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第15回ヴィエニャフスキ・コンクールの実態を暴く

謝ったら負けだと思っているタイプ
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クラクフ市公認ガイドのカスプシュイック綾香(本名)です。2014年以降、ポーランド在住。ガイド・通訳業の傍ら、旅行や生活に欠かせないポーランド情報をお届け中!
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ウクライナ支援活動のご報告
ルワンダの教育支援団体設立

 

お待たせしました。またしばらく慌ただしい日々を送っていたので、皆さんの興味が冷めてしまった頃にこの記事を公開することになってしまいました…。

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このページの目次
1. 納得いかない人達の声
2. いるべきでない出場者
3. 疑問視されたコンクール
4. ザハール・ブロンの告白
5. この記事のまとめ

 

納得いかない人達の声

こんなの絶対フェアじゃない
こんなの絶対フェアじゃない
ファイナルに残った日本人は2人。

日本人にとっては華やかな結果に終わった第15回ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールでしたが、そこには信じられない裏がありました。

内1つを知ったのは、ロケ4日目。

それは次の項目で紹介しますが、コンクール公式サイトFBのコメント欄を見れば分かることでもあります(ポーランド語でのコメントが多いですが)。もう、すごい叩かれていましたよ。

一部を挙げると、「なぜこの人がここで演奏しているんだ?」「このコンクールは最初から仕組まれている」など。一時はコンクール側も「なぜあなたがそう思うのか、興味深いね」と挑発するようなコメントを返していました。

photo by RR
photo by RR studio agency
事態がはじめに悪化したのは、上の写真が撮影された日です。つまり、二次予選通過者が発表された時ですね。

まず私は、服部が残らなかったことに関係者と共にビックリしました。

というのも、服部の実力からして彼女が落ちるというのはもうほぼ絶対ありえないことだったからです。これまでの日本国内・海外でのコンクールでずっと優勝してきた強者が二次予選で落とされるなどありえるのでしょうか?

最終的に、服部が “落ちた” のではなく “落とされていた” ことは明らかになりました。プロのヴァイオリニストであるコメンテーターも「服部がいないのは残念だ」と述べていましたし、コンクールを見ていた一部の人達も「なぜ服部が落ちたの?!」とざわついていました。

photo by RR
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上の写真の彼女は、ポーランド人のツェリナ・コツ(Celina Kotz)。

彼女はポーランドが最も期待していた優勝候補の一人です。しかし、セミ・ファイナル通過者発表の日、彼女の名前が呼ばれることはありませんでした。

一部のポーランド人は再び疑問視。

違う言い方をすれば、ファイナルに残ったメンバーがサプライズすぎたんですよね…。ツェリナの実力について私は知らないので多くは語れないのですが。

ただ、ファイナルにまさかの周防が残っていたり、服部やツェリナが落とされたり、そういうことが重なってコンクールを真面目に追いかけるのがバカらしくなった人が増えてきたのか、ジョークの優勝画像まで流されていました。

右の人物がヴェンゲロフ
ヴェンゲロフ氏 by RR studio agency
彼に関することでここに書けないこともあるのですが、少なくとも多くの関係者はヴェンゲロフが5年後にこのコンクールにいないことを願っています。

ちなみにヴェンゲロフはポーランド人ではありません。委員長より上の立場である名誉審査員はポーランド人のペンデレツキですが、名誉的存在なのでヴェンゲロフほどの権限はないようです。
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補足説明

当記事ではヴェンゲロフが悪者のように書いていますが、実はメディアではヴェンゲロフとは言わず「審査員」と濁した形で批判しています。

しかし、これらが少なくともヴェンゲロフによって巻き起こされたことは関係者の発言からして明らか。ヴェンゲロフに加担した審査員が他にもいるかもしれませんが、私が勝手に彼と断定して逆恨みの記事を書いているわけではないので誤解はしないでください。

また、現在コンクールのFBにて投稿されたコメントで批判内容と捉えられたものは削除されています。都合が悪くなったので削除したのでしょうが、コンクール開催中は多くの人が審査について疑問を投げかけていました。

 

いるべきではない出場者

photo by RR
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今回のコンクールで最初に問題となった人物は、周防亮介です。

名前を出そうか迷いましたが、ポーランドメディアも「周防は本来ここにいるべきではない」とハッキリ名指ししていたのでイニシャルを使うのはやめました。

周防は予備選を受けていないにも関わらず、ヴェンゲロフの個人的な計らいによってコンクールに出場した人物です。

これには納得いかない人も多く、当然コンクール開催前から怒りや疑問の声がありました。そして、「なぜ彼が出場するのか」という疑問に対してコンクール事務局はこう回答しています。
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ヴェンゲロフ氏は、世界の若いヴァイオリニストにチャンスを掴んでもらうためにヴェイエニャフスキ国際ヴァイオリン・コンクールの審査委員長を務めています。

コンクールの予備選は優秀な若者を見つけるための方法として最も簡単で有効です。

また、ヴェンゲロフ氏はなんらかの理由で予備選に参加しなかった若者の中にも将来性がある人材を見つけることがあります。

今年5月の日本滞在中に聴いた紀尾井ホールでのコンサートに出演した若者について、是非ポーランドの本選に参加してほしいと思いました。これはヴェンゲロフ氏の特別枠と考えてください。

– Flagship Japan 06/24/2016 の FB に投稿されたポーランド事務局からの回答

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しかし、特別枠などそんなことは本来あるべきことではありません。

周防は「辞退するべきだ」と言われていたそうですが、「いやいや、せっかくヴェンゲロフ氏から直接お声を掛けていただいたのだから」と言わんばかりにコンクールに出場してしまいました。

こんな例外措置があるのでは、「このコンクールは八百長があるのでは?」なんて言われても仕方ないのです。

 

疑問視されたコンクール

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以下のまとめは、様々な人が何度もコンクールに訴えていたことや関係者、ポーランドメディア(主に国営局)からの情報です。客観的事実も含まれます。
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  • 地区予選から「おかしい」という声が挙っていた(周防亮介がいる件)
  • 審査員の意思ではなく、ヴェンゲロフ側の都合で途中参加やキャンセルとなった審査員が複数いる
  • 今回のコンクールの結果に納得がいかない審査員が複数いる
  • 審査員のブロン氏は「コンクールの審査は間違っていた」と断言した
  • 審査員の一人だった辰巳氏の生徒(日本人女子全員)が二次で落選し、なぜか辰巳氏はファイナルだけ審査員として参加することになっていた
  • ポーランドメディアも今回のコンクールには懐疑的な態度を示している
  • ポーランド国営ラジオは、今後のヴィエニャフスキ・コンクールの存在意義のためにもコンクールのルールを改めるべきだと訴えている
  • 5年後の第16回コンクールでは会長が変わる予定(高齢だから?)

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ザハール・ブロンの告白

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最後に、審査員の一人でもあり、ヴェンゲロフを一流に育て上げたザハール・ブロン氏のコメントを紹介します。

ただ彼の表現は独特であり、また元々は話し言葉のために一言一句正確に訳してはいません。なので、転載は絶対にしないでください(リンクは可)。
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コンクールの審査員が最も重要視すべきことは、(審査に対する)責任だ。(略)審査員にとっての1番の大きな過ちは、個人の才能を否定することである。

私の生徒の内200名近くが様々なヴァイオリン・コンクールで入賞してきたが、ヴェンゲロフのような才能を持つ者はこれまでに10人、もしかしたら15人だったかもしれないが、それ以上はいない。そして、彼らは本物の才能を持っている。

(略)想像してみてほしい。もし、1935年の出場者であるダヴィッド・オイストラフ(ブロン氏の尊敬するヴァイオリニストの一人)がヴィエニャフスキ・コンクールで優勝していなかったら、我々は当時の審査についてどんな意見を述べるだろうか。それは、よい審査結果だったと言えるだろうか。ちがう!

本物の才能というのは個性であり、それは他の人と比べることはできない。だから、我々の(審査員としての)仕事はとても難しく、個性を比べることができないのがコンクールの欠点でもある。しかしその一方、コンクールは若い音楽家達に最大限の(道を切り開くための)機会を与えることができる。

今日の多くのコンクールは、本物の才能を促進していない。音楽家達の未来における潜在能力の可能性を考えず、審査員の前で行われた演奏がどうであったかというのを見ている。しかし、才能ある音楽家がいるのであれば、審査員の役割はその才能を傷つけないことである。もちろん、これは私の個人的な意見だ。

ヴィエニャフスキの最初のステージでは多くの良いヴァイオリニストがいたが、そこには数人いるべきでない者がいた。問題は、そのいるべきではない者達の一部がファイナルに残っていることだ。

ここで私は、二次予選で審査員が落としたある一人のヴァイオリニストを挙げよう。そのヴァイオリニストこそが本物であり、ユニークな才能を持っている者だった。彼女の名前は、服部百音だ。

彼女はプロフェッショナルというだけではなく、その年齢からしても驚くべき才能を持つ人物なのである。もし、5年後にその判断が誤っていることが分かったとしたら、あなたに謝罪しよう。しかし、私は間違っていない!

こういう場面で、私はいつも90年代のリピンスキ・ヴィエニャフスキコンクールについて触れる。あの時、当時10歳だったヴェンゲロフを優勝させることを拒否した審査員達と討論をしたんだ。そしてなんとか、2人に1位を与えるということで彼らを納得させた。さて、(審査員の中で)誰が正しかったか?

この私だ!今日、ハッキリとそう述べることができる。

(「あなたは今年のコンクールでそのような才能を見つけることはできましたか?」という質問に対して)ファイナルでは、2、3人はとても良いヴァイオリニストだった。服部百音ほど良くはなかったかもしれないが、本当に良かったとは言える。しかし残りの4人はゲストでしかなかった(=ファイナルに残るべきというほどでもない)。

(略)ふつう、私はこれほどまでに厳しい評価をしないのだが、この業界にいつまで留まることができるかも分からないからハッキリと言わせてもらう。今年の審査は、間違っていた。(略)

– Polskie Radio2 10/21/2016


 

この記事のまとめ

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タイトルでは「実態を暴く」なんて大げさに書いてしまいましたが、完全にはここで暴けてはいません。すみません。

結局私は外側の人物なので断定できることは限られていますし、この内容に意見される方がいるとしてもそれについて語るつもりはないです。そもそも、このコンクールがここまで物議を醸していたことを知らない日本人が多いでしょう。

当記事は1週間以上パスワードをかけて編集していたので(実際には忙しかったのでなかなか書けなかった)、「あの記事、気になるんですけど…」というような声をいただいていました。

そしてついに公開したのですが、これらの事実を読者の皆さんが知ったからどうなるといった話でもありません。

しかし、ポーランドではこんなにも議論されいるのに日本では「日本人2人が入賞!」というニュースしか流れていないのには、やや不満がありました。だから、こうして記事を書いたまでです。

私は服部の熱狂的ファンでもなければ(彼女の演奏は好きですが)、周防を恨んでいるわけでもないですし、打倒ヴェンゲロフとも思っていません。そんな私から見た、おかしな第15回コンクールを冷静にまとめたというだけです。

私にとっての一番の疑問は、ヴェンゲロフはなぜ服部を二次予選で落としたのか。服部もヴェンゲロフと同じく、10歳の時に出場したリピンスキ・ヴィエニャフスキ国際コンクールで最年少グランプリを獲得しています。なぜそこまでの才能を持つ彼女にチャンスを与えなかったのか、やはり気にはなるところ。。

ヴェンゲロフが年老いた時にでも暴露してくれたらいいなぁ。
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今日のポーランド語

krytykować

krytykować(クレテコヴァチ)は「批判する」という意味の動詞です。

“ostro krytykuje”(オストロ  クレテクイエ)で「激しく批判する」。批判は、なるべくしたくないものですが…。

 

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13件のコメント

北島 公彦 より:

コンクールとは、時々そういう事があるんですよね。幸い、私は出くわしてはおりませんが・・・。残念だった人、ラッキーだった人、チャンスが在ったら聴いてみますね。興味深い記事をありがとうございました。

Ayaka より:

北島さん

コメントありがとうございます。
なにもヴィエニャフスキに限ったことではなく、こういうのは表に出るか出ないかというだけで割と頻繁にあることなのかもしれませんね。
正直なところ、審査員は出場者達の先生といったパターンがほとんどのようで若干のひいきはあると思うんです。
でも、それぞれの出場者の先生が審査員なのであれば、ある意味公平さは保たれていますよね ^_^;

それにしても今回の不正はさすがにアウトです!
5年後のヴィエニャフスでは、出場者が審査員のエゴで左右されないコンクールになることを願います!!

J.K より:

世界的に有名なバイオリ二ストの推薦を受けて出るか、地区予選から出るかで本人も相当悩んだのでは無いかと思います。でも、もう、結果が出てしまったのですから、これからが周防さんにとっての正念場ですね。

Ayaka より:

J.Kさん
現場で出場者の方々の意見を聞いていると、こうした批判を招いてしまうのは仕方ないと感じました。
しかし、周防さん自身にもファンが多くいらっしゃるようなのでこれからも頑張ってほしいと思います。

ガイゲ より:

初めまして。関西在住の者でヴァイオリンを趣味としています。
百音さんの演奏は何回か聴きましたが、毎回素晴らしいです。
コンクールというものにはいろいろとある様で…ここでは書けませんが。
今年の4月にポーランド旅行に行きます。何回かオーストリアには行っていますが、昨今のヨーロッパの治安が不安でこちらのHPに辿り着きました。
HPの記事を片手にポーランドを楽しんで来たいと思います。

Ayaka より:

ガイゲさん

はじめまして!
コメントありがとうございます。
ヴィエニャフスキももう数ヶ月前になるのですね…。
私は、初めてのコンクール鑑賞でいきなり現実を知ることになりました。
ザハール・ブロン氏も色々と言われているようですし、大きなコンクールになるほど影の部分や噂があるようですね (^ ^;)
エリさんとお話しして、色々とビックリさせられました。

春のポーランド旅行、充実したものになるとよいですね (*^^*)
ポーランドなびの情報は、自分で言うのもなんですが役立つ旅の知識が満載です。
きっと素敵な旅行になりますよ。
これからもどうぞご愛読ください。

ガイゲ より:

先ほどのコメントで間違いがありました。「今年の4月」ではなくて「来年の4月」です。すみません。

エム より:

若いバイオリ二ストがチャンスと思える話を貰って挑戦してはいけないのでしょうか。どのコンテストも公明正大ではないのでしょうが、名指しされてるバイオリ二ストが不正に加担したわけではないと思います。尊敬する大先輩に誘われて謙虚な気持ちで臨んでいるのではないですか。実名を出すということはしっかり取材、裏取りをされたのだと思いますが、該当のバイオリ二ストが気の毒に思い書き込ませて頂きました。

Ayaka より:

エムさん

コメントありがとうございます。
第15回のコンクールに関して気の毒だった人は審査員も含め、何人もいらっしゃいます。
彼自身も出場の話を受けたとき、例外的に出場枠をもらって実際に出場することに関して、非難の声が出ることは十分予測できたのではないかと思います。
また、実際に「辞退すべきでは…」と言われていたのに出場を決めたのは本人です。
私は、周防亮介にそれだけの才能があることは素人ながらに認めますが、それとこれとは別件だという意見が目立つように感じました。
また、当記事では客観的事実の記載となるので再編集は今のところ考えていません。
納得いかないかもしれませんが、ご理解のほど宜しくお願いします。

現地住人 より:

今更感はありますが・・・ブロンは今まで自分がやってきたことを昔の弟子ヴェンゲーロフにやられただけっていう話です。
ブロンは自分の今のお気に入り、一押しの服部百音が賞をもらえなかったので、急にこういう正論パフォーマンスに出た。
生徒の親が彼に札束渡して、次のコンクールはうちの子よろしくお願いしますって言ってる場面を見た元生徒なんて何人も知ってるし、同じような手でブロンにつぶされた若いバイオリニストなんて腐るほどいます。
昔、知り合いの教授が言っていましたが、服部さんが賞を取ったあるコンクールでも、彼からプライベートで審査員全員すごい接待を受け、その席で、「ではこれで私の生徒は全員ファイナルに残るということでよろしく」と公言したりだとか、ヨーロッパでは昔から黒い存在として有名です。(知り合いの教授も審査員でした)
最近は昔ほどの人気もなく、大きな賞を取る弟子も減っている中で、服部さんはヨーロッパでの復権を狙う彼の希望でもあったわけです。(もしくはビジネスチャンス)
彼にまつわる黒い話など、山のようにありますし、コンクールを(特に、東欧、ロシアの)このようなものにしてしまった責任の一端は絶対彼にあります。
それをいまさら正論を持ち出して何かを主張するなど、現地のバイオリニストたちから言わせれば、馬鹿馬鹿しいことこの上ないと言わざるを得ません。

服部さんは、「ブロン先生が審査をしていない」ほかのもっと有名な国際コンクールをどんどん受けて賞を取ったらいいのです。
結果としてそれで彼女の実力も折り紙つきになるのですから

Ayaka より:

現地住人さん

こちらの記事に対するコメント確認が遅くなりました。
申し訳ありません。

私もブロンのことをあまり知らないので、公の事実だけを書いたつもりです。
音楽業界に限らず、このような上を争う世界では黒い話もありますよね…。
この業界のことには素人でそこまで口出しできませんが、貴重な意見としてコメントを承認しました。
ありがとうございます。

辻川 義信 より:

はじめまして
 第16回ヴィエニャフスキ・コンクールは、前田妃奈さんが優勝しました。
日本からの出場者の誰かを特に応援することもなく、ファイナルのストリーミングを聴いておりました。ファイナル3の妃奈さんのブラームスに対しては、何回もミスがあるのに優勝とは?審判員達はどんな採点をしたのか等、賛否入り乱れての舌戦が繰り広げられていました。私自身といえば、両陣営の応酬をある程度楽しみながらの観戦でした。ガラコンサートを聴いた後で、妃奈さんのパワフルな演奏に接するにつれ日本からもこの様に個性的な若手のミュージシャンが輩出するに至ったのかと感慨に浸りました。ヴィエニャフスキ協会のホームページで公開されている各ステージの採点をチェックしても妃奈さんは、2.1,2.2,3では最高得点を獲得しトータルでも他のライバル達を圧倒していたので、このコンクールの審査の内訳には私も納得でした。

 しかし、昨夜「第15回ヴィエニャフスキ・コンクールの実態を暴く」という記事が偶然目に留まりました。当然のことながら興味を持って読ませて頂きました。読後にそれでは、第16回大会の採点についてはポーランド現地では一体どのような評判だったのかを直接お聞き致したく連絡を差し上げた次第です。貴方の記事の中では、最後の「ザハール・ブロンの告白」が大変に印象的でした。「本物の才能というのは個性であり、それは他の人とは比べることができない。だから審査員としての仕事というものはとても難しく、個性を比べることができないのがコンクールの欠点でもある。」とはけだし名言です。
 妃奈さんの場合には、彼女のミスを補っても余りある程の個性が他のライバル達よりも上回っていたので栄冠を勝ち得たものと私は判断しています。彼女の演奏スタイルはマキシム エンゲロフ氏を彷彿とさせるものがあり、個人的には彼女をMaxima Vengerovと呼んで楽しく鑑賞しております。彼女は、ヴィエニャフスキ協会が企画した20ヶ国に渡る60会場での演奏旅行を今年一杯掛けて遂行中ですが、ポーランド現地での本戦後の風評や妃奈さんのエピソードがありましたら、この記事同様に忌憚のないご意見・感想などをお聞かせ頂けないでしょうか? 

ご意見、ご感想ありがとうございます。
ただ私はヴァイオリンについてほとんど知らず、優勝された前田さんへのコメントも特にありません。
もちろん、若い日本人がこうして活躍していることには嬉しく思っております。
長文のコメントを書いていただいたにも関わらず、このようにしかお返事できず申し訳ございません。

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