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ポーランド人といっしょに暮らしていない在留者やこちらに来たばかりの人は、疑問に思っていることでしょう。
玄関のドアに白チョークで書いてある「K+M+B 2017」ってどんな意味なんだ?!と。私がこちらに来た2014年もやはり目に留まり、「カムバック2014?」と思ったものです(笑)。
この「K+M+B その年の西暦」が玄関のドアに書いてある家、それは間違いなくカトリックのご家庭。仮に珍しくプロテスタントだとしても、よっぽどでなければ「K+M+B〜」と書きます。.
K†M†Bは、ラテン語の “Christus Mansionem Benedicat” の頭文字を取ったもので「キリストよ、この家を祝福したまえ」という意味があるんだよ。
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これは年末年始恒例、「神父さんの家庭訪問を受けました」という人が玄関のドアの上部に書くものですが、そもそもどういった意味があるのでしょう。
調べてみると、オーストリアにも同じ行事があるようで分かりやすい説明文を見つけました。その一部を抜粋します。
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年があけた1月6日は公顕節、三聖王の祝日です。イエス・キリストの誕生を祝福するため、東方三博士が光輝く星の方角に向かって歩き、キリストのいる馬小屋を来訪したことを意味します。
三聖王の名前はカスパル、メルヒオールとバルタザールと言い、後者は肌が黒い博士です。
仮想した子供たちは、家のベルを鳴らすと家主によって室内へ案内され、クリスマスツリーの前でクリスマスキャロルや新年の歌を歌い、お礼にお菓子やお金をもらいます。3人のシュテルン・ジンガー(ドイツ語で三聖王)によって訪問された家には、三聖王が今年も家を祝福しに来てくれたことの証として、必ずドアに白いチョークでC+M+Bと記されます。
― 三博士の顕現日
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ポーランドとのちがいは、訪ねてくる子どもたちは仮装していないこと(ポーランドでは私服の上に教会の祭服を来ています)、こちらでは神父さんとの面談があることくらいでしょうか。
たまに子どもではなく青年だったりします。オーストリアでは仮装をしたりお菓子をあげたりとハローウィンにも似た習わしに見えますが、ポーランドの場合はそいうった感じではありません。
三聖王はポーランド語で “Trzech Króli “(トゥシェフ・クルリ)と言います。
年末年始の日曜日のミサでは、最後に神父さんが「◯日はアンドロメダ通りの32番から52番、オリオナ通りの18番から…」という風に告知をします。
それでは、この家庭訪問の日にはいったい何をするのか見ていきましょう。
神父さんが来る日は、時間が近づくとみんなそわそわし始めます。写真のようにテーブルには真っ白なクロス(お義母さん曰く超特別なクロス)をかぶせ、その上にキャンドルを置けば準備万端。あとは神父さんを待つだけ。
この日は日曜日だったので夫の実家で夕食だったのですが、神父さんが来るのがちょうど夕食の時間あたりで「今、食べるべき?!いや、でも神父さんがやってきたら…」という状況でした。そしてスープを食べ終わった後、「神父さん、もう近くまで来てるよ!」と食べかけの料理をすべて撤収されました(笑)。
だいたい何時頃と目安時間を告げてくれるのですが、家庭訪問なだけあって思ったより早く来たり遅かったりと色々。
神父さんは突然やって来るのではなく、神父さんはもうすぐ来るよという告知も兼ねて、まず2人の子どもが訪ねてくるので招き入れます。家族が集まったら、みんなでクリスマスソングを歌います。.
もし「キリスト教じゃないから…」「私たち、日本人家族だし…」ということで拒否したい場合は “Nie dziękuję“(ニェ ヂェンクイェン:結構です)とやんわり言っておきましょう。相手も「あ、外国人なのか」と察してくれるはず。
彼らが帰る前には、10PLNの気持ち程度のお小遣いをあげます。
このお小遣い稼ぎが子ども達の楽しみなんですよね〜(*^o^*) 彼らは1年、いや、ふつうは数年以上と教会のミサで聖職者達のお手伝いを無償でしています。
そして、1年に1度のこの行事では「いつも、ありがとう」と大人達からお小遣いがもらえるのです!私の夫も子どもの時はこれで一儲けしたとのこと(笑)。.
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しかも、今年はマイナス2桁の大寒波!大人として、「いつもありがとう」とお小遣いをあげたくなるのは当然だと思う。
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子ども達が去って十数分後、彼らは神父さんと一緒に再びやってきます。でもこの時、子ども達はすぐに家を出て行ってしまいます(中で待てばいいのに…)。またクリスマスソングを楽しく歌ってから、神父さんとの面談がスタート!
この家庭訪問は、ポーランドにカトリック教徒がどれだけいるか、ちゃんと毎週日曜日は教会に行っているかなどの統計をとる調査も兼ねているそう。
また教会には管轄地区の名簿があって、引っ越しなどで去年と住んでいる人が変わっている場合はその場で新たに名簿をつくり直します。役所仕事みたい。
他にも、「最近なにか変わったことはありましたか?」「結婚生活はうまくいっていますか?」などの近況を聞かれますが、終始大真面目に話し合うのではなく、時にはジョークも交えながら楽しくお喋りするといったと感じです。
面談は15分程度です。最後にイエスや聖母マリアの絵があるカードをもらって、聖水による祝福を受けます。教会には儀式や祝福に用いられる聖水という清められた水があり、その水を小さなホウキのようなものでパッパッとかけてくれます。カトリック教会では、教会の入り口に聖水盤というものが必ずあるので行かれた時は探してみてください。
こうして神父さんは帰るのですが、その前に献金用のお金を渡します。
統計によると、80%以上の人は50〜100PLN、8%の人は200PLNを渡しているそう。義両親は50PLN、私たちのアパートに来た時も50PLNを渡しました。私たちは毎週のミサで献金しているので、そういう人達にとっては50PLNが相場なようです。
去年は、私たちが新婚だからというのとリフォーム中という話をしたためか、「あなた達のために使ってください」と献金を断られました。こんな感じで献金は強要されるものではありませんが、やはりここは渡すのが常識です。
この年末年始の行事をポーランド語で “kolęda “(コレンダ)といいます。このような文化が残る国はヨーロッパでもわずかとなってきました。ポーランド人はこの行事を通して、1年の終わりと始まりを感じるのかもしれませんね。
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ksiądz
ksiądz(クションヅ)は「神父」という意味です。私はポーランド語の単語を覚え始めた頃、「王子」という意味の “książę”(クションジェン)や「月」という意味の “księżyc”(クシェンジェツ)とよく混同していました。
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以前にカトリックは安全地帯というメッセンジャーのやり取りをしたことがあったので、、、本当は結婚講座などのところに書きたかったので見つけらなかったので、ここに書きます、ごめんなさい。
カトリックの相互扶助、病や障害を負った人に対する憐れみ(日本語にうまく訳せない)イタリア語だとgrande amoreかな、、。は私も素晴らしいと思います。
けれど同時に、未婚の母や売春に従事せざる負えなかった女性たち、レイプで妊娠した女性をふしだらといって施設に閉じ込め、奴隷労働し、子どもを取り上げ強制的に養子に出すなど負の面も多くあります。
詳しくは、Magdalene sistersやPhilomenaという映画を見てください。
私の友人のおばあさんは某国のカトリックがとても強い場所で生まれ育ちました。
理由はわかりませんが、未婚の母でお母さんを出産したおばあさんは、教会に礼拝に行くとき正面玄関から入る事を許されず、裏口からしか入れてもらえませんでした。お母さんもです。
私はあなたはとても聡明な人だと思うので、ぜひそういった面にも目を向けて、
伝統的価値観や信仰を一方的に非難するのに、動物愛護やベジタリアニズムを新興宗教のように信じている一部の西欧人たちに、愛を込めたメッセージを送ってくれたらと思います。
お体御自愛ください。
コメントありがとうございます。
そのようなノンフィクション映画があるのは知っていますし、私もカトリック教徒になるまでは随分と葛藤がありました。
色々とネットや映画で知った問題点を夫に問いつめたこともありましたし(ガセも多かったですが)、もう勉強したくないと思ったことすらありました。
しかし、私は模範的なカトリック教徒とはまだ言えませんが、洗礼を受けたことに一切の後悔はありません。
この信仰を通して愛をより深く知ることができ、よっぽどのネガティブ要素がない限りは他の宗教に対しても出来る限りの理解を示せるようになったと思います。
また、カトリックが今までに行った数々の平和的な活動や呼びかけを知り、信仰の美しさを教えてくれたポーランドの家族にも感謝しています。
一昨年、夫の祖母が亡くなった時にそのことをより強く実感しました。
仏教だからみんないい人、無神論が最も平和的な考え、とも言い切れないようにカトリックの一部の神父、一部の教会にも問題点はあると思います。
しかし、それは結局人間の問題であって神様のせいではありません。
カトリックの日本人はまだまだマイノリティなので、「カトリックとして生きることはどういうことなのか」「ポーランドではどんな宗教文化があるか」というのを知ってもらうためにこういった記事を書いています。