驚愕!ポーランドが2460億円相当の美術品を購入



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タイトルを見て、「ポーランドにそんな経済的余裕があったとは?!」と驚いた人もいるのではないでしょうか。

しかし、2460億円相当の美術品を購入したのであって、2460億円を払ったわけではありません。今日の記事ではこのニュースの気になる詳細と隠れた裏話もお話することにしましょう。

▶先にニュースを読みたい方

 

注目の美術コレクション

簡潔に言うと、ポーランド文化省がある美術コレクションを購入しましたよという話なのですが、まずはその美術コレクションのすごさを知ってください。

 

チャルトリスキ家の美術品

いったいどんな価値あるものが?!

いったいどんな価値あるものが?!

ポーランド文化省が購入したのはチャルトリスキ公爵財団(次の項目で説明)が所有する、593点の美術品と約25万点にものぼる歴史的重要書物などです。

しかも、その美術品にはレオナルド・ダ・ヴィンチの作品『白貂を抱く貴婦人』を目玉として、レンブラントやルノワール、アルブレヒトの作品やスケッチが含まれるというのだから驚き。

歴史書物はほぼすべてがポーランドのものになりますが、数百年前のポーランド王国や共和国から引き継がれる重要なものばかり。まさに、ポーランドの歴史博物館や美術館が喉から手が出るほど欲しいコレクションを数えきれないほど持っていたのがチャルトリスキ家なのです。
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『白貂(シロテン)を抱貴婦人』

『白貂を抱貴婦人』1490年頃、イタリア人芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452年〜1519年)が描いた作品。

ダヴィンチが生涯に描いた女性の肖像画は、『モナ・リザ』を含めて4作品しかなく、その内の1枚がクラクフのヴァヴェル城に展示されている『白貂を抱く貴婦人』です。第二次世界大戦中はナチスに収奪されましたが、その後行方不明になりながらも終戦後にポーランドに無事返還されました。

2002年には横浜美術館のチャルトリスキ・コレクション展にて貸し出され、日本でも一時注目を浴びました。

 

チャルトリスキ公爵財団

チャルトリスキ家の紋章

チャルトリスキ家の紋章

チャルトリスキ家公爵財団とは、18世紀の共和国時代において国政に大きな影響力を持っていた大貴族、チャルトリスキ家の末裔が運営する財団です。

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代々、チャルトリスキ家は美術品や歴史書物を数多く集めていましたが、それは単に貴族の嗜好品といったわけではなく文化を保護するという大きな役割がありました。財団は、それらのコレクションを適切に保護・修復し、また美術館や博物館にてそれらを展示することでポーランドの文化普及に貢献しています。

 

チャルトリスキ家の偉業

クラクフのチャルトリスキ美術館

クラクフのチャルトリスキ美術館

ポーランド初の美術館を設立したのは、美術蒐集家として有名なチャルトリスキ家のイザベラ・チャルトリスカ(1746年〜1835年)という女性です。

イザベラは政治家・作家として活躍したアダム・カジミェシュ・チャルトリスキ公爵の夫人で、ポーランドが地図から消される激動の時代を力強く生き抜きました。また、彼女はクラクフのチャルトリスキ美術館の創設者でもあります。

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プワヴィの宮殿 引用 p

プワヴィの宮殿 引用 sztukaodpoczynku.pl

イザベラは、ポーランド復活を願う男性達が敵のプロイセンやロシアと戦うのを見て、「私は戦うことはできないが、せめてポーランドの文化を守りたい」と、一家が所有していた財宝を保護し、一般人にも公開することにしました。

そうして彼女の美術館は、ルブリン近郊プワヴィの宮殿につくられます。

この宮殿は廃墟と化していましたが、1796年、イザベラはその建物を美術館として再建しました。美術館には、第二次ウィーン包囲で得た国王ヤン3世・ソビエスキの戦利品や、ポーランド貴族の古い家宝が展示されていたそうです。

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1830年、11月蜂起が発生するとプワヴィの美術館は閉鎖されましたが、所蔵品はチャルトリスキ家が新たに購入した複数の建物に移動しました。

クラクフのバルバカン(旧市街入り口にある円形の要塞)の近くにある、現在のチャルトリスキ美術館です。

クラクフのヴァヴェル城

クラクフのヴァヴェル城

チャルトリスキ美術館は、私立の美術館としては欧州有数の規模を誇ります。また、『白貂を抱く貴婦人』が展示されているヴァヴェル城も見逃せません。

クラクフにお越しの際は美しい街並を堪能するだけではなく、ポーランドが誇る美術品の数々もぜひご覧ください。

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今回のニュースの真相

大変お待たせいたしました、やっと本題です。以下は、AFPというニュースサイトからの転載となります。

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【12月30日 AFP】

ポーランド文化省は29日、レオナルド・ダビンチの絵画「白貂を抱く貴婦人」を含む20億ユーロ(約2460億円)相当の美術コレクションを、チャルトリスキ公爵財団から購入した。

ピオトル・グリンスキ文化・国家遺産相によれば、数千点の美術コレクション購入費として国が支払った金額は「市場相場からすれば、ごくわずか」な1億ユーロ(約120億円)と税金だという。アダム・カロル・チャルトリスキ公爵らが出席し、ポーランドの首都ワルシャワの旧王宮で行われたコレクションの譲渡式典で、グリンスキ文化・国家遺産相は「ポーランド国民として、われわれ全員はこれでチャルトリスキ・コレクションの所有者です」とあいさつし喝采を浴びた。

「白貂を抱く貴婦人」は白い貂(テン)を抱いた若い女性の肖像画で、ルネサンス期の巨匠ダビンチによる15世紀の作品。この肖像画と「モナリザ」を含めダビンチが描いたとされる女性の肖像画は4作品のみとされている。

ダビンチの「白貂を抱く貴婦人」には保険金3億5000万ユーロ(約430億円)がかけられている。

 購入コレクションにはこのほかにも、レンブラントの作品やピエール・オーギュスト・ルノワールらの絵画、作曲家フレデリック・ショパンの手紙なども含まれている。これらのコレクションは南部クラクフの国立美術館で一般公開されるという。

(c)AFP/Anna Maria Jakubek
引用 AEP BB NEWS

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世界の大富豪が「そんなに安く買えるなら自分が買ったのに」なんて言いそうですが、これほどまでに重要な文化財となれば、いくら個人の所有物だとしても法律上勝手に売ることはできません。

それではなぜ、資金繰りに困っていたわけでもない財団がそんなわずかな売価でコレクションを国に売ったのか。

ワルシャワ王宮と王宮広場

譲渡式典が行われたワルシャワ王宮

それは、チャルトリスキ公爵財団の所有するコレクションが歴史的に超重要であるからというのは言うまでもなく、国が所有するものとしてこれらの芸術品や書物などを厳重に保護するため。国のものとなれば外部に流れることも、最悪将来戦争が起きたとしても他国に不当な言い分で所有されることもありません。

また、ポーランドという国を愛しているからこそ、チャルトリスキ家もコレクションをすべて国に渡すことが出来たのでしょう。ポーランドのニュースサイトでは、「なんて愛国心溢れる行動なんだ」という賞賛の声もありました。

実は、改装中で一部見学できない場所があったためチャルトリスキ美術館にはまだ足を運んだことがなかったのですが、このエピソードを知ってチャルトリスキ・コレクションに非常に興味が沸いてきました。クラクフで時間ができた時はぜひ足を運んでみたいと思います!
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今日のポーランド語はお休み

 

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あやか
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