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この記事の内容
2020年10月22日、ポーランドの憲法裁判所は、”胎児の先天性異常を理由とする妊娠人工中絶は違憲である” という判決を下しました。
この判決によって国内各都市で大規模なデモが起こっていますが、多くのメディアは中絶の倫理的問題や社会の課題には触れず、ポーランドは女性の権利を奪う極右政党であると批判しています。
この問題を把握するためにはまず、2016年の中絶禁止法案騒動も知っておくべきだと思います。当時、メディアが報じることは必ずしも真実ではないということを知り、また中絶を支持する人々の主張にショックを受けました。
中絶反対派として、一人でも多くの方に、障害を排除しようとする優生思想の恐ろしさ、命の重さについて考えてもらいたく当記事を書くことにします。
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この記事の目次
❶ 胎児は罪のない人間である
❷ 2019年のポーランド中絶事情
❸ ダウン症の根絶を実現した国
❹ 障害を排除するという優生思想
❺ 2016年の中絶禁止法案問題
1. ある団体が中絶禁止法案を提案
2. 署名活動の結果、審議に持ち込み
3. 改正反対派がついた大きなウソ
❻ 違憲判決反対のデモ騒動に思うこと
❼ この記事のまとめ
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胎児は罪のない人間である
。胎児が障害や重大な疾患を持っている、子どもを育てる経済力や環境がない、自分の夢を諦めたくない、性暴力での望まぬ妊娠…。 。いずれの理由で中絶したとしても、死んでしまった胎児に一切の罪はありません。これだけは不変の事実であり、消えてしまった命が戻ってくることも二度とないのです。 。私としては、本来こういった問題は法律で決めることでもない、人々の倫理的価値観と良心に任せられるのが一番の理想だと思います。 。一方、個人の判断に委ねた結果、日本では年間16万件の中絶が発生しています。
そうなると法律で中絶条件を定めるべきだ、そう思う人が出てきてもおかしくありません。
2019年のポーランド中絶事情
。ポーランドの人口は3,800万人であることを踏まえても、下記表を見れば、日本と比べて中絶が圧倒的に少ないと分かります。 。人によっては「どちらにしても少ないからいいじゃないか」と思うかもしれませんが、本来であれば何十年も生きることのできる命が何百と殺められている事実は見過ごせません。.
中絶した理由とその件数(2019) | |
ダウン症 | 435件 |
臓器/器官の欠陥 | 356件 |
トリソミー18/13 | 148件 |
その他の疾患 | —– |
母体を守るため | 33件 |
性暴力における中絶 | 3件 |
合計 | 1,110件 |
【参考】現行の法律では、❶レイプや犯罪による妊娠 、❷胎児に身体・知的障害が発覚した場合 (→違憲の判決)、❸母体に危険を伴う可能性がある場合は中絶が認められている |
ダウン症の根絶を実現した国
。アイスランドでは、出生前診断でダウン症の可能性があると告げられた場合、ほぼ100%の妊婦やその家族が中絶を選択します。 。また、フランスではダウン症と分かったら96%の女性が中絶するそうですが、これもアイスランドのようにダウン症の根絶が実現しようとしている一歩手前と言えます。 。さて数年前、楽しく生きるダウン症の子どもたちのCMがフランスで放映されました。その影響でダウン症をポジティブに捉える人が増えましたが、一方で非難が始まりました。
。結果、フランスの放送規制機関は「中絶した女性の良心を乱すから放送すべきではない」と判断し、放送を中止したとのこと。
もし放送され続けていたら、きっと、もっと社会はいい方向へ向かったはずなのに…。 。ダウン症の子どもはいつもニコニコしていて天使だ、人々からとても愛される、そういうのを聞くと嫌気がさす人もいるでしょう。
実際、苦労している人だってたくさんいるわけで、家族の負担になるには変わりないと。
でも、世界は変わり続けます
。何十年前と比べれば障害者に向けた福祉・雇用制度は確実に改善されており、さらに胎児期治療や治療薬の研究も進められています。 。しかし障害を排除しようとすれば差別が生まれ、また、育てられる環境と理解がないから生みたくても生むことができず、それがダウン症への根絶意識へと変わっていくのです。
障害を排除するという優生思想
。もし、障害や病気を持つ子どもが受け入れられないのであれば、子どもを持つべきかもう一度考え直すべきではないでしょうか。 。生まれた時は健康でもいつ大きな病気にかかるか、事故に遭うか分かりません。万が一そんなことがあったら、親や世間は子どもを見放し、殺すことができるのですか? 。仮に健康だったとしても、心身に問題を抱えて自立に時間がかかることもあります。
一生健康という保障はなく、自分がいつ障害を持つ立場になるかも分からないのに、先天性異常を理由に殺めることが許されるのか…。 。障害を持つ人たちが絶対苦難の道を歩く、というならともかく、そうではないのです。 。ナチスは優生思想に基づき、遺伝性疾患や障害を持つ人々を組織的に殺害しました。
これを安楽死政策と言いますが、ダウン症をはじめ、遺伝性疾患を持つ胎児を中絶するという考えはナチスが犯した過ちと同じなのです。 。他国のようにダウン症を根絶しようとする風潮が生まれてからでは遅いです。
そんなことにエネルギーを注ぐより、障害者を持つ家庭や本人のための金銭的・社会的援助を政府に要請し、社会に相互理解を求めていくのが人間らしい行動と言えると思います。 。なにも、先天性異常を持つ胎児の命を犠牲にしなくてもいいのではないでしょうか。
だって生きづらくしているのは私たちが生きる社会であり、新しい命のせいではないから。
2016年の中絶禁止法案問題
。では、ポーランドの中絶問題に話を戻し、2016年に世間を大きく騒がせた中絶禁止法案問題について触れていきましょう。
1. ある団体が中絶禁止を提案
。事の発端は “オルドー・イウリス” という団体が “STOP ABORCJI“(中絶ストップ)というフレーズを掲げて、中絶に関する現在の法律を指摘したことから始まりました。 。団体メンバーには法律家が数人おり、設立された目的は 「ポーランドの中絶に関する現行の法律の改正を呼びかけるため」であって、それ以外の活動は特にしていないようです。.
現行の法律 中絶できる場合 ・レイプや犯罪による妊娠 ・胎児に身体・知的障害が発覚した場合 ・母体に危険を伴う可能性がある
改正法案 中絶できる場合 ・中絶は原則できない ・母体が危険である場合は中絶可能 ・中絶した場合は刑罰を与える
2. 署名活動の結果、審議に持ち込み
。国民が法律改正を政府に審議してもらうためには、最低10万の署名が必要です。“中絶に関する法律の厳格化を求める署名” は約45万も集まり、改正反対派も同様に活動を始めて約20万の署名を政府に提出しました。 。反対派の中でもチャルネ・プロテストと言われる人々は黒い服を着てデモを行い、唇を真っ黒に塗ったり、子宮や女性性器の絵を見せ、暴言を吐くなど過激な行動に出ました。 。書類を受理した政府は多数派である改正支持派に寄り添う姿勢を見せましたが、結局のところ、チャルネ・プロテストの激しい抵抗もあってか改正法案は実現しませんでした。
3. 改正反対派がついた大きなウソ
。一部の改正反対派や現政権を極右政党だと批判する人々は、ウソをつきました。日本のメディアも信頼できない情報をあたかも本当のように報道し、誤解を与えました。 。ワルシャワ日本語学校関係者のMさんも「中絶を完全に禁止することについて賛成している国民はたった6%」と発言しましたが、ちょっと矛盾がある苦しい内容となっています。
ではなぜ政府は6%しか支持されていない中、法案を通そうとするのか。
———(実名なので名前は伏せます)さんは「今の政権が野党だった頃、保守派に対して『中絶を完全に禁止にする』と約束していた。そして、保守派のおかげで選挙に勝ち、与党になることができた。与党になった今、”中絶禁止法案”を実現するという約束を果たそうとしている」と分析した。
出典元の記事は削除されました
禁止法案反対派の発言内容
・禁止法案は政府のプロジェクト
→オルドー・イウリスのプロジェクト
・禁止法案では、妊娠や出産によって母体が危険にさらされる場合でも胎児の命が最優先
→その場合は、禁止法案でも中絶可能
・主に年齢層の高い人や教会、男性が禁止法案を支持している
→後述のアンケート参照
・大多数は禁止法案に反対
→後述のアンケート参照
。次に、ポーランドで最も信頼できるアンケート調査会社 CBOS と IBRIS による、禁止法案に関するアンケート結果を見てみましょう。
。この結果を見れば、上記の反対派の発言内容が誤りであることに気付くと思います。
CBOS こんな場合は中絶が可能 ・母体の命が危険な場合 はい 84% いいえ 8% ・胎児の命が危険な場合 はい 62% いいえ 21% ・胎児に障害がある場合 はい 61% いいえ 23% ・妊婦が18歳未満の場合 はい 20% いいえ 65% ・妊婦に経済的困難がある場合 はい ? いいえ 81% ・妊婦が子どもを望まない場合 はい 12% いいえ 78% 出典 www.rp.pl (16年5月実施)
IBRIS 母体の命を優先する以外の点で、あなたは中絶禁止法案に賛成しますか? はい 58% いいえ 30% ◆「はい」と答えた人の内訳 女性 57.9% 男性 59.5% 18〜24歳 79.2% 65歳以下 48.7% 出典 www.rp.pl(16年6月実施)
違憲判決反対のデモ騒動に思うこと
。私は中絶反対の立場ですが、だからといって賛成派と言い争うつもりはないです。
きちんと話し合いをして、反対派と賛成派が限りなく寄り添うことのできる案を模索することが最も重要ではないかと思っています。
そのような考えが当たり前にならないよう、命あっての人権であると気付いてほしいです。
しかし残念ながら,ダウン症の人は社会の一部から見ると価値のない人間だと思われています。そのような見方をする人は,完璧な人間を目指しているのでしょうか。
私は,人が完璧でないという理由で命を奪う社会はとても恐ろしいと思います。そうなるのであればお腹の中の赤ちゃんにちょっとした異変があれば社会は中絶を勧めるのでしょうか。これからの未来がすごく心配です。
世の中には,いろいろな人がいるからこそそれぞれが個性を出し合うことで社会が明るくなり,人や国が豊かになると思います。ある時,母が私にある事を聞きました。
「もし,弟からダウン症という障害を取る事ができるのであれば取りたい?」 と。その時,私は絶対に取って欲しくないと思いました。今の弟が,私の大切な弟だからです。成長が遅くても,発音が完璧でなくても,スポーツがそんなにうまくなくても,私の明るい,面白い弟は,私にとっては,そのままで完璧な弟なのです。出典:学ぶことは生きること
当人しか分からない事情があるとしても、もし社会の意識を変えることで中絶しなくてもいいという考えになるのであれば、思い留まってほしいです。人の命に関わるのだから、倫理的に冷静に考えてみてください。障害をつくっているのは私たちの生きる社会であることを忘れずに…。
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お若いのにしっかりとした意見をお持ちですね。よく勉強なさっていて偉いと思います。でも、一方的な方面からしか物事を見られていないようで、残念です。チャルネ・プロテスト(プロテスタントではありません)に参加している女性達はただ単に中絶禁止法案だけに反対しているのではありません。ポーランドという国が、沢山の犠牲を払ってやっと手に入れた自由を今の政権に奪われようとしている、その状況に対して怒っているのです。(今の日本も同じような道を進んでいますが)PISが与党になってからどれだけのジャーナリストが職を奪われたか知っていますか?
記事を読んでいただき、ありがとうございます。
kageさんと私では反対の意見のようですが、私なりにコメントに対する返信をさせていただきます。
もし他の政党が政権を握っていたとして、ポーランドが今の状況より良くなる保証なんて1つもありません。
記事でも、中絶禁止法案反対派がただこの法律に対して抗議しているわけではなく、政党に対して抗議をしているということにも触れたつもりです。
それに恐らく、中絶禁止法案だけではあんなにカッカしないでしょう。
しかし、そういった方達には残念ですが、ポーランドの大多数の国民が今の政党を選びました。
記事でも書いた通り、万人が納得いく政治というのは不可能でしょう。
大勢のジャーナリストが解雇された件は知っています。しかし、なぜポーランドがここまでメディアの規制に踏み切らなければならかったか、その理由を考えることも大切です。
なぜかという、ポーランドとしての自由がなかったからでしょう。
法と正義が政権を握る前、ポーランドメディアの内約60%がドイツのメディアでした。
政治はドイツやEUの都合のいいように解釈しなおされ、誤ったニュースが世界中に流されていました。
ポーランドは他の欧州とはどこか違う方向を向いているようで、それで嫌われやすいですが、どれだけ嫌われようが自国を守る態度は他国も見習うべきところがあると思います。
そんなに西欧のいう自由が欲しいのなら、もう彼らはポーランドを出て行くしかありません。
と、それは言い過ぎですが…。
メディアの規制に踏み切らなければならない?ポーランドとしての自由?ただPIS、与党とは違う考えのジャーナリストを排除しただけですよ。
もうすでに沢山の若者達(だけではありませんが)がポーランドを出ていきました。
私は今の政治、外交の状況が時代に逆行しているとしか思えなく、ポーランドに十数年在住する日本人として危惧しています。
では、ドイツやEUの誤った情報に犯されたポーランドでよいということでしょうか。理由はそれだけではありませんが。
そして出て行った若者達は出稼ぎや単にEUに加盟して他国に移住しやすくなっただけ、というのが大きいでしょう。
もちろんポーランドが嫌いな人もいるでしょうが、そんな人はどこの国でもいます。
日本人でも日本が嫌いで出て行く人がいるでしょう。
そんな話をすればキリがありません。
例えば、難民問題はもしあのままドイツの言いなりになっていればどうなっていたでしょうね。メルケルは、自国の難民受け入れについて後悔していましたが。
ポーランドは自国の意見を貫いて本当によかったと思います。
そして、当記事は中絶法案について書いたものです。私の意見が気に入らないのはわかりますが、ここで議論したくありません。だからといって、メールして話し合う時間もありませんが、こういう意見もあるということでご理解ください。
私は、中絶法案に対する事実を述べるために当記事を書きました。
EUがあったからポーランドが豊かになれたところもあると思いますけど、どこまでドイツやEUを敵視するなら、思い切って離脱についての運動始めてみたらどうでしょうか。イギリスの前例もありますし。関税は高くなり、西欧の工場なくなりますけど。それも1つのチョイスだと思いますよ。
私はそのようなつもりでこのように書いたわけではありません。貴重なご意見ありがとうございます (^ ^)
『たとえレイプによる妊娠だとしても生むべき』という言葉にゾッとしました…。ちょっとそれは…。自分が“普通に”考えたら、それは残酷過ぎる事だと思います。
私も女性ですから、もし自分がレイプされたら計り知れないほどのショックで苦しむに違いありません。
ただ、もしそれで妊娠した場合に「レイプで出来た子どもだから中絶する」というのも残酷なことです。
意見が分かれる問題なので、個人の方に対してレイプと中絶のどちらが残酷と決めつけようとは思っていません。
ただ、ポーランドと日本ではあまりに死に対して考え方がちがいます。
それはカトリックという宗教観から来るものでもありますが、カトリックでは自殺や中絶は最も重い罪の一つです。
もし、それに同調する者が現れれればこういった運動がポーランドで起こることは無理もありません。
ポーランドのことはよく分からないので、なんともいいようはありませんが。。
妊娠中絶を法律で禁止させるのには、反対です。ただし、妊娠中絶を積極的に推進する気もありません。
あくまで「禁止」を法律として認めるのに反対します。
理由は、中絶はあくまで、妊娠した人の意思決定であり、法律で意思決定を妨げる必要性が存在しないと思うからです。
「殺人」がすべて悪いから中絶禁止が必要だ、という論理だと、死刑を完全廃止する必要もありますし、世界中から軍隊をなくす必要もあります。
おそらく論理的に整合性が取れないと思います。
確かに妊娠中絶がいいことだとも思ってません。中絶って言葉は中立的ですが、実際には、気持ちがいいことではありませんし。。
しかし、個人を尊重するという立場からすると、その個人の意思決定を妨げるのはある相当の理由が必要になると思います。
はっきり言って、私から言わせれば法律を作るということは税金を使うということです。そして、税金をつかって妊娠中絶を禁止した場合の利益を考えると存在しないことが明らかです。今は中絶が18万件?あったとして、私への不利益はありませんから。
例えば窃盗は法律で禁止されていますが、窃盗罪は私の利益になっています。
そういう意味で、妊娠中絶があったからと言って、私の生活は特に変わりません。
すべてを利益で考えているわけではありませんが、税金を使う割に、特にいいことがないのは明らかです。
ということで、「禁止する理由としては足りない」というのが中絶禁止法案への反対理由です。
処罰としての死刑や任務という軍隊においての「人を殺す」と、中絶の「人を殺す」は大きく異なります。
意思決定が出来ない胎児の命を「大人の理由で」捨ててしまうことを中絶といいます。
子どもがまだ育てられる年齢ではないから、子どもがすでに十分いるから、身体障害が見られるからなど、そのような理由で命を捨てることができるのです。
そんなことはお分かりかと思いますが、中絶禁止法案を提案している団体は「殺人が悪い」ということに論点があって中絶を反対しているわけではありません。
「胎児の命を尊重せよ」と訴えているのです。
禁止法案の反対者と賛成者の温度差は、胎児の命あるいは大人の事情のどちらを尊重しているかにあるのでしょう。
もちろん、反対者全員が中絶に完全賛成というわけではないのは分かっています。
しかし、罪のない胎児の命を人として尊重すればするほど賛成者となり、女性の権利というものや大人の意思決定を尊重すればするほど反対者になってしまいます。
中絶禁止法案を税金や私たちへの利益と関連させるのであれば、(私には特にそういった考えはないのですが)中絶禁止法案は利益になると思います。
今はポーランドもですが、日本など多くの国が少子化で悩まされています。
少子化によって、年金支給額の減少、経済力の衰退、世代間格差による社会問題など深刻な影響がもたらされています。
これらは私たちにとって明らかに不利益ですから、中絶によって多くの子どもを失うことは不利益だと考えられます。
いかなる理由でも中絶が法律によって禁止されてるいる他の国で薬による人工中絶と自然流産の区別がつかず、自然流産の女性が投獄されるケースが多々あるとありました。
法制化するのならば、このケースもきちんと判断できないと、それこそ女性の人権が危険にさらされると思います。
またレイプによっても出産しなければならないとして、その子供は出産した女性が育てていかないといけないのでしょうか。本人が希望した妊娠でもなく、これから何年も養育の義務が付きまとうのかと思うと、実際自分に起きた場合を考えるとゾッとします。
考えをお聞かせください。
私は中絶について議論をするために当記事を書いたのではありません。
女性の人権と、中絶によって命を落とす子どもの人権のどちらが大事か、これについてはさまざまな意見があるでしょう。
私のお腹に赤ちゃんがいたとして、その赤ちゃんを産めば自分の命が危ういといった場合、私は間違いなく子どもの命を選びます。
私はそういう考えの人間ですので、中絶賛成派になることはないでしょう。
またレイプによって出産し、どうしても子どもを育てられない場合、施設に預けることが可能です。
それなりに覚悟のいる手続きが必要ですが、本人が絶対に養育しないといけないという義務はありません。
レイプというのは考えただけでも恐ろしいことですが、子どもには何の罪もありません。
レイプという悲劇に、さらに子どもを殺めるという悲劇を重ねる方が一人でも減ることを願います。
私が女性の人権と書いたのは、自然流産(女性に落ち度がなくてもある一定数の妊娠下で受精卵の異常などでおこります)と人口中絶の区別がつかず、他国に置いて実際に自然流産や死産の後に投獄され、服役中のケースがあると聞いたからです。
ポーランドではその後のこの中絶反対議論はどのように進んでいるのでしょうか。
実際に流産や死産を経験されたことがない方には想像がつかないかもしれませんが、やはり正常な妊娠化でも一定数起こりえることですし、胎児を守れなかったという理由でやはり母体は罰せられる対象になるのでしょうか。それともここまで踏み込んだ議論は起きてないのでしょうか。
レイプ出産後の件は理解しました。社会が育てる制度や仕組みが整っていれば、新たな被害者(中絶される胎児)を生まないようにできるのかもしれませんね。
ご返信ありがとうございます。
私事で申し訳ありませんが、現在試験勉強中で新たなリサーチをする時間もありません。来週後半にコメントできればと思いますので、もうしばらくお待ちください。
お忙しいときに、重ねて質問してすみません。ポーランドのことは全く知りませんでしたが、こんなことから世界が広がった気がします。コメントお待ちしております。
Momoさん
お返事が出来ていないままになっており、申し訳ありません。
今回新たなコメントをいただいて気付いたのですが、Momoさんにコメントをお返ししたつもりが操作ミスかネットが一時的に不安定になっていたのか反映されていなかったようです。
パソコンでお返事を返すときに限ってこのようなことが何度か起きているので、今回は確実なスマホから書きます。
理由は何であれ、お返事をお待たせしまって本当に申し訳ありません。
現在も落ち着く日がなく新たなリサーチが出来ないままでいますが、結論、まだこの件は解決していません。
現状は、最近いただいたコメントへのお返事にも少し触れていますのでお読みいただければと思います。
正常な妊娠でも流産や死産の可能性があるというのは私も理解しています。
身近でも妊娠を喜んだのも束の間、数週間で流産した人を見てきました。
そしてこの法律は中絶者を罰するためというより、胎児を守るための法律ですから、健康上の理由や胎児に何らかの問題があって流産・死産した場合に罰するというものではありません。
西欧では知的障がい者の方を見かけることが日本より少なく感じ、それについて夫に質問したことがあります。
その答えがあまりにも衝撃的でした。
西欧では、胎児に何らかの障害や病気が見られたら中絶する、というのはごく自然な考えなんだそうです。
よくあるのは「ダウン症」を理由にした中絶です。
今、ポーランドでは病気や障がい、遺伝子異常などを理由に中絶することを禁止すべきだという法案で議論を進めています。
まだ結果は分かりません。
【10月6日 AFP】 ポーランド下院は6日、人工妊娠中絶をほぼ全面的に禁止する法案を、賛成58票、 反対352票、棄権18票で否決した。
実際は圧倒的多数によってこの法案は否決されてますよね。まるで、ポーランド内では賛成派が多数であると読み取れてしまう記事。酷い。
私は何も嘘は書いていません。
ポーランドの事情をあまりご存知ではないようですが、疑問を感じるのであればきちんと質問をしてください。
この問題は非常にややこしく、またリベラル化の進む西欧やフェミニストから批判されているため、多くの政治家が議論を避けようとしています。
どの政党も国民が公共の場でプロテストを起こすことは望みませんし、PISですら揉め事を避けるために法律改正に反対しているのが現状です。
否決だからといって中絶賛成派とは限りませんし、否決=中絶禁止法案に全面的に反対していると考えるのはあまりにも単純すぎます。
多くの方が誤った解釈をしていますが、中絶問題はどこかの政党や政治家が言い出したことではありません。
団体が声を上げているのです。
ポーランドでは法律上、10万人以上の署名を集めると法律改正を呼びかけるために議会に嘆願を提出することができます。
国会で大きく議論されるほどに署名が集まったのですから、ポーランドではそれだけ中絶禁止法案を支持している国民がいるということです。
では、なぜ反対者がいるか。
それは中絶禁止法案が厳しすぎるからでしょう。
団体はいかなる理由でも中絶を禁止すべきだと叫び、多くのポーランド人がその案に同調しましたが、やはり「いくらなんでもレイプで出来た子どもを必ず産めというのはやりすぎだ」と考える女性はポーランドにもいます。
反対者が中絶に全面賛成しているわけではなく、基本的に中絶はよくないことだという認識はあっても部分的にこの法案に賛成できない人も多くいるのです。
この中絶禁止法案は現在も議論されていることです。もし本当に単純に反対者が多いのであれば、このような問題はとっくの前に片付いているでしょう。
今度は「胎児の病気や身体障害を理由に中絶するのは禁止」という法案で進めていますが、議会がどのような決断を下すかはまだ分かりません。
ドイツや日本の“リベラル”すぎる報道には私自身疲れ果てています。
一部の過激派フェミニストにもうんざりしていますが、フェミニストがいたからこそ、社会が改善されたことも事実です。
西洋や西洋化にずいぶん目くじらを立ているようですが、インターネットやブログもバリバリの西洋(アメリカ)から始まりました。あなた自身のビジネスや結婚も西洋化やリベラル化があったから、実現した事です。愛国心の強い国ではその反動として純血思想や異分子の排除がおこりやすいことは、社会学を学べばわかることだとおもいます。
自分は嘘をついていない、議論をするつもりはないというとおっしゃられていますが、あなたの意見が必ずしも受け入れられるばかりではないし、政治的スタンスや、価値観が違う人たちにとっては実際はどうあれ“うそ”に見えてしまう事は、あなたでなくてもありうることです。綾香さんの意見が気に入らないという子供っぽい理由でコメントを残している人だけではないと思います。
多くの人は、あなたの意見に賛成はできないけれど、わざわざコメントを残すというのは、あなたと真剣に向き合おうとしているということが分かるといいのですが。
そして、大々的に情報を発信している場合、嫌でも議論は生まれてしまうと思います。ブログでお金を頂いている場合、それはある程度の義務ではないのでしょうか。ブログには流行り廃りがあります。そこで反応が薄かったら寂れてしまうと思います。
自分が賛成する内容だけ垂れ流し、批判的なコメントをスパム認定してしまったブロガーさんは、今は閑古鳥が鳴いています。
さて、レイプの被害者で精神が崩壊してしまった方、その間に妊娠が進んでしまい、生まざる負えないが育てられない、施設の中しかしらない子ども、中には自殺をしてしまう被害者、、、そういう人たちのことも、いつか冷静にものを考えられるようになったら考えてください。団体が声をあげたといっても集団だから正しい訳ではないとも思います。これはデモも同じですが。
最後にあなたに問います。
あなたがレイプされたとして、警察に行けるでしょうか?裁判を起こせますか?
性犯罪は何処の国でも相談することすら戸惑う人が多いです。なぜならとてもプライベートな事だからです。被害届や訴訟になればなにをかいわんや、です。
私はレイプではありませんが、性暴力の被害者です。被害にあった事すら認識できず、長い間うつがつづき、今やっと自分と向き合っています。治療はまだまだ続きます。
私のお友達(ポーランド人、20代女性)は、年上の男性の卑劣な男性にだまされ望まぬ妊娠をしてその結果流産といっていましたが、おそらく中絶だと思います。そういった人の声はいつか母になりたいあなたには届かないのでしょうか?
愛する旦那さん以外の人との強いられた行為による妊娠でも、それでもその赤ちゃんを育てますか?そして旦那さんもその赤ちゃんを自分の子として認められますか?
遺伝子疾患などを理由にした中絶は基本的に反対ですが、実際重度の方の場合、
家族の犠牲は計り知れない物があることもたしかなので、完全に反対もできません。西欧に比べて日本で障害のある方を見かけるのが少ないというのは地域性もあるとおもいます。ポーランドの方が障害のある人に対して緊張度が少なく自然に接していることは、ポーランドを訪れ私も感じました。
さて、私は仕事が福祉系なので日本の法律のマズさと、いわゆる欧米の救いのある法律や社会システムの専門家です。
ドイツで障害のある子を中絶をするというのも必ずともそうとは言えません。だって、街に普通に歩いていますから笑優生思想が残っているのは否定しませんが。←ここポイント。
私はあなたの視野はとても広いと思いますので、ポーランド愛だけに固執せず隣国のいいところも学んでください。ドイツのドライさとせからしさに疲れて、ポーランドに留学したドイツ人を何人かしっています。
ご意見ありがとうございます。
いろいろな考え方があると思いますし、るるさんの考えや指摘を否定するつもりはありません。
ただ、当記事は議論するために書いた記事ではないので熱く討論するつりもありません。
それが「逃げている」と言われようとも、こういった終わりが見えないテーマは特にブログやネットで議論しようと思わないのです。
皆さんにもさまざまな考え方があるように、これが私の考え方です。
ただ、「ブログでお金を頂いている」「自分が賛成する内容だけを垂れ流す」という言い方には少し疑問に感じました。
後者はもしかすると私のことを直接指しているわけではないかもしれませんが…。
このブログを設立するまでに自分なりにかなり労力をかけましたし、この記事はともかくポーランドに関する記事もそれなりに時間を割いています。
「こっちは無料でこんなにもの情報を提供してるんだ!」とまでは思いませんが、もし広告を貼っているだけで「お金をいただいている」と思われているのであれば残念です。
ちなみに私はポーランドも好きですが、ほかにも好きな国がたくさんあります。
このブログは「ポーランドなび」だけにポーランドに焦点を当てた記事ばかりですが、普段からポーランドに固執しているわけではありません。
冷静なコメントありがとうございます。
もっと攻撃的なコメントが変えてくると思ったので安心しました。
ブログで垂れ流すは、書いたと思いますが別の方です。
確かにインターネットでの議論は水掛け論になりがちですが、中絶法案に賛成しつつも、性暴力や犯罪からの妊娠やその被害者の方に心を寄せていただけると嬉しいです。このお話はここまでにしましょう。
自分で閉めたのに書き忘れがありましたすみません汗。
前のコメントに適当に混ぜて、まとめてくださったらありがたいです。
ちょうどドイツの話がでたのでドイツに絡めてお話しさせていただきたいと思います。例の法律が大多数で否決されたとどなたかのコメントにありますが、ナチスドイツ下では多くのおぞましい法律が“大多数”によって可決されました。
これは、多くの方が集団主義や数の力の恐ろしさについて今も学ぶ根拠になっていると思います。
私は女性の中絶する権利には賛成ですが、私自身が妊娠したら中絶という選択肢は今のところありません。
日本は性教育やライフプランのたてかたが男女ともにまだまだだとおもうので、
いきあたりばったりで、性交渉をしてしまいその結果望まない妊娠→中絶というケースがとても多いです。
日本の年間の中絶数と出生数を比較してみると、結婚まで性交渉をひかえるというイスラムやカトリック、プロテスタントとユダヤ(の一部)に共通するよい知恵だと思います。ちなみにドイツではポーランド系とイスラム系移民の通婚が多いです。
理由は、お互いに神様を信じているから&家族思いだからだそうです。意外ですね。
難民の件といい中絶の件といい旦那がカトリックで保守派だから影響されてるんですよね。もし旦那が逆の思想だったら絶対こんな記事書いてない。あんまり自分の考えとか持ってなさそう。
ポーランド万歳さんに同感!自分に自信がある人は他人の言うことにわざわざ相手しないし、夫を引き合いに出したりもしません。たまぬ国際結婚カップルにあるのですが、家庭に問題があったり、自分に自信のない人をわざわざ探して、結婚する人がいます。
ご主人が真の保守ならば、ポーランド人同士で結婚するはずですが。
貴重なご意見ありがとうございます!
私も年々性格が丸くなってきてるので、あなたの意見を聞いて特に苛立ったりしません。反論もしません。私の記事によって、えみ様の気分を害してしまい申し訳ありませんでした。今は仕事や代表としてのウクライナ支援、プライベートで忙しいので直ちにアップデートできませんが、こういった意見もあるということで我慢していただけますと幸いです m(_ _)m
なるほど、「誰かに影響された人は自分の考えを持っていない人」という考えをお持ちなのですね。
私の場合、どちらかというと、私が保守的な考えを持っていたからこそ、夫は私を選んだのだと思います。
しかし、私にはリベラルや同性愛者の友人もいますし、「私の考えが100%正しい、私の意見に反する人は敵」とは思っていません。
「保守派の中の一個人は、このような考えを持っている」といことを知ってほしくて書いた記事です。
中絶に反対する人たちの意見や、綾香さんの中絶に対する意見をよく読ませていただきましたが、ちょっと気になったことがあったので、コメントさせていただきます。
綾香さんは、コメント欄の返信で「レイプなどによる望まない妊娠という悲劇の上、まだ自身で意思決定ができない胎児の命を、大人の都合で奪うという悲劇を起こすべきではない」というようなことを書かれていましたが…
特に、そのように望まない妊娠によって生まれてきた子を実親が育てた場合、実親が子供に対してネグレクトや家庭内暴力をしたり、最悪の場合は死に至らせることもあると思います(ご存知だと思いますが、日本では実際に、このような事件が多いと思います)
また、実親が、生まれた子供を(育てられないので)施設に預けたとしたら、その子供は、自分の本当の親の顔や名前を知らずに生きていく可能性もあると思います。このようなことは、その人の人生において、ダメージと言いますか、少なくとも良いことではないと思います。
結構前の話になりますが、日本のあるドキュメンタリー番組で、コロナの影響で生活に困窮している30代前半くらいの男性を取材していました。番組内で、取材班がその人に、誰か頼れる身内や家族はいないのか、と聞くと返ってきた答えは、自分は生まれた時から施設で育ったので、家族や親戚がいない所か、実親の存在さえも知らない、でした。また、自分がこういう立場にあることもあり、自分が生まれてきた意味がこの年齢になってもよく分からず、自分の人生を悲観することがよくあるとも話していました。
(もちろん全員ではないと思いますが)実際、このような(生まれた時から施設で育った)人は、家族(実親)の存在を知らないことによってでも、不幸を感じてしまっているのではないかと思いました。
私は、望まない妊娠や中絶ももちろんそうですが、その後に起こりうるこれらのことも悲劇と取れると思います。
また、胎児の命を奪うことは殺人と同じことだという意見もよく分かりますし、もちろん中絶は残酷なことだと思いますが…
特に、望まない妊娠によって生まれてきた子供は、生まれてきた方がもっと酷い目に遭うこともあると思ってしまいます。
このようなことに関しては、どうお考えですか?
綾香さんが、ここは議論の場ではありませんと仰っていたと思うので、綾香さんの意見を軽く聞かせてただけたらと思います。
長文失礼しました。
ご意見ありがとうございます。
中絶問題は非常に難しく、さまざまな考え方があるかと思います。
中絶を全面的に肯定・容認することはなくても、場合によっては中絶も認められるべきと考えていらっしゃる方は多いかもしれませんね。
私個人の意見として、母親あるいは父親、例えその両方が望んで生またわけではない子どもが《施設育ちであるがために不幸になる(であろう)》という前提で本人の人生を悲観し、だから中絶を肯定するという考えには疑問を感じます。
確かに、親によって引き起こされた残酷な虐待事件は多くあります。
それでも、私は亡くなった子どもたちに対して「こんな悲惨で短い一生を送るくらいなら、なぜ親は中絶しなかったんだろう。この子は最初から生まれてこなければよかったのではないか」という風には思いません。
そういった子どもたちでも愛情を受けて幸せだった瞬間があるかもしれませんし、親の行動は許されなくても、子どもが純粋に幸せだった気持ちを否定したくありません。
もちろん、それ故に唯一の親から虐待を受けるときの苦しみも深いわけですから、そういった面でも親の行動は擁護できません。
ただ、そのような虐待が明るみに出ることで法改正が検討されたり、社会がより家庭の問題に目を向けるようになって世間がゆっくり変わっていくものだとも思います。
そもそも生を受けなければ、この先不幸になるか幸せになるかも分かりません。
中絶するということは、(それなりの苦労は伴ったとしても)幸せに生きられる可能性も消してしまうということです。
また、交通事故や何らかの理由で幼い頃に両親が実子を育てられないケースも少なからずありますし、親がいない子どもたちが100%不幸になるわけではありません。
ドキュメンタリーで話された男性も、今後運命の出会いがあって道が開ける可能性もありますし、その方のこれまでの人生が苦難だったからといってその先も苦難続きと決めてしまうのは悲しいことだと思います。
私も最近あるドキュメンタリーを見ましたが、その方は40代でALSという体の筋肉がどんどん衰えていく病気を発症した方でした。
テレビに映る彼はすでに指一本も動かせず、声も出せず、表情も作れず、ただ目でしかメッセージを伝えられない状態でした。
それでも同じALSの方に会って励まし合い、家族やヘルパーさんと冗談を交わしながら仲良くしている姿を見て、「自分もこの方のようにいつ病気になるか分からない。でもこうやって希望を持って生きている人もいるんだから、それを絶対的な負として捉える社会がなくなればいいのに」と心の底から思いました。
中絶問題でいうと、障害や複雑な家庭環境を持つ子どもの命を簡単に切り捨ててしまえるように持っていくのではなく、《自分たちも障害や複雑な環境に陥る可能性があるからこそ》障害があっても生きやすい社会を作っていくことが重要だと私は感じます。
このようにして書くと、私がなんでもポジティブに捉えている人間のようで嫌悪感を感じる方もいらっしゃると思います。
ただ世間ではネガティブなニュースや苦労話ばかりが取り上げられ、ポジティブなニュースはなかなか伝えられなかったりします。
もしお気を悪くされたら申し訳ありません。