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2025年4月、ポーランドでは国家安全保障強化のための新しい法律が施行され、これにより、国内約2,5万か所の施設・場所での写真撮影が禁止されたため、知らずに違反すれば旅行者でも罰金や拘留の対象となる可能性があります。
今回の記事では、この法律の内容と旅行者が気を付けるべきポイントをしっかり解説します



なぜ、写真撮影が規制されているの?
2025年4月に施行された改正国家防衛・防諜法(スパイ防止法)により、国内の約25,000か所の施設で無許可の撮影が禁止されています。対象となるのは、軍事基地、鉄道、発電所、橋梁、港湾、通信施設といった重要インフラで、これらはスパイ活動やテロの標的になりやすい場所です。
ポーランドでは2022年から2025年にかけて、ロシアやベラルーシと関係するスパイ事件が増加しており、少なくとも49人がスパイ容疑で逮捕されました。こうした背景には、ロシアによるウクライナ侵攻以降、NATO東端に位置する国として戦略的重要性が増していることがあります。他国でも同様の措置が取られており、たとえばアメリカでは一部の連邦施設周辺で撮影が制限されており、イスラエルや韓国も軍事施設の撮影には厳しい規制を設けています。この新法は、こうした国際的な動きとも歩調を合わせるかたちで導入されたものなのです。
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旅行者で捕まった人はいるの?
これまで旅行者からこの法律について質問を受けることは何度かありましたが、日常生活をふつうに送る分には影響ありません。旅行者であれば、マニアックな風景(軍施設や重要インフラ)の撮影が好きだという方は特に注意が必要といった程度です。新法の目的はあくまで国家の安全保障を守ることにあり、現時点では、この法律に違反して逮捕された旅行者がいるという報道は確認していません。
とはいえ、旅行者が意図せず撮影禁止エリアを撮ってしまう可能性は否定できません。特に鉄道施設や橋、港湾、発電所などは、一見すると観光スポットや風景の一部として映ってしまうことがあるため、特にズームレンズを用いる撮影には注意が必要です。撮影禁止の標識がある場所ではもちろんのこと、表示がなくても不審に思われるような行動は控えるべきでしょう。たとえ逮捕に至らずとも、取り調べや機材の没収といったトラブルにつながる可能性はあります。安全で快適な旅のためには、現地の法律やマナーを尊重する意識が欠かせません。
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次のような場所で、撮影禁止の標識「Zakaz fotografowania(撮影禁止)」が掲示されている場合は、写真・動画撮影が禁止されています。
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◆ 軍事施設・兵舎
◆ 発電所(原子力、風力、水力など)
◆ 鉄道施設や空港施設
◆ 港湾や橋、トンネル
◆ 政府機関の建物
◆ 通信・水道・ガスなどのインフラ設備
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違反した場合は、最大2万2ズロチ(約80万円)の罰金または最長30日間の拘留が科される可能性があります。撮影機材の没収(スマホやカメラなど)もあり得るでしょう。

