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最近、そろそろ日本にある預金をまとめてポーランドに移動させたいと思っていて、自分なりに賢い運用方法がないか調べていました。
踏み込んだお金の話題は友人と話すにしてもアレだし、ネットで調べてもリアルな情報があまりないー。でも気になっている在留者の方もいると思うので、私が調べた情報を書いておきます


ここ数年はウクライナ支援の寄付金を日本円で振り込んでいただくこともあり、その分はなるべく早くポーランド通貨に両替していました。寄付金の両替を優先していたのでプライベートの両替は後回しにせざるを得ず、円安もあって躊躇していたのですが、今後は運用できるよう管理したいです!
▲ こういうのも、きちんと知っておくべき!

1. 円建てでの運用は基本的に難しい
現在、日本円は日本のメガバンクの非居住者口座に預けていますが、数ヶ月前に利息が入っているのを見て、「こんなに少ないの?!」と改めて驚きました。一部の仕事は日本の会社と請け負っていて、報酬は日本の口座に振り込まれるため、結婚して以来日本に住んでいないとはいえ、預金は毎年増えています。しかし、オンラインでのやり取りも含めて日本で新たに取引を始めようとすると、ほぼすべてにおいてマイナンバーが求められるので、なかなか手をつけられずにいました。日本に住民票がないので、マイナンバーカードは失効しています。
さて、非居住者が円建てで金融資産を運用する方法として最も現実的なのは、非居住者でも使える日本国内の証券口座を出国前に準備し、その証券会社にすでに保有している口座を使って運用を継続するというもの。多くの証券会社は、非居住者になると口座の利用を停止または制限しますが、中には非居住者でも維持・運用を許可している証券会社(例:松井証券など)もあります。これらを通じて、円建ての株式や投資信託、ETFなどの金融商品に投資することで、日本円のまま資産運用できます。
そのほか、日本円を日本の銀行の定期預金や外貨預金で運用する方法もありますが、日本の金利は極めて低く、資産を増やす目的にはあまり向いていません。また、海外在住のまま、海外の金融機関を使って円建ての債券やMMFを購入するという方法もありますが、ある程度の投資経験や資産規模が必要であり、さらに手続きも第三国を挟むので税務申告も煩雑です。オフショアでの代替的な円建て商品を探ることもできますが、そこまでして円建てにこだわる必要があるかを考えると… 私はないです

2. 残しておくべき日本円の目安とは?
今後、日本に住む予定があるのかないのかで残しておくべき日本円は大きく変わってきます。
私たちは特に日本に住む予定はなく(一時帰国は年2回、滞在は1.5〜2ヶ月)、それであれば、緊急時も見据えて200万円ほどあれば安心かと思っています。年2回の帰国だと、トータル160万〜180万円相当はかかるので出費はそこそこ…。しかし、カード付帯の旅行保険を適用させるためにも航空券やホテルはいつもポーランドのカードで購入しているので、日本円は年間40万円も使っていません。
AI に尋ねてみると、将来日本で暮らす予定があるなら 500万円〜1,000万円以上はあったほうがよく、私のように年2回の帰国&数ヶ月程度の滞在ならば「100万円以上の預金は運用効率を考えれば不要」とのこと。んー、的確な意見なのかは「?」。
▲ 航空券代など帰国費用の内訳も書いてます
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2. ポーランドの金利はかなりイイ?!
2025年5月時点の平均で、ポーランドの銀行の定期預金金利は約3.86%となり、日本の銀行だとメガバンクで0.275%、東京スター銀行やSBJなど一部の銀行では新規口座開設者のみの特典として1〜1.20%の金利が付くこともあるようです。
ただし、ポーランドの平均金利も多くはプロモーション金利であるため、満期後は標準金利0.5%とかに下がります。そこで、満期を過ぎるたびに他の定期預金に乗り換える【ロールオーバー戦略(例:金利4%の6ヶ月定期を10年間繰り返す)】や、ポーランド政府のインフレ連動型国債(例:現在の10年国債の初年度の金利は6.5%、2年目以降は前年CPI+マージンで毎年5%前後?)を組み合わせるとイイかも。我が家の金融資産の25%近くは国債ですが、高いインフレ率のおかげで得しています。
◆ 100万円=26,316PLN で比較すると?
❶ 日本のメガバンクで預けた場合
100万円 × 0.275% ×(1 – 20.315%)=2,191円
▲ 定期預金0.275%で税引後の1年後の利息
❷ ポーランドの銀行で預けた場合
26,316 × 3.86% × (1 – 0.19) ≈ 822PLN
約822PLN × 38円 ≈ 31,236円
▲ 定期預金3.86%での、税引後19%の利息
上記の例だと、税引後の利息は日本が2,191円、ポーランドが約31,236円なので、約14倍の差になります。我が家は金融資産の20%近くが日本円なので割ともったいない状況。結論、運用方法は色々考えたものの、まずは黙って日本円をポーランド通貨かユーロに変えて、迷っているうちは定期預金に預けるか、国債を買ったほうがよさそうです
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3. 両替するタイミングは慎重に…!
2025年5月時点で1PLN=約38円と高水準にあるポーランドズロチ。数年前まで1PLN=約30円だったのに、一気に上がってしまいました。
しかし、今後数か月〜1年以内に円高の影響で下落に向かう可能性が高いと見られています。日本銀行の利上げが進み、ポーランド側ではインフレ沈静化に伴い利下げが検討されており、金利差の縮小が進めば為替は「円高・PLN安」方向に動きやすくなるでしょう。特に2025年秋〜2026年前半にかけて、1PLNあたりの円レートが現在の38円台から34〜36円台へ戻る可能性があるため、急ぎでなければ両替を少し待つのが有利な判断といえます。

4. 基本的には現金よりも銀行送金推奨
これまで、ちょこちょこと数十万円単位の日本円を現金でポーランドに持ってくることはありましたが、銀行送金だとレートが圧倒的に不利になるからそうしていました。しかし、数十万円程度ならまだしも、まとまった額の場合は海外送金など記録が残る方法でお金を持ってこないと不正を疑われたときに厄介です。もちろん、ちゃんと証明が出来るなら現金でも問題ありません。最近知ったのですが、お得な海外送金で有名な「ワイズ」は銀行振込でも送金できるそうなので(今までデビットカードがないと送金出来ないと思っていた)活用予定。
個人で一定額の取引があった場合、❶ 口座開設後すぐに高額資金を投入、❷ 多額の “現金” での投入、❸ 不明な名義による海外送金、❹ 通常の生活水準や取引パターンと著しく異なる、といったところで「疑わしい取引」と見なされることがあるようです。飛行機での現金の持ち出し・持ち込みも100万円/1万ユーロ相当額以上からは申告が必要であることを考えると「油断大敵」なのか…。
万が一の際は送金履歴を見せられるよう資金の出所を明確にし、現金や仮想通貨ルートは避けて銀行送金で資金を移動させ、取引の経緯を説明できるようにしておくと安心です。ちなみに、一定の預金がある人は CRS(共通報告基準)によってポーランド当局に自動的に通知されているかもしれません。
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5. 仮想通貨や不動産投資も検討してみた
正直、少し前までは「仮想通貨を買うのもアリかな?」と思っていましたが、仮想通貨は現金化しなくても課税される取引が多く、相続も銀行口座のようにはいかないし、仮想通貨での送金は現金での持ち込みと変わりません。また、私が株や仮想通貨に手を出してこなかった理由として、メンタルコスト(心理的負担)の懸念が一番にあります。
一方、ワンルームの不動産購入には関心ありますが、夫はここ数年、「今はかなり地価が上がってるけど、もうすぐ下がる」と言って乗り気ではありません。でもこの数年で地価は上がりつづけていて、私たちが住む地区ですら1平米が名古屋市中心部くらいになっています。ワルシャワやクラクフの地価の上がりようを見ればまだ上がるかも。仮にワンルームアパートを購入したら資金回収までに15年前後はかかる見込みですが、不動産はインフレに強くて魅力的なので、まだ候補に入れておきたいです。
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