現在、旅行目的でのポーランド入国は制限されています

【重要】コロナの影響?アウシュヴィッツ第一収容所入場制限

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クラクフ市公認ガイドのカスプシュイック綾香(本名)です。2014年以降、ポーランド在住。ガイド・通訳業の傍ら、旅行や生活に欠かせないポーランド情報をお届け中!
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最終更新日:2020年3月7

アウシュヴィッツ博物館の見学を検討されている方に、とても大事なお知らせがあります。
博物館には第一収容所と第二収容所の二ヶ所見学可能な場所がありますが、現在、第一収容所のフリーチケットでの入場制限が行われています。

現時点でツアーチケットならば購入はできますが、ツアーの数も限られており、このままでは数日前/当日購入は入手できない可能性大です。

ただし私のサポート内容は以前と変わらず、引き続き現地での案内を行なっております
今後第二収容所でも入場制限がかかると問題になってきますが、特にそのような不測の事態が起こらない限り、私に依頼された方はきちんと現地で対応させていただきますのでご安心ください。

アウシュヴィッツ

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【必読/随時更新】アウシュヴィッツ見学に役立つ8つの情報

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このページの目次
1. チケットがいきなり消えた?!
2. なぜいきなり制限したのか
3. 新型コロナウイルスに関する記載
4. 制限直後の博物館の回答
5. 現在生じている矛盾について
6. 第二収容所の見学であれば可能
7. 今回の問題で私が思っていること
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チケットがいきなり消えた?!

第一収容所アウシュヴィッツ

アウシュヴィッツ博物館には第一収容所と第二収容所の二ヵ所、見学する場所があります。
そのうち、写真、資料や略奪品などの展示があるより博物館的な機能を果たすのが第一収容所であり、第二収容所こそが一般的に多くの方がイメージされているアウシュヴィッツとなっています。

そして第一収容所では原則ガイドと見学する必要があり、有料のツアーに参加するかしないかに関係なく、事前に公式サイトまたは現地で確保したチケットがなければ入場できません。

無料のフリーチケットで見学できる時間帯は早朝か夕方に限られていますが、数日前までは特定の日を除いて十分な数が残っていました。

しかしそれが一日にして、何の予告も一切なく、すべての日程で消えてしまったのです……。

つまり2月27日以降、すでに確保している場合を除き第一収容所をフリーチケットで入場することは実質不可能であり、またその影響でツアーもすぐ売り切れてしまう可能性が高いと言えます。

この問題が発生した翌日に急いで当記事を書いていますが、問い合わせメールの殺到が予想されるため、このことについて博物館にも確認し、また憶測などをまとめることにしました。
私に依頼された方含め、今後アウシュヴィッツに訪問される予定の方は最後までお読みください。
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なぜいきなり制限したのか

どうしてそんなことが起こった?

博物館に問い合わせると、新型コロナウイルスの影響ではないと言うのですが、個人的には多少なりとも影響しているとしか思えません。
なぜなら、公式サイトで新型コロナウイルスに関する文面が出て間もなく(次項で説明)、すべてのフリーチケットが消えてしまったからです。

しかも現地のチケットボックスでも入手できないと説明され、そういったことは本来あり得ないことであり、もはや前代未聞の出来事です。

数年前のワールドユースデーでローマ教皇が訪問された時や、今年1月のアウシュヴィッツ解放記念日にアウシュヴィッツの入場制限および入場ができなくなったのは理解できます。
でもそれはイベントの期間に限ったことで、前後の日ではふつうに見学することができました。

しかし今回の場合、いきなり全日程のフリーチケットがなくなってしまったのです。

また3月4日現在、博物館公式サイトの規約や最新情報にもこのことについての記載はなく、はっきりした理由は未だ分かっていません。
ただ、突然このような決断が予告もなく下されたのは、よっぽどの理由があってのことでしょう。
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新型コロナウイルスに関する記載

アウシュヴィッツ博物館公式サイトの記載

2月26日、博物館の公式サイトで以下の内容の最新情報(ニュース)がありました。
その訳を載せていますが、肝心の第一収容所の入場制限について詳細はまだ触れていません。

なお個人の訪問者に向けてではなく、博物館訪問を予定している旅行代理店やツアー主催者に向けての文面であり、また日本からの訪問者を拒んでいるわけではないことに注意してください。

2020年2月26日現在、ポーランドでコロナウイルス感染の確定症例はありません。

2020年3月4日に修正があり、上記の文は「ポーランドではコロナウイルスの最初の症例が確認されました(2020年3月4日現在)」となっています。それ以降の文は以前と同じ内容です。
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これまでのところ警戒すべき状況ではありませんが、当博物館はこの問題について引き続き注視しています。旅行代理店とツアー主催者には、感染者のいる場所からの博物館訪問を避けるようにすることを推奨します。

 

制限直後の博物館の回答

チケットボックスでも手に入らない

電話で問い合わせたところ、「あまりもの混雑のため、第一収容所のフリーチケットは一時的に制限した。また現地のチケットボックスでも確保することはできない」という回答でした。

これは入場制限が設けられた翌日(2月28日)の回答で、その日はご案内の日だったため、現地のチケットボックスと第一収容所のチケットをチェックしている係員にも聞いてみました。

それらの結果、分かったことを箇条書きでまとめています(今後なにか分かれば追記予定)。

  • 混雑のため第一収容所に入場制限を設けた
  • 無料のフリーチケットは公式サイトでもチケットボックスでも確保できない
  • 入場制限の結果、ツアーチケットは午前中に売り切れる可能性大、今後も多くの訪問者が第一収容所に入場できないことが予想される
  • 第二収容所であれば見学可能
  • 最終入場時間の数時間前には公式ツアーもなく、公式サイトからフリーチケットを確保した人を除くと開館時間でも入場できない
  • 今後3ヶ月は同じような状況がつづくと聞いており、その先のことはまだ分からない

 

現在生じている矛盾について

でも、ちょっと納得できません

まず混雑のために第一収容所の入場制限を設けた、というのは非常に考えにくいことです。

ポーランド団体ツアーの多くが新型コロナウイルスの影響を受けてキャンセルとなる中、通常訪問者が減る時間帯が混雑するでしょうか。
フリーチケットが確保できる時間帯は訪問者が減る時間帯でもあり、実際に現地でようすを見ていても混雑とはほど遠いと言える状況でした。

また第一収容所をツアーでしか見学できないようにすると、ツアーでは見学しない展示のある建物を見学したい人はどうなるのでしょうか。

博物館は専属ガイド以外の人が第一収容所で案内することについて否定的な考えです。
私もそれには納得で、やはりそのような場所はきちんとした知識がある者が案内すべきですし、今後フリーチケットでの自由見学を許可しない方針を取ったとしても受け入れるしかありません。

ただ、「チケットはもうないので第二収容所を自由見学してください」というのを定番化させてしまったら無責任すぎると思うのです。

誰かのきちんとした解説もなく、個人だけで広大な敷地の第二収容所を見学したとして、見学者は一体そこから何を学ぶのでしょうか?
誤った解釈をしたり、結局内容がよく分からないままではないのか、ふざけながら見学するような人がますます増えるだけではないでしょうか…。
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わたし
アウシュヴィッツをガイドなしで、タダで見学することを勧めるような記事を書いている方もいらっしゃいますが、よく見ると撮影禁止の場所での写真が載せられていたり、事実とは異なる情報が載っていたりします。

無料で、ガイドなしで見学するのは構いませんが、誤った解釈や情報が広がっていることに危機感を覚えます。
夫の親戚でアウシュヴィッツの生存者がいましたが、やはりそういった人の話を聞いていると、後世の人々によって簡単に歴史が修正されてしまうことはあってはならないと痛感します。

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第二収容所の見学であれば可能

第二収容所ビルケナウの線路

ここまで読まれた方はお分かりでしょうが、入場制限があるのは第一収容所のみです。
アウシュヴィッツに行っても何も見れないわけではなく、その点で心配される必要はありません。

第一収容所を見学するに越したことはないのですが、きちんとした説明と理解があれば第二収容所のみの見学でも問題ないと思います。

有料のツアーチケットを購入してでも、第一収容所の見学をされることはお勧めします。
しかしツアー言語が分かる、あるいはきちんとした知識があることが前提であり、誤って解釈するというリスクを負ってまでツアーに参加して見学すべきか、と言うと考えてしまいます。
もちろん、日本語で見学およびツアー全体の通訳をしてもらえるという方は問題ないでしょう。

また私は今年から第二収容所のみガイドしており、資料を用いて第一収容所で把握できる内容についても丁寧な説明を心がけています。
第二収容所のみで3.5時間の案内となるため、第一収容所については任意での見学とし、第一収容所の写真付き見学資料もお渡しております。

アウシュヴィッツ

アウシュヴィッツ博物館ガイド、サポートをご希望の方へ/申し込みページ

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今回の問題で私が思っていること

第二収容所にある貨車

入場制限すべき理由があるならば仕方がなく、博物館の判断が間違っているとは言いません。
新型コロナウイルスに関連している、というのは私の考えすぎという可能性もあります。
仮に関連していたとして、それで入場制限を行うこと自体は対策の一環であり、否定はしません

ただ、アウシュヴィッツに来ることがポーランド旅行の一番の目的、という方はとても多く、そういった方が見学できないという事実を知ったら、さすがにショックではないでしょうか。

少なくとも直前になって知るという事態を避けてもらうために、当記事を書いています。
前もって状況を把握していれば、それなりに準備をしたり、心構えも変わってくるでしょう。

私はこれまで多くの方々とアウシュヴィッツでお会いし、訪問された理由を聞いてきました。

中には余命宣告を受け、残された人生のうちに訪問したいと命がけで来られた方も複数名いらっしゃり、「死ぬまでに一度は…」と仰る方も本当に数えきれないほどいらっしゃいました。

様々な心境と目的を持ってアウシュヴィッツへ訪れる方々に決して失礼のないよう、博物館には今後適切な対応をしていただきたいと思います。
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今日のポーランド語

brak karta wstęp

これは、第一収容所入り口の近くにあるインフォーメション(チケットボックス)で入場チケットがない場合に見られる文言です。「ブラク  カルタ  フステンプ」、つまり「入場券はありません」という意味。”brak+生格” で「〜がない」という意味になり、日常的によく使われる言葉なのでぜひ覚えておいてください。

 

最後までお読み頂きありがとうございます☆
あやか
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8 件のコメント

  • アバター 日本国 愛知県 服部 充良 より:

    日本国愛知県在住の服部です。
    2012年のポーランド訪問時にアウシュビッツに行きました。
    強制収容所については1960年代に出版された「第二次世界大戦写真集ヨーロッパ戦線」という写真集などですでに知っていました。写真集では連合国軍により開放された直後の様子が掲載されており、私にとってはアウシュビッツ訪問は悲劇が現実であったことを再確認するとしてとても有意義な訪問でした。当然アウシュビッツの大まかな構造、展示内容、所長・看守・収容者に関するエピソードなども知っていました。訪問には仕事仲間と得意先の担当者が同道したのですが、彼らはホロコーストがあったこととアウシュビッツの名前だけは知っていましたが、アウシュビッツに何があり何が展示されているかなどはまったく知らなかったようです。フリータイムで入場したので第一収容所見学においては私がガイド役となり説明しました。見学後に感想を聞いてみると「アウシュビッツについて知っている者に案内してもらわなければ、施設のどこで何が行われたのか?どこに何が展示されているのか?展示物はどのような物なのか?などを知ることは絶対にできなかった。アウシュビッツは単なる観光地ではないことが良くわかった」と言っていました。
    また得意先で同業他社様が「休日にアウシュビッツを見に行く」と現地ポーランド人従業員に話したら「アウシュビッツは観光や見学に行く場所ではなく【人類の大きな過ちが現実に起こったことを学習する場所】だからそのつもりで行くように」と窘められたそうです。
    今後アウシュビッツを訪問される方々は【人類の大きな過ちが現実に起こったことを学習する場所】であることを留意頂ければ幸いです。

    • コメントありがとうございます。

      アウシュヴィッツは場所が場所なだけに、曖昧な知識ではなく、正しい知識が必要とされます。ただ、本やネット上の信頼できる文献などを読んでも記述が分かれていたり、歴史学者によっては見解そのものが異なることもあるので難しいところです。
      私は博物館の専属ガイドではないため詳しいことは分かりかねますが、ガイドの教育と見学者への説明は統一されており、その面でも第一収容所に関しては専属ガイド以外がガイドのように話すことは好まれていないと聞いたことがあります。
      もちろん、服部さんが説明されたことを否定しているわけではないので、誤解のないようお願いします。
      知人に解説するというのは許容範囲でしょうし、服部さんはそれを頻繁に行っているわけではないので問題ではありません。
      きっといっしょに行かれた方々も貴重な説明を聞くことができたと深く感謝していることでしょう。

      そして仰るように、アウシュヴィッツは負の遺産であることを正しく認識したうえで訪れるべき場所であり、決して「観光」のつもりで行くようなところではありません。
      ただあまりにも観光気分で訪れる人が多く、日本人も決して例外ではないため悲しく思うことがあります。
      マナーやモラルに反する完全個人の見学者が目立っているため、ガイドを付けない場合は特に事前学習を怠らないようにしてほしいです。

  • アバター 熊本扶美子 より:

    アウシュビッツへの訪問を長く望んでいました。この三月半ばにようやく行ける時間ができたのですが、イタリアローマの在住です。
    ローマ墓建築には今の所なってはいませんが、イタリアから日本人って入国審査で引っかかるのでしょうか? 空港での状況がわからずまた刻々と変化する状況にポーランド訪問を悩んでいます。アウシュビッツも第一収容所はツアーをお願いしても入れないと言うことですね?

    • イタリアからの入国者に関しては、北イタリアの場合だと体温測定およびアンケート記入が実施されているとのことです。
      日本人であるために入国審査が長引く、というのは聞いたことがありません。
      アウシュヴィッツに関しては、当記事をよく読んでいただければお分かりだと思うのですが、ツアーチケットを購入すれば第一収容所を見学することが可能です。
      ただそのツアーチケットの数も限られているため、すでに売り切れてしまったり、ツアーの時間帯がご予定と合わない場合は入場できないかもしれません。

  • アバター A.Itoi より:

    近日アウシュビッツを訪問する予定です。Ayakaさんの仰る通り出来る限り公式ガイドの解説を聞きながら回りたいと思うのですが、残念ながら英語での公式ツアーは既に売り切れでした。

    3月中旬の混雑状況がどれほどか分からないのですが、当日の朝列に並んで入場と英語ツアーのチケットを買うことは困難でしょうか?

    • 私も現地で対応するにあたって頻繁にツアー空き状況見ていますが、英語ツアーはすぐ売り切れてしまいますね。
      例年だと3月中旬はそれほど混雑しないものの、今後さらなる制限の可能性もあり、早朝一番のバスでお越しになるのがいいかと思います。
      現時点で制限されていることを知らない人が多いため、それほど長い列はまだ見ていません。
      ただ、早朝にツアーチケットを購入されたとしても、英語ツアーだと開始時間まで最低1時間半待ちになるかもしれません。
      あくまで私の憶測であり不確かですので、参考程度にお願いします。

  • アバター Junko より:

    Ayakaさん、初めまして。
    東欧在住のJunkoと申します。
    丁寧で参考になる記事を読ませていただいています。
    2月から3月初旬までポーランドを訪れており、2月29日にアウシュビッツへの「公式ガイドブック(ガイドはなし)+クラコフからの往復送迎(&車中での案内ビデオ上映)の英語ツアー」に参加しましたら、当日、突然、入場ができなくなったと聞かされました。催行会社の説明では新型コロナウィルスが原因だそうで、ビルケナウと、もう一か所、一連の出来事に関連した施設を(こちらは専門ガイドつきで)見学し、最終的にはツアー代金は全額返金していただきました。
    私も、アウシュビッツ訪問はこの旅行の目的の一つだったため、残念でしたが、全世界で一日も早くこの騒動が終息し、ポーランドを再訪できる日を心待ちにしております。
    Ayakaさんも、しばらくは大変でしょうが、ご自愛ください。

    • Junkoさん

      はじめまして、運営者の綾香です。
      いつも当ブログをご愛読いただきありがとうございます。

      Junkoさんはギリギリのタイミングでポーランドへお越しになられていたのですね。アウシュヴィッツを最後まで見学できなかったのは残念でしたが、近隣の国にお住まいのようなのでチャンスはまだあると思います。
      博物館スタッフも突然の決定で戸惑っていたようですが、旅行会社やツアー会社はかなり困ったでしょうね…。
      私は完全個人ガイドということもあり、特に私自身が混乱するということはなかったのですが、やむを得ず第一収容所に見学できない方々は多くいらっしゃったのでやはり残念でした。
      しかし現在はそれ以上の事態となってしまい、一刻も早く安心して各博物館・観光施設が運営再開できるよう願うばかりです。

      また私へのお気遣いのお言葉もありがとうございます。
      収束の終わりが見えず精神的なストレスもありますが、Junkoさんもお身体に気を付けてお過ごしください。

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