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むかしむかし、何もない、まっさらな空間に神さまがいました。神さまは、何かとてもすばらしいものをつくりたいと考えていました。
「美しくて、秩序があって、永遠につづくものがいいな。そうだ、数を使ってみよう!」
神さまは宇宙を数で設計することにしました。
「何もないところから何かを生み出すためには、まずゼロが必要だ」と神さまは言いました。
ゼロができた瞬間、空間が広がり始めました。「これで準備はできた。次はもっと複雑な数をつくってみよう」と神さまは微笑みました。
次に神さまは「1」をつくりました。
「1」はすべての始まり。
1つのものが存在することで、世界がカタチを持ちはじめ、1つの星、1つの光、1つの時間…
これで世界は動き出しました。
「まだ何かが足りないな。いくつかのものが組み合わされば、もっと面白くなるかな」
神さまは、「2」という数をつくりました。
すると、対になるものが現れました。
昼と夜、光と影、物質と反物質。
すべてのものにバランスが生まれ、世界がさらに彩られ、豊かになり、生命が生まれました。
「もっと美しいバランスをつくりたい」
神さまは考え、ある特別な数を見つけました。
それが「1.618」という数、黄金比でした。
この数は、神さまが花びらや貝殻、銀河の渦巻きに使うための魔法の数です。
この黄金比を使うと、あらゆる星や自然は調和のとれた美しさを持つことができました。
「これで、宇宙のすべてが美しく見えるようになった」と、神さまは満足げに言いました。
次に、神さまは丸い形をつくりました。
どこにも角がなく、完璧な形だと感じたのです。
そこで神さまは「円」をつくり、その円を描くための特別な数、「π」を与えました。
「このπという数は、どんな円の大きさでも役に立つぞ」と神さまはうれしそうに言いました。
「円の周りの長さを知りたければ、この数を使えばすぐに計算できるんだ!」
πは3.141592…と、終わりのない数です。
神さまはこの不思議な数を使って、星の軌道や、惑星の形、銀河の渦巻きすらつくりました。
宇宙が形作られていく中、神さまは「無限」という、終わりのない数について考えました。
「宇宙はどんどん広がりつづけ、終わりは決してない。無限という数こそ、宇宙の本当の姿を表しているんだ」と神さまは言いました。
無限を取り入れることで、神さまは宇宙が永遠に広がりつづけるように設計しました。
こうして、銀河が果てしなく広がり、星々が無数に存在する壮大な宇宙ができたのです。
ある日、神さまは木々が成長する様子を見て、新しい数の法則を思いつきました。
それがフィボナッチ数列です。1つの葉が伸び、次に2つ、さらに3つ、5つ…と順番に増えていくこの数列は、自然界の多くの形に見られます。
神さまは、このフィボナッチ数列を植物の成長や、動物の模様に取り入れました。
「この数を使うと、自然がもっと調和して成長するんだ」と神さまはうれしそうに言いました。
最後に、神さまはすべてをつなげるための特別な数を考えました。それが「愛の数」。
目に見えませんが、すべての星、すべての生きものがつながり、助け合うためのエネルギーです。
「宇宙は数でできているけれど、この愛の数がなければ、みんなが争って、バラバラになってしまうんだよ」と神さまは教えました。
138億年前、こうして神さまはさまざまな種類の数を使って宇宙を美しく設計しました。
星々は数に従って動き、自然は調和し、数が生まれてからすべてが秩序を持って輝いています。
そして、その無数にある数の背後には、愛という特別な力がすべてをつないでいるのです。
おしまい
『Ayakaの神曲』
神曲、、、曲ではないですが、ありがとうございます!(^ ^)
最後のくだりが、ダンテの神曲天国編のラストに似ているというか。
(連投すみません。)
恥ずかしながらダンテを知らなかったので、調べてみました!13〜14世紀の詩人で哲学者なんですね。なるほど、勉強になります。
なんか、ダンテさんのそれを連想させたもので。