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【右肘骨折】ポーランドで社会保険の恩恵を受けたときの話+驚きの手厚い傷病手当

右肘骨折体験記
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クラクフ市公認観光ガイドの綾香です。旅行や生活に欠かせないポーランド情報を発信中! 2025年、東アフリカ・ルワンダでの教育支援に向けて【財団法人MOST】を設立。興味のある方はご連絡ください
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 この記事の投稿日とやっちゃった日は全く一致していませんが、ポーランドで肘を骨折したときの治療について、つらつら記録します。
休業手前のタイミングで折ったので仕事への影響は最小限で済み、本来だったら無収入となる期間が病休保障で手当が100%出るからラッキー?

いや、ラッキーちゃうで
貰えるものは貰うけどふつうに辛い
(今となってはいい勉強だったと思う)

 もはや意識がなかったので倒れたときのことは覚えてないけど、外傷もあったのでその日のうちに入院となりました。これは想定外!!
これまでかなりの額をプライベート医療に費やしてきましたが(公的医療は待ちが長くてお金で解決するしかない)、今回ばかりは即公的医療の適用となり、久しぶりに無料で治療できました。

ポーランドの医療システム
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夫ピオトル
そういえばさ、折ったとき酒飲んでなかったか聞かれなかったね。
あやか
え? ふつう聞かれるもんなの?
夫ピオトル
そりゃ聞かれるよ。飲んでたら保険効かないし(そんなこたない)。
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 入院前の診察で、レントゲンを見た先生に「明日オペだね」と言われてしまい、呆然。
色々問題があってすぐ手術できず、そんな中でも手術リスクや麻酔の同意書など何枚も渡され、サインしようにも右手がギプスでほぼ動かないしで「せめて左側だったらな…」と悔やみました。

 入院中、同室の皆さんが優しくしてくださって孤独に陥ることはまったくなかったです。
ポーランドの病室は相部屋でも仕切りのカーテンがないのでプライバシーはありませんが、基本的にポーランドの人は優しいし、明らかに外国人の私に対して興味津々なので会話は弾みます

ポーランドの病室 ポーランドの病室

 朝の回診は8〜10人くらいの規模でやってくるんですが、見習いでもいるんでしょうか。
公立病院なので、廊下や病室の壁には十字架、聖人像があったり、日曜日には神父さんが各病室を訪れて希望する患者さんと対面で祈ってくださったりと、この国の信仰心の深さを実感します。

 手術当日、麻酔の先生が日本旅行の話をしてくれたり、和やかな空気の中で眠りました。
血が止まりにくい体質ではあるものの、術後のギプスには血が滲みていて、ベッドシーツまで血だらけになっていて慄きました。え、縫えてる?

 さて、ポーランドでの骨折の治療法は日本とはまったく違うようで、ギプスでの固定期間は日本のほうが長い傾向にある一方、治療期間そのものはポーランドのほうが長いみたいです
私の場合、腕の肉が少なくてギプスがキツく巻けないと言われ、何度か固定直しがありました。

これは骨折1ヶ月後の腕…

右肘骨折 右肘骨折

 肘より下はボコボコしていて全体的に左腕より腫れていて、アザで黄色くなっています。
このときにはギプスは外れて、ロボットのアームのような装具を付けるように指示されました。

 これは可動域を10度ずつ調整できるブレースという装具で、色んな人に「こんなの見たことないよ」「カッコいい」と言われます。笑
リハビリ用品店?で装着してもらいましたが、このワンサイズしかなくて、4箇所の固定部分のベルトの布端をハサミで切りながら調整します。

右肘骨折 ブレース

 お値段は 500PLN(2万円相当)ですが保険適用で1割負担となるので 50PLN でした。
ギプスの吊り下げ用の布も 50PLN でしたが、診察費用に関しては公的医療でタダになるので、この合計 100PLN 以外の負担は交通費くらい。

 お店の人には一ヶ月以上はシャワーのときも付けるように言われたんですが、さすがに着替えでは外さないといけないし、基本的に外出時と寝るとき以外ほぼずっと外して過ごしてます。
ハンドソープのポンプを押すのは痛いし、ドアも引けないし、折ったのは肘だというのに握力もかなり衰えていて、字はなんとか書けるレベル。

 しかし、一人で身の回りのことはやれるので、それは “不幸中の幸い” だったと思います。
整形外科や外来では腕や手をやってる人は一人もおらず、ほぼ皆さん足や腰など下半身をやっちゃっているようで、どこ折っても大変というのは大前提として、腰が一番辛そうに見えました

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社会保険 ZUS の休業保障

 ポーランドの公的医療は原則無償のため、数ヶ月待ちもザラ、治療が最低限、入院も最低期間という厳しさですが、十分な手当をもらいながらたっぷり仕事を休めます。夫がサッカーで足首の靭帯を切ったとき、4ヶ月の傷病手当(仕事は休み)が支給されました。また、親知らずの抜歯、風邪でも医者が休むべきと判断すれば保障を受けられます。
 
どれくらいの金額がもらえる?
ふつうの病気や怪我の場合は月収の80%、労災と認定された場合は100%が支給されます。
過去12ヶ月の平均収入を基準に計算されるため、特に個人事業主は収入が少ない月があったり、休業期間が長いとその分平均が大幅に下がります…。
 
いつから支給が始まる?
医師がL4(病気休業証明書)を発行した日から支給されます。長期になりそうな場合、最初は数週間で発行され、次の診察で数ヶ月の延長となるパターンが多いです。労災の場合、ZUS にどのようにして怪我をしたのか文書で説明して郵送し、それが認められれば100%の支給となります。
 
国外に出ると支給されない
休業保障には、❶ L4 leżące(寝ているべき・外出基本禁止)、❷ L4 chodzące(歩いてOK・外出可能)の2種類があります。後者でも泊まりがけで遠出するときは申告が必要。保障期間中は調査員が自宅に訪問する可能性があり、外出先が不適切だと見做されると支給対象外になります。つまり、手当をもらいながら療養目的でも旅行はできません。

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最後にちょっとつぶやき
アイコン 後日談がありまして、リハビリの段階になると病院の管轄ではなくなるので、また待遇が悪くなります。私の場合、リハビリの予約が取れたのはなんと半年後!いやいや、半年後にはもう治っとかなあかんのよ!
これだからポーランドの公的医療はダメなんですよね…。YouTubeで家でのリハビリ方法を解説してくださっている先生がおられるので、それを見ながらリハビリに励みます
ポーランドの医療システム
のどがおかしい

 

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あやか
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