZYM BOHAT, TYM RAD の読み方はだいたい合っていますよ。どう日本語音に直すかは人によって少し違うと思うのですが、「チュィム・ボハトゥ・テム・ラドゥ」が本来の発音に近いかと思います。CZYM は「チェム」、TYM は「ティム」でも。英語をお読みならお分かりかもしれませんが、ふつうに「ム」と言うと、ポーランド人には MU に聞こえるので強く発音しすぎないのがコツです。T と D もそれぞれ「ト」「ド」で表してもいいのですが、その通りに読むとやはり TO・DO に聞こえてしまうようです。
言葉の意味ですが、「?」です (^ ^;) ポーランド人の夫も分からないと言っていました。古いポーランド語だと思われるのと、BOHAT という言葉を聞いたことがないそうです。ただ、RAD は「幸せ」という意味なので、「もっと幸せだろうなぁ」というニュアンスが感じられます。それ以上のことはこの短い文からは分かりません。
個人的には、BCHAT は bohaterów(ボハテルフ、英雄・活躍した人) と関係がある語かと思います。「活躍できたらもっと幸せだったなぁ」とか、ひょっとしたらそういう意味なのかもしれません。

Necoze より:

大変分かりやすく解説していただき、ありがとうございます!
発音も納得しました!Yの発音は難しいです・・・!

この言葉は昔の言葉かもしれないのですね!
なお、文脈的には、家を訪ねて来た客人をもてなすときに、「どうかいたらぬ点をおゆるしください。いまお出ししているものが、私の粗末な富のすべてでございます。」というニュアンスで使われる短い言葉として紹介されていました。
ですので、綾香さまのコメントを拝見し、もしかすると「もっと(あなたという)英雄にふさわしければ、よかったのですが。」というような意味なのかな、とも思いました!
国は違えど、日本語の「粗末なものですが」とか「つまらないものですが」とかにも通ずるような謙遜で、面白いですね!

お役に立ったようで何よりです🙂
短文の詳細も教えていただきありがとうございます。今はあまり使わない古い言葉だとしても、こうして色々と考えてみるのも面白いですね。たまにこちらの諺や言い回しで日本の表現と似ているものがあり(そういった言葉は英語にもありますが)、やはりどの国に住んでいても同じ感覚を持つ人間なんだな、と感じます。
私も勉強になりました!

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