コロナ禍におけるポーランド入国情報はコチラ

検証!アウシュヴィッツとヴィエリチカ日帰りツアー

ed_davad / Pixabay
The following two tabs change content below.
クラクフ市公認ガイドのカスプシュイック綾香(本名)です。2014年以降、ポーランド在住。ガイド・通訳業の傍ら、旅行や生活に欠かせないポーランド情報をお届け中!
詳細プロフィールはこちら


※コンテンツの無断転載禁止(リンク歓迎)
. MOST

 

最近、アウシュヴィッツ収容所とヴィエリチカ岩塩坑の同日通訳サポートをご依頼される方が増えてきました。

ツアー会社では頻繁に「アウシュヴィッツ&ヴィエリチカ日帰りツアー」というのが提供されているようですが、果たしてこれは個人旅行者にとって現実的なのか。この記事で検証してみましょう。

.

このページの目次
1. それぞれの距離と移動方法
2. それぞれの施設の見学時間
3. 具体的なスケジュール
4. 1日で周った場合の予算
5. 最後に…この記事のまとめ

<スポンサーリンク>

それぞれの距離と移動方法

だいたいの距離感を表すと…

まず、上の地図をご覧ください。アウシュヴィッツとヴィエリチカ、クラクフの3つの位置関係を示しました。

ヴィエリチカとクラクフは約15キロ、アウシュヴィッツとヴィエリチカは約70キロ離れています。さて、「この距離なら日帰りでも大丈夫じゃない?」と感じる方もいるかもしれませんが、

残念ながらそれは甘いです。

アウシュヴィッツとヴィエリチカをバスや列車で行き来すると乗り換えが1回発生しますし、次の項目で説明するそれぞれの見学時間を考慮するとかなりハードなスケジュールになってしまいます。

予算を多めに組めるのであれば、タクシーの1日チャーターがおすすめ。

列車やバスでクラクフ→アウシュヴィッツ⇆ヴィエリチカ→クラクフのルートを移動すると、移動時間だけでも最低4時間以上は見ておかなければなりません
.

  • クラクフ→アウシュヴィッツ
    バスの時刻表
  • アウシュヴィッツ→クラクフ
    バスの時刻表
  • クラクフ→ヴィエリチカ
    関連記事で紹介している “bilkom” のアプリでお調べください
  • ヴィエリチカ→クラクフ
    関連記事で紹介している “bilkom” のアプリでお調べください
    .

スムーズに乗り換えができたとして移動時間は4時間弱ですが、クラクフとアウシュヴィッツを結ぶバスは1時間に1〜2本なのでかなり厳しいでしょう。

また、閑散期では各閉館時間が早くなるため、個人でこれらを周ろうとするとさらに計画的な行動が必要となります。

 

それぞれの施設の見学時間

どちらもツアーというのが重要

早朝から始動できる方で体力にそれなりの自信があるのであれば、個人の見学をまだ諦める必要はありません。

ただ覚えておきたいのは、通常アウシュヴィッツとヴィエリチカは異なる日に見学するものであるということです。

両方ともツアー形式での見学施設内ではどちらも3キロ以上歩くことになり(しかもアウシュヴィッツは道が凸凹なので非常に疲れやすいです)、説明量もかなりボリュームがあります。

アウシュヴィッツでは最低でも3.5時間、ヴィエリチカもツアーが開始してから外に出るまでスムーズにいって2.5時間。合わせて約6時間かかるのですが、これはあくまで計画通りに進めばの話で特に食事時間などは含まれません。

もう一つ、忘れてはいけないのがアウシュヴィッツでは時間指定のツアーを予約する必要があるということです。

個人だけで見学できる時間帯もありますが、施設が広大なだけに個人でまわると非効率になりがち。理解度もツアーに参加するのとしないとでは大違いです。

つまり、営業時間内にアウシュヴィッツを訪れればよいというのではなく、特定の時間に始まるツアーに間に合うよう訪問する必要があるので、アウシュヴィッツを先に訪れるほうがよいと言えます。

また、アウシュヴィッツでは見学する収容所は第一収容所と第二収容所の二ヵ所あり、ツアー解散場所の第二収容所から第一収容所に戻る時間を考慮するとトータル4時間は見ておくべきでしょう。

 

具体的なスケジュール

それでも1日で制覇したい方へ

あくまで私が考えたモデルプランですので、実際に行かれる際はバスや列車のスケジュールを調べ直してください

なお、私の方でもヴィエリチカ&アウシュヴィッツ日帰りツアーをアレンジできますので、料金も含め気になる方は次の項目を見ていただければと思います。

 

列車やバスのみで行く場合

移動費用を安く押さえたいという方、どれだけ時間がかかっても構わない方へ。

  • 08時10分
    クラクフバスターミナルに到着
  • 08時40分
    アウシュヴィッツ(オシフィチエンチム博物館)行きのバス発車
  • 10時05分
    終点、アウシュヴィッツ到着
  • 10時40分〜14時10分
    アウシュヴィッツツアー
  • 15時30分
    クラクフ行きのバス発車時刻
  • 16時55分
    クラクフバスターミナル到着
  • 17時10分
    急いで中央駅へ向かい、ヴィエリチカ岩塩坑行きの列車に乗車
  • 17時31分
    ヴィエリチカ岩塩坑駅到着、歩いてヴィエリチカ岩塩坑へ(徒歩5〜7分)
  • 18時15分〜20時45分
    ヴィエリチカ岩塩坑ツアー
  • 21時09分
    クラクフ行きの列車発車
  • 21時30分
    クラクフ中央駅到着

※夏期シーズンの場合

これが閑散期の冬となると、ヴィエリチカは17時00分で営業終了なのでアウシュヴィッツは8時台に訪問するのが安全です。しかし、あまり早い時間だと博物館公式のツアーがありません。

そしてこのプランを見て分かる通り、かなりのハードスケジュールです。

ポーランドに初めて滞在する旅行者がこれだけの移動をテキパキこなせるかといえば、どうでしょう。私でもこのプランを提案するのはひやひやしますね…。

 

タクシーチャーターの場合

物価の安いポーランドでタクシーをチャーターしても高が知れているだろうという方は、ぜひチャーターを!

  • 09時00分
    クラクフの宿泊先からタクシーに乗ってアウシュヴィッツへ
  • 10時10分
    アウシュヴィッツ到着
  • 10時40分〜14時10分
    アウシュヴィッツツアー
  • 14時30分
    解散場所の第二収容所で待っているタクシーに乗って、ヴィエリチカへ
  • 15時30分
    ヴィエリチカ岩塩坑到着
  • 16時00分〜18時30
    ヴィエリチカ岩塩坑ツアー
  • 18時40分
    出入り口付近で待っているタクシーに乗って、クラクフへ
  • 19時10分
    クラクフの宿泊先に到着

※夏期シーズンの場合

自力で行った場合より3時間近く節約でき、チャーターなので自分の足で移動するのはツアー参加中くらいです。

このプランであれば余裕を持って1日でまわることが可能ですし、ゆっくりレストランでお食事することもできます。気になる料金は次で見ていきましょう。

<スポンサーリンク>

1日でまわった場合の予算

問題はいくらかかるのか…

ここまで自分で書いておきながら、私も気になってきました(笑)。
.

  1. ツアー会社主催アウシュヴィッツ&ヴィエリチカツアー(日本語)
    平均51,000/1人
    平均78,000円/3人
    ※食事代は含まれませんが、入場料やチャーター費は含まれます
    .
  2. 自力でまわった場合(英語)
    クラクフ〜アウシュヴィッツは14PLN×2、クラクフ〜ヴィエリチカ3.5PLN×2、アウシュヴィッツツアー料金45PLN、ヴィエリチカツアー料金84PLN
    合計164PLN/5,040円
    .
  3. チャーターでまわった場合(英語)
    チャーター費700PLN、アウシュヴィッツツアー料金45PLN、ヴィエリチカツアー料金84PLN
    合計829PLN/24,870円
    .
  4. 私がサポートする場合(日本語)
    アウシュヴィッツツアー料金45PLN/1,350円×参加人数、ヴィエリチカツアー料金55PLN/1,650円×参加人数、その他バスや列車の交通費、サポート料金が発生
    一人約23,100円、4名までなら1名ごとに3000円の追加料金

※€1=124円、1PLN=30円
.

最後に…この記事のまとめ

できれば2日に分けて行きましょう

この記事を読んで、アウシュヴィッツ収容所とヴィエリチカ岩塩坑を同日にまわるのがいかにハードであるかよく分かっていただけたと思います。

欧米人のように1週間や2週間もかんたんに会社を休めない日本人にとって、旅先ではいかに効率的にたくさんの場所をまわれるかは大事なポイントですよね。

しかし私の提案する理想プランは、アウシュヴィッツで1日、ヴィエリチカとクラクフ観光で1日、そしてもう1日まるまるクラクフ観光という3泊4日。

さらにもう1日あれば言うことなし。

ポーランドは皆さんが想像するよりずっと見どころの溢れる国です。1回の旅行であれもこれもと色んな都市を巡ろうとするより、消化不良の旅にならないよう余裕のあるプランを立てましょう。

.
今日のポーランド語

plan

plan(プラン)はそのまま、「計画」という意味。英語とまったく同じ綴りなので覚えやすいですね。

ポーランド語の単語には英語と重なる綴りもありますが、ほとんどはポーランド語の発音風に変換されています。

 

Digiprove sealCopyright secured by Digiprove © 2017
ひと言応援メッセージ送信&投げ銭できます (^ ^)   ポーランドなびを応援する
あやか
この記事がお役に立ったら、Facebookページをフォローしていただけると嬉しいです!
Facebookページをフォローしよう

こちらの記事もおすすめです



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です