これからポーランドへ行く方が知っておきたい情報

当ブログ「ポーランドなび -WITAM!-」1周年♪ご愛読ありがとうございます

ブログ開設1周年
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クラクフ市公認ガイドのカスプシュイック綾香(本名)です。2014年以降、ポーランド在住。ガイド・通訳業の傍ら、旅行や生活に欠かせないポーランド情報をお届け中!
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サッと5分程度で読めます

 

夫ピオトル
このブログ「ポーランドなび」を立ち上げてからもう1年経ったんだね。でもまだたった1年って感じなんじゃない?
あやか
そう!ブログを通して知ったことや学んだことも多いし、出会った人たちもたくさんいるから、まだ1年?って思う。
夫ピオトル
充実した1年になってよかった!これからも多くの人に読んでもらえるよう、良い記事いっぱい書いてね♪←プレッシャー

記事は2015年10月からありますが
サーバーを契約したのは11月です(ややこしい)

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ブログを1年間やって分かったこと

・ポーランドが好きっていう人はたくさんいる
・ポーランドに旅行したい人もたくさん!
・記事を書くたびにさらなる知識が身につく
・誤解を与えず気持ちを伝えるのは難しい
・でも熱心に読んでくださる方がいる
・ブログを通して会える人がたくさんいる
・日本語を使うことがストレスフリーに繋がる

最初の記事
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ブログ開設1周年の呟き

今月お会いした大野さんのお話

 私がブログを始めたのは、純粋に「ポーランドの良さを伝えたい」というところからでした。それがこのブログをきっかけに多くの方からメールをいただき、実際にお会いした方も数多くいらっしゃいます。どの方とも素晴らしい、幸せな時間をたくさん過ごしました。改めてお礼申し上げます!
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 さて、この1周年の機会に今月お会いした方とのエピソードをご紹介したいと思います。
そちらの方(以下、大野さん)とはクラクフで2日間ほどご一緒し、観光しながらも大野さんの人生観や価値観などをたっぷりお伺いしました。※この記事は大野さんの了解を得て書いています。

 

 大野さんから最初にご連絡があったのは9月初旬のこと。なぜポーランドに行こうと思われたのか、このブログの感想も教えていただき、まだ出会ったこともないのに近くで励ましてくださっているような、そんな温かいオーラを感じました。
一通一通のメールの内容が深く、その応援や励ましが心に響いて、何通か保護しているほどです。
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 そんな大野さんから学んだ最も大切なことは何だったかとうと、 生きることの幸せ
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 こう言うと大げさに聞こえますが、今回大野さんがポーランドに来られた目的がまさにこれだったんです。自分自身のこれまでの人生を振り返り、生きていることの幸せを見つめ直すため―。生きていると「生きているのが当たり前」という前提で行動するので、そういうことを普段は考えません。
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 大野さんは、誕生日にアウシュヴィッツへ行くことにしました。最初、「誕生日当日にアウシュビッツに行きたいと思っています」という文を見た時、「え?なんで、あえて誕生日に行くの?」と思ったのは言うまでもありません。誕生日ってどちらかと言えば楽しく過ごす日なのに、なぜ、悲しみや辛い感情を抱くような場所に行きたいのか…?
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 あえて誕生日に行く理由として、「自分がこうして平和な社会で生きてこられた人生を振り返るためにも―」とメールの中で仰っていました。
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 そして当日、大野さんはアウシュヴィッツで一枚一枚、気持ちを込めて写真を撮りました。あれもこれも撮ろうとするわけではなく、一枚にすごく時間をかけて。あのとき、大野さんは何を思っていたのか。お会いする前にメールでたくさんやり取りしましたが、私が大野さんについて知ってることは数%にも満たないはず。それでも、そのときの大野さんの気持ちを少し感じ取れた気がしました。
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 スマホやデジカメで写真を気軽に撮れる今、ひと昔、ふた昔前よりも一枚の写真に込める気持ちが希薄になりがちです。そんな時代に一枚一枚気持ちを込めて、エピソードをつなぐように撮る大野さんを見ながら私には思うことがありました。
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 よくアウシュヴィッツを観光地と仰る方がいらっしゃいますが、アウシュヴィッツは観光地とか観光名所ではありません。広義だと「アウシュヴィッツを観光する」と言えるのかもしれませんが、観光というのは一般的に「楽しみを目的とする旅行」を指します。だからこそ、観光気分で友だちやグループと笑いながら見学していたり、説明を聞くのはそっちのけで写真をひたすらパシャパシャ撮る人々には違和感を感じてしまいます。信じられない人もいると思いますが、アウシュヴィッツ敷地内の芝生に座りながら、モデルのようにポーズを決めてカップルで写真撮影する人もいるほどです。
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 写真を多く撮ることに関しては否定しません。
でも、アウシュヴィッツは消すことのできない残酷な歴史に直面し、ここで亡くなった人々の命を尊重するために何ができるかを考え、反省する場所なんです。そういったことを考えれば、撮る写真はそこまで多くならないと思いますし、敷地内で場違いな写真を撮る気分にはならないでしょう。
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 翌日、大野さんとクラクフのカジミエシュ地区とポドグジェ地区に行きました。
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 カジミェシュ地区でランチをしたとき、楽しい会話もしつつかなり重い話をしたのですが、それは「命」について。こういう重いテーマを話すことは滅多にないため、そういう意味でも大野さんとの時間や話した内容は忘れられません。
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 私よりふた回り年上の方なので、それなりに色んなことを経験されています。話の内容は個人的なものなので詳しくは書けませんが、大野さんのお話を聞きながら今、自分が健康であることに改めて感謝しました。「明日は我が身」、それでも今日まで健康でいられたことに感謝しながら生きていきたいです。生と死は隣り合わせだから。
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 ところでですが、大野さんがポーランドに来たのは楽しい観光目的ではなく、最初に触れたように「自分自身のこれまでの人生を振り返り、生きていることの幸せを見つめ直すため」でした。
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 なぜ人生を振り返る場所がポーランドになったかというと、それは職場で出会われたユダヤ人ご夫妻がきっかけだったそうです。ご夫妻の奥様のほうは、オーストラリア・メルボルンにあるホロコースト博物館でガイドをされている方だとか。また、ご夫妻のご両親はユダヤ系ポーランド人で、ナチスの収容所から生還された方たちなんだそうです!
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 大野さんはそのユダヤ人ご夫妻との出会いを機に自身の人生を振り返ろうと決意し、ポーランドに来られました。ユダヤ人とポーランド人は切っても離せない関係にあり、ホロコーストの歴史を学ぶためにはポーランドを外すわけにはいきません。そこでアウシュヴィッツ以外にもクラクフ郊外にあるプワシュフ収容所跡、ウッヂやグダニスクの近くの収容所跡にも訪れることにしたのだそうです。
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 これまでにホロコーストに関する色々な本を読み、映画も鑑賞されたそうですが、「どれも悲しいけど前向きになれた」と仰っていました。私はその言葉に衝撃を覚え、素直に感動しました。
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 アウシュヴィッツは悲しみとか憎しみだけが溢れる場所ではないんです。絶対にあってはならない悲劇が起こった場所であり、目を背けたくなるような出来事があったのは事実。でもそこで希望を捨てずに生き抜いた人、愛する人や見知らぬ人の命を救った人もいます。そういった人たちの身に起こったことを「残酷」という言葉だけで表すのは、犠牲者も生還者も浮かばれないかもしれません。
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 大野さんは、「悲しい場所をたどっていく」というより、過去のユダヤ人やホロコーストの歴史にしっかりと触れることで今の自分の立場を捉え、これまでの人生を振り返る機会の場としてポーランドを選びました。アウシュヴィッツや各収容所跡を歴史的観点で学びながら見学しつつ、自身と重ね合わせて…。私が知らないだけで、大野さんと同じような気持ちでアウシュヴィッツを見学されている方は意外と多いのかもしれませんね。
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 このあたりで大野さんとのエピソードは終わりにしようと思います。短い間でしたが、大野さんとはかけがえのない時間を過ごすことができました。まさに人生の先輩と呼ぶのに相応しい方で、私が知らないことをたくさん教えてくださいました。

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ありがとうございます

コルベ神父
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クラクフ

 

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あやか
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2件のコメント

TOKUNAGA より:

こんばんは、綾香さん

先月、ガイドしてもらったTOKUNAGAです。
ポーランドなび、1周年おめでとうございます。おめでとう㊗️
1周年記念日に、ガイドしてもらい恐縮です。

年末年始は、隣の国に行きます(^_^)
先週発券しました。
欧州内からポーランド行きの飛行機で便利で運賃安いのが有りませんね。
暖かい時期で調べてみますね。

それでは、また。

Ayaka より:

こんにちは!
TOKUNAGAさんからコメントをいただけて、とっても嬉しいです (^o^)
恐縮なんてとんでもないです。
これからもお時間のある時にぜひ、ポーランドなびの記事を読んでくださいね☆
それにしても、さっそく海外にお出掛けになるとはさすが TOKUNAGAさんですよね〜。
あれから、教えていただいた下地島空港の動画を夫に youtube で見せましたが、本当に綺麗でした!
次にまた周辺諸国に来られる際はぜひポーランドもご検討ください (-_^)

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