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ポズナン名物「聖マルチンのロガル」とは? 祝日11月11日に食べる伝統菓子の歴史

聖マルチンのロガル
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カスプシュイック綾香
2018年に日本人初のクラクフ公認ガイド資格を取得し、クラクフやユダヤの歴史観光案内をはじめ、アウシュヴィッツやヴィエリチカ岩塩坑での案内も行っています。ポーランド情報メディア「ポーランドなび」を運営し、長年の現地生活と観光案内の経験をもとに、役立つ情報を発信中
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ポズナン名物「聖マルチンのロガル」

 ポーランド西部の都市ポズナンを訪れたら、ぜひ味わってほしい名物が「ロガル・シフィエントマルチンスキ(Rogal świętomarciński)」です。
日本語では「聖マルチンのロガル」といい、カトリック文化に根付いた三日月形の大きな甘いパン。特に、毎年11月11日になると、全国的に(聖マルチンのロガルに似たようなパンを)食べる習慣があります。

 これまで、ポズナンへは仕事やプライベートで何度か訪れていたものの、この名物を未だに口にしたことがなく、今回ついに買うことができました。
先に言っておきますが、値は結構張るので、いくらか知らずに何個も買うとお会計で驚くと思います。笑

あやか
クラクフのオブヴァジャネックみたいに、意外とそこら中にはない!
夫ピオトル
2つも買っちゃったけど、こんなに高いとは… お土産に、親にあげようかな。
 

聖マルチンのロガルはどんなお菓子?

聖マルチンのロガル

 聖マルチンのロガルは、白いケシの実を使った甘い餡を、何層にも折り重ねた発酵生地で包み、三日月形に焼き上げたポズナンの伝統菓子です。見た目は大きな菓子パンで、中には餡がぎっしりと詰まっており、一般的な菓子パンとはまったく違う味わいが楽しめます。
餡には白いケシの実のほか、レーズン、ナッツ、砂糖漬けの果物、アーモンド風味の香料などが使われており、表面には白いアイシングをかけ、砕いたナッツが散りばめられています。皆さんの想像通り、かな〜り甘い!
 
 1個の重さは180〜250グラムと、割とずっしりとしていて、食べ応えがあります。私がポズナンの中央広場で購入した際は、1個22PLN(約900円)でした。見た目だけで15PLN程度くらいかと思っていたので、何も考えずに2つも買ったらお会計でビックリ。
ふつうの菓子パンと考えると少々お高めですが、その大きさと手の込んだ製法を考えれば納得。ポズナンを訪れた記念に一度は味わってみたい名物菓子パンです
 

 


誕生のきっかけは貧しい人への思いやり

聖マルチンの伝説

 ロガルの誕生には、1891年のポズナンで起きた出来事が関係しているという有名な逸話があります。
 
 当時、聖マルチン教会の司祭ヤン・レヴィツキが、聖マルチンの慈善の精神にならって貧しい人々を助けるよう呼びかけました。聖マルチンは4世紀、現在のハンガリー出身の修道士で、寒さに震える貧しい人に自分のマントを分け与えたという逸話で知られています。
レヴィツキの呼びかけに心を動かされた地元の菓子職人メルツェルは、特別なロガルを焼き、生活に困っている人々に無料で配ることにしました。この行動にほかの多くの菓子職人たちも賛同し、こうして毎年11月11日にロガルを焼く伝統が広まったのだそう。ただし、実はポズナンの新聞には1852年の時点でロガルの販売広告が掲載されていました。つまり、1891年に初めて誕生したというわけではなく、それ以前から存在していたロガルに、慈善活動の伝統が結びついたと考えられます。

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ロガルの形と11月11日に食べるワケ

独立記念日 ポーランドの祝日

 ロガルとは、ポーランド語で三日月のように曲がった形をしたパンのことで、つまりクロワッサンです。
 「聖マルチンのロガル」が曲がった形をしている理由にも、いくつかの伝説があるのだそうで、特に有名なのは、聖マルチンが乗っていた馬の蹄鉄(ていてつ)をかたどったという説。また、1683年のウィーンの戦いでポーランド王ヤン3世ソビエスキがオスマン帝国軍に勝利したことを記念し、敵軍の旗に描かれていた三日月を模したという説もあります。いずれも伝説であり、実際の起源が明確に証明されているわけではありません。
 
 また、11月11日はポーランドの祝日で独立記念日ですが、同時に聖マルチンの祝日でもあります。
聖マルチンの慈悲深い行いにちなんで、ポズナンでは11月11日にロガルを食べたり、分け合ったりする習慣が受け継がれてきました。現在では一年中販売されていますが、特にこの時期になるとポズナンのベーカリーや菓子店にロガルがズラッと並び、ポズナンの秋の風物詩となっています。しかし現代となっては、ポーランドの菓子パンの中でもトップレベルに高い聖マルチンのロガル。さすがに、タダで分け与えるのは無理そうです

11月11日は独立記念日

 


実はEUが認めた伝統食品、偽物注意

聖マルチンのロガル

 聖マルチンのロガルは、2008年にEUの「地理的表示保護(PGI)」に登録されました。そのため、この名称を正式に使用できるのは、ポズナンおよびヴィエルコポルスカ地方の指定地域で、定められた製法や材料などの条件を満たして作られた製品だけです。生地の種類や餡の材料、重さなどにも規定があり、製造者は認証を受ける必要があります。国内にはよく似たロガルも販売されていますが、すべてが正式な「ロガル・シフィエントマルチンスキ」を名乗れるわけではありません!
 
 ちなみに私がポズナンから帰ってきた数日後、近所のスーパーで、ポズナンで買ったロガルの約3倍も安い値段で「ロガル・シフィエントマルチンスキ」なるものを見かけました。しかし、よく見てみると、名前は「ロガル・ポズナンスキ」なので本物ではない…。
 一方で、クラクフでの独立記念日(11月11日)にもベーカリーで同じようなものを購入したことがあり、名前は「ロガル・マルチンスキ」でした。クラクフのオブヴァジャネックも、一般的にはベーグルと呼ばれてしまっているせいか、そっくりなパンがあちこちで売られています。本物を味わいたい方は、「地理的表示保護(PGI)」のシールがあるか確認してください


「ロガル博物館」もおすすめ

 ポズナン旧市街には「ロガル博物館(Rogalowe Muzeum Poznania)」というユニークな施設もあり、ロガルの歴史や作り方を、職人による実演や参加型のショーを通して楽しく学ぶことができます。ポズナン特有の方言や文化も紹介され、英語にも対応。旧市場広場に面した建物にあり、体験時間は約1時間です。
 


 

この記事のまとめ
 ケシの実を使ったお菓子は、ポーランドでは定番中の定番。つぶつぶ食感が増したアンコのような感じで、日本人の口にも合いやすいと思います。でも実は、私はあんこは好きですが、ケシの実の食感が苦手なので、聖マルチンのロガルはひと口程度しか食べていません。笑
それでも、ご当地グルメといえば食べたくなってしまうもの。味そのものはおいしかったです。ポズナンに行くたびに「聖マルチンのロガル食べないと!」と探していましたが、今回ようやく味わえて、これでもうポズナンに悔いなし

 

 

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あやか
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