難民騒動 レイシストと言われようが国は守るべき



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日本に住んでいた頃によく聞いた国際関係のニュースといえば、もっぱらアメリカや中国、韓国・北朝鮮の話題。

しかし今ではテロ/難民問題でヨーロッパのネガティブな情勢も報道されていると思います(日本のテレビ報道は長く見ていません)。その影響もあってヨーロッパは旅行先として避けられるようになりました。それ以前は「東南アジアに行く」というより「ヨーロッパに行く」と言った方が華やかに聞こえ、漠然とした憧れを抱いたものです。

実際に訪れたマイナーなヨーロッパ

実際に訪れたマイナーなヨーロッパ

数年前はイギリスに1年住んでおりヨーロッパ諸国はこれまでに25ヵ国以上訪れた私ですが、最後あたりは「西欧らへんって治安悪いなぁ」とコソボやマケドニア、アルバニア、グルジア、アゼルバイジャン…など日本人にマイナーな国を旅先として選ぶようになりました。

人によってはこれらの国の方が怖そうに感じられるかもしれませんが、イタリアなどと比べればよっぽど平穏だったと思います。それも過激派がどうと騒がれる前の話。今思えば、この “ヨーロッパの治安の悪い国” は「移民・差別」という言葉に敏感な国でした。

 

そしてここ、私の住むポーランド。

最近の難民問題で、差別という言葉に敏感になってきている国の1つです。

 

ALJAZEERA より引用

ALJAZEERA より引用

ポーランドはどちらかと言うと西のヨーロッパ諸国からの差別に長く苦しんできた国です。実は白人も白人同士で劣等をつけて差別をしているのですが、その中でも東欧に住むスラブ人たち(ポーランド人含む)は白人の中でも1番下に見られているのが現状。特にドイツは戦時中、ポーランド人を劣等人種だとして何十万人、何百万人も虐殺しました。私は、ドイツのこの残虐性は非人道的すぎて逆に仕組まれたものじゃないかなぁと思っているのですが、虐殺云々を抜きにしてもドイツを始めとする西欧諸国がポーランドや周辺の東欧を見下してきたのは言うまでもありません

しかし、最近のシリア難民受け入れ問題がでてきから今度は「ポーランドは人種差別をしている、外国人嫌いだ」と言われるようになってしまいました。

それは、”ウクライナ難民(ポーランド人と同じ人種)を受け入れたのに、シリア難民は受け入れない” という差別や外国人嫌いとも捉えられるポーランドの言動や行動にあります。ウクライナから多くの難民がポーランドに押し寄せたとき、ポーランドは難民として彼らを受け入れました。そのため「なぜシリア難民を受け入れないのか」と欧州の各国から非難の嵐にあっています。キリスト教のシリア難民なら受け入れると言っているので、ポーランドは外国人嫌いだということはありませんが。

ではなぜ、ポーランドはシリア難民を受け入れたくないのでしょうか。

 

MIddle East Eye より引用

MIddle East Eye より引用

それは、仮に大勢のシリア難民や中東からの移民を受け入れて、そのうち1%以下でも過激派がいたらもうその国はアウトだから。そしてもう一つ、はっきり言って経済的な問題より、文化の違いの問題で受け入れたくないというのがポーランドの本音でしょう。そもそも既にイスラム化したドイツやフランスとは違って、イスラム系の人がゼロに近いようなカトリックの国にシリア難民を受け入れさせることが間違っているんです。

例え話をしましょう。

あなた(日本人)がホームステイの受け入れをしていたとして、「イスラム教の学生を半年間受け入れてください」と言われたらあなたは「はい、もちろん」と言えますか?ご存知の通り、イスラム教徒は豚肉を食べませんし、他の肉もイスラム教の教えに従って屠殺したものでないといけません。ラマダンという断食の習慣もあり、アルコールの入ったお菓子も食べられません。これは大変そうです。もし同じ条件で、似たような習慣や宗教の考えを持つアジア人を受け入れられるのならば、そのアジア人の方を引き受けるのではないでしょうか。

でもそのような文化や習慣の違いを超えて、西欧ではたくさんの難民や移民を受け入れている…そうですね。

今や移民国家である西欧やスウェーデンが移民とうまく共存しているのなら、ポーランドはただの外国人嫌いで異文化との溶け込みを恐れている臆病者かもしれません。しかしヨーロッパの移民国家が暴動の温床でありテロの標的となって悩まされているのを見て、誰が進んで「じゃあ受け入れます」なんて気軽に言えるのでしょうか。

ドイツのムスリムによる暴動

ドイツの難民による暴動

それともそのリスクを背負って、ポーランドや東欧、ヨーロッパ全体が悩めばいいということなのでしょうか。

上の写真は今年の8月、ドイツの移民センターで難民が起こした暴動のようすです。このような暴動は今回の難民受入れに始まったことではありませんが、摩擦が生じた結果がこれ。皆さんはこういったことが日常的に起こっている欧州の現状をどう思いますか?

勘違いしてほしくないのは私はイスラム教やムスリムの人々を毛嫌いしているわけではないということ。私にもイスラム教徒の友人はいますし、みんな明るくて優しい子です。彼らの意見はなるべく尊重したいです。ただ、友達としての付き合いと難民や移民として生活を共にしながら付き合うのはまったくレベルがちがう話だということを分かってください。

聖書を持っているだけで死刑のサウジアラビアはごく極端な例かもしれませんが、イスラム教には改宗や棄教した者は死刑という掟があります。ここからも分かるように、彼らの宗教文化は絶対的に譲れないところがある、これが問題なんです。でもそれがイスラム教の宗教文化と価値観であり、そこに関してはとやかく攻撃すべきではありません。しかし、欧州に来る彼ら自身がその国の文化に合わせて生活することが出来ないのならば、最初から受け入れない方がいいでしょう。もっとも、ムスリムの地区まで作れる程に移民に合わすことができ、”イスラム教の人々が嫌な思いをするから” ロザリオは身につけないなど自文化(キリスト教)を捨ててまで他宗教を受け入れる覚悟があるならば素晴らしいことですが(現在のフランス)、ポーランドにはそこまでして移民を受け入れる「寛容さ」はありません

ただポーランドは自文化を守るため、西欧のようにならないために難民や移民の受け入れに積極的ではないのです。

ある時、夫が「ポーランドはずっとこのままでいい。金持ちになるとみんな神様のことを忘れる。でも貧しい人は神様に従って生きるから大きな間違いは犯さない。」と言っていたのですが、私はその考えにすごく納得できました。今、裕福な欧州諸国はキリスト教という自文化を捨て、神様を忘れてしまっています。キリスト教がどうこうの問題ではありません。彼らは自分たちの国を築き上げてきた文化を尊重しなくなったのです。

 

これは差別?

これは差別?

ところで同じ宗教の人だけ受け入れる、というのは差別と捉えられがちですが、これは本当にそうでしょうか。ムスリムをカトリックの国に住ませること自体がお互いに酷だと思いませんか?

先ほどのホームステイの例で言うならば、イスラム教徒の学生を受け入れたあなたは「ああ、料理くらい自分で作ってよ」と日に日に思いながらも契約では夕食込みとなっているので今さら変更も出来ず、受け入れてもらっている方も「申し訳ないな、気まずいな」と肩身の狭い思いをする、これがお互いの酷なところです。それがもし国家レベルの受入れとなれば、どれだけの摩擦が生じるか…。食べ物どころの違いでは済みません。

ムスリムとカトリックの考えは同じではなく、生活、共存していく上ではほとんどが相容れるものではないのです。本当は周辺のお金持ちなイスラム系中東諸国が受け入れればいいんですけど…。

そして実は今回の騒動の問題点は、命がけで逃げてきた難民もいれば、これを機会にヨーロッパで暮らそうと難民のふりをした移民が大勢いることにあります。多くの難民が経済的にヨーロッパに来ることすら出来ない中、後者が半分以上を占めるのではないかと言われているほど。なぜなら今回難民としてやってきた人々は72%が男性であり、本来難民として来るべきである女性や子ども、老人が圧倒的に少ないのです。ポーランドが最も懸念しているのはこの男性が多い点。この時点で「難民」とは言い難く、また若い男性が多く来るということは、後から家族を呼び寄せることが目的だと考えられます。なので、今何万人と難民を受け入れることは将来的にその倍以上の難民を受け入れるといっているのと同じこと。また、逃げてきた人たちの多くが働かずにお金だけをもらって暮らそうとしていることも否めません。

実はポーランドは、ドイツが難民受け入れを表立って言い出す前にシリア難民を何千人と試験的に受け入れていました。ポイントなのは、この時に受け入れられた難民はポーランド政府によって選ばれた人たちだということ。

「彼らなら大丈夫だろう」と。

しかし実際は、職も家もお金も教育も医療福祉も生活する上で必要不可欠なものはすべて与えたというのにほとんどの難民がドイツに逃げたんです。ドイツなら働かなくてもお金がもらえるから。しかもポーランドに来た翌日にドイツへ逃げ出す人までいました。選ばれた難民ですら逃げるというのに、どうして無造作に難民や移民を受け入れて無理矢理ポーランドに押し込んだところでコトがまるくおさまるでしょうか。むしろ「ポーランドなんかに住みたくない!ドイツに行かせろ!」と暴動を起こしそうな気がします。それとやはり1番の問題は、ヨーロッパに移動してくる人のほとんどが自称難民で実際は移民希望者だということ。正確に言えば、ポーランドは移民を受け入れたくないのです。

では、ポーランドは誰も受け入れようともせずただ傍観したいだけなのか?

いいえ、そんなことはありません。ポーランドとしては、「シリアの人々は欧州に逃げていてもしょうがない。女性や子どもは避難させ、男性はできれば現地に残って国を守る為に戦うべきだ。もし戦うというのなら軍を支援するし、武器を製造する経済的援助もする。」と言っています。一見、ドイツの発言と比べるとなんだか冷たいような、暴力的な発言にも聞こえますが、果たしてそうでしょうか。よく考えてみてください。

現地では戦争が起こっている。
現地の人々は皆欧州へ逃げる。
現地は敵に支配されやすい状態になる。
敵は支配できる領土を確実に増やし、次の地(欧州やアジア)へ向かう。

いかに「難民は全員受け入れる」という考えが根本的に何の解決にもなっていないことが分かります。現地の人が戦わずして、誰が戦うというのでしょう。みんな逃げてしまったら、そこには誰が残るというのでしょう。それとも優しいドイツ率いる欧州諸国が難民や移民のお世話をし、現地の戦争までぜんぶ最後まで面倒を見てくれるというのでしょうか。それはさすがに無理です。

しかも結局ドイツは本当の難民をほとんど救えていません。ただシリアから3,600キロも向こうにある国で「寛容」と言いながら待ち構え、「ここに着いた者は救う」というスタンス。それのどこが寛容なのかは分かりませんが、それで迷惑を被っているのはドイツ国民や周辺諸国でもあります。欧州に着いた移民かもしれない難民を受け入れることに専念するより、そんな余裕があるならばむしろ自分たちがシリアの周辺まで行って本当の難民を連れて来るべきでしょう。

それが「正義」です。

 

弱い位置に立つ東欧やポーランドとは違って権限の大きいヨーロッパ諸国は「差別」と「寛容」を上手に使い分け、世界中の人々を味方につけてきました。

ドイツはユダヤ人の件で人種差別に対してコンプレックスがあるのかもしれませんが、自分で面倒見切れないことを断言してそのツケを周辺諸国になすりつけているだけにしか見えません。そして安い労働者が欲しいという下心に寛容という言葉を掲げ、中東やアフリカ系の移民を受け入れてきた欧米諸国は今、治安破綻しています。元々の民族がイスラム系やアフリカ系の移民によって弾圧されたり、逆に白人の方が移民者を弾圧したり。そして白人が少数派になった国では、彼らが移民に対して不利な意見を言うとすぐ「差別だ」と言われます。

 

結論、なんと言われて非難されようが、ポーランドは自分の国を守るべき!!

 

なんだかアンチ西欧、アンチ難民/移民/イスラム教徒みたいな記事になってしまいましたが、そういうわけではありません。難民がでたのは難民のせいではないし、例え楽な生活をするためにヨーロッパへやってきた移民がいたとしても彼らも彼らなりの事情があってのことだというのは分かっています。そしてまた、西欧にとって移民の労働力が不可欠なのも事実です。でも今回の大きなテーマは「ポーランド人はなぜシリア難民/移民を断るのか」というところ。

ここに書いたことは私自身の意見でもありますが、多くのポーランド人が思っていることの代弁のようなものだと思ってください。ポーランドの難民受け入れ関連ニュース(英語やポーランド語の)のコメント欄を見るだけでもポーランド人たちの本音が分かると思います。

世界平和を願う一人としてこの記事を書きましたが、この記事を見て不快に思われた方がいたら申し訳ありません…。

 

移民問題に関する関連記事として、ぜひこちらの記事もお読みください。

ポーランドは危険?在留者として思うこと

2015.11.24

 

最後までお読み頂きありがとうございます☆
あやか
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2 件のコメント

  • uni より:

    綾香さんへ
    始めまして!ポーランド旅行を考慮中にあなたのブログに行き当たりました。ポーランドの事をとても詳しく発信されているのに感心しました。それに移民問題
    思わず膝を叩きました。ポーランドがドイツに惑わされることなく断固としてポーランドの考えをとおしてほしですね。又色々読ませていただきます。

    • ポーランドなび管理人 綾香 より:

      uniさん、はじめまして!

      記事に共感、そしてコメントをしていただきありがとうございます。移民や政治問題などは難しいですが、日本でのポーランドについての報道をインターネットから見ていると歪んだ情報がたくさんあることに気付きます。
      そこで私自身の意見、そして多くのポーランド人の本当の考えをこちらのブログを通して知ってもらおうと思い、この記事を書きました。正直、これまでのポーランドはドイツの言いなりのような感じでしたから、今回政権が変わって本当に良かったです。

      私のホームページはまだまだ出だしですが、これからポーランドに関するあらゆる情報を発信していきますので、ぜひご愛読ください。
      ポーランド旅行をお考えとのことですが、本当に素敵な国なので前向きにご検討ください^ ^

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