ワールドユースデー間近 ポーランド最新のテロ対策



※コンテンツの無断転載禁止(リンク歓迎)

 

最近のアメリカの銃乱射事件がきっかけで、また “ポーランド テロ” のキーワードで検索をする方が増えてきました。

問い合わせメールも既に数件とあり、夏のポーランド旅行をやめようかと考えている人も少なくないようです。そこで同じように不安に思っている方のためにこの記事を書くことにしました。

もちろん現時点でテロが起こるか起こらないかは分かりませんが、せめてポーランドでのテロ対策や見解を知ってもらうだけで安心できると思います。

ただし、行くか行かないかを決めるのはあなた次第。万が一のことがあっても私は一切責任を負えません。
.

このページの目次
1. ワールドユースデーとは?
2. テロ対策は大丈夫?
ポーランドのテロの脅威
テロ対策では何が最も重要か
テロ対策のための新たな法律
3. 結局安心していいの?

 

ワールドユースデーとは?

さてまず始めに、「そもそもワールドユースデー(以下、WYD)とは何だ?」という方のために、簡単にどんなイベントであるか説明しましょう。

なぜなら今、ポーランドのテロ対策が話題になっているのはこのWYDが大きく関係しているからです。

 

カトリックの青年向けイベント

WYDは故ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の提唱で始まり、1984年から行われている若者のための年次集会。

今やカトリックの大きな行事の内の1つで、日程は約1週間です。

そして今年2016年はポーランド・クラクフでの開催、日程は7月26日から31日までとなっています。

この間にローマ教皇もクラクフに訪れますが、その参加者はなんと約200万人以上。クラクフの人口が約75万人であるのに対し、200万人ともなれば混乱が懸念されるのは当然ですね。

以下、WYDクラクフ大会公式日本巡礼団のページから説明を抜粋しました。

ワールドユースデーとは

ワールドユースデー(WYD)は、国連が1985年を「国際青年年」と定めたことを受け、前年1984年「あがないの特別聖年」の閉会ミサで、教皇ヨハ ネ・パウロ二世が、青年たちにローマへと集うように呼びかけたことにはじまります。その後、毎年「受難の主日(枝の主日)」が「世界青年の日」と定めら れ、2〜3年ごとに世界各地でWYDの世界大会が開催されるようになりました。

「世界青年の日」が受難の主日に設定されているように、この大会は世界中の若者がひとつになり、教会の本質であるキリストの受難と復活の神秘を味わうこ とと深く結びついています。ひとつの信仰を持つ青年たちが世界中から集い、出会いを喜ぶ祭典としての要素だけではなく、回心に始まり、キリストの受難と復活の神秘を祝う巡礼の旅でもあるのです。

また教会と社会にとってWYDは、若者に目を向け、将来を担う若者に信頼と希望を置くことの大切さを確認するきっかけになるのです。

WHDクラクフ大会公式日本巡礼団

.
こう説明はしても、多くの日本人の方にはピンと来ないかもしれません。

しかし参加者の多さからこのイベントがどれだけカトリックにとって重要なものか、そして世界から注目を浴びているのかお分かり頂けると思います。

キリスト教、カトリックってどんな教派?

2015.12.11

.
クラクフ空港がリニューアルし、つい最近まで移動方法がバスだった空港から市街も電車でスムーズに移動できるようになり、急速に発展したクラクフ。

そのようすを見て「数年前とずいぶん変わったなぁ」と私でも思うのですが、それもすべてこのWYDのためなのです。

 

テロ対策は大丈夫?

そこで観光客として気になるのが、テロの可能性。心配ですよね。

ポーランドの治安やテロ事情については既に記事を書いているのですが、私としても「ポーランドはテロがまだ一度も起こっていないから、気にしなくていいですよ」なんて言えません。

ポーランドは安全?在留者からのテロ・治安情報

2016.03.23

.
今回のイベントで鍵となるテロ対策は、シェンゲン圏からの不審者やテロリストの入国を防ぐことにあります。

シェンゲンについてよく知らないという方は、関連記事の “1. ポーランドに住みたい方へ” の項目をご覧ください。

ポーランドに滞在するには?ビザの種類一覧

2016.04.14

.

ポーランドのテロの脅威

さて、ポーランドは既にテロの標的となった西欧とはちがい、移民が極端に少ないことは以前に説明しました。読んでいない方はこちらをどうぞ。

ポーランドは危険?在留者として思うこと

2015.11.24

.
この移民の少なさはテロの起こりにくさと比例するところがあります。

例えば、イスラム系の移民が少ない日本で、ご近所にイスラム系の外国人が引っ越してきたら噂になることでしょう。

すると、昨今のテロ事情から警戒する人も少なくないはずです。

そんなくらいで騒ぐ国では目立ってしまって、テロを起こそうにも行動がいちいち目立つのは言うまでもありません。

もちろんテロを起こそうなど1ミリも考えていない、むしろテロリストに憤りを感じるムスリムの方が多いでしょうが、やはり警戒してしまう人が周りに出てきてしまう、これは日本の報道からも分かり悲しい事実だと思います。

ポーランドも同じで、私自身いろんな国内の観光地に行きましたが、未だ空港以外の場所でイスラム系の人を見たことがありません。そんなポーランドですから、ご近所にイスラム系の外国人が来たとなると多少は警戒するでしょう。

しかし繰り返して言いますが、私はムスリムを差別していません。

30人以上のムスリムの方と交流を持ったことがありますし(十数人は友人)、8ヵ国以上のイスラム諸国に行きましたが、私は自分の責任以外で危ない目にあったことなど一度もありません!

そして、これは断言しておきます。

外見がムスリムだと言って差別することは絶対許せません。ただこれは個人の意見。残念ながら見た目で判断する人の方が多いのです。その上で私はこの記事を書いていることをご理解ください。

 

テロ対策では何が最も重要か

ポーランドの大統領であるドゥダ氏はあのブリュッセル空港でのテロの後に「私たちの国には西欧諸国とは違って、イスラム過激派はいない」と断言しました。

国家防衛を担当しているブロホヴィチュ氏も「ポーランドは過激派の標的にはならないだろう」と述べています。

となれば、まず不審者がポーランドに入国する可能性をなくすことが大事。

やはりドイツやチェコに滞在している過激派の入国を食い止めなければなりません。ドイツやチェコはシェンゲン圏であるため、入国審査なしでもポーランドに入国できる、それが問題なんですね。

しかしもちろん、万が一の緊急事態に備えて国内の厳重警戒も必須です。

既にシェンゲン圏内に入ってしまった不審者にとって、シェンゲン国境を通り抜けることは容易いからです。

 

テロ対策のための新たな法律

そこで国境の警備・審査強化が求められるわけですが、これについては既に今年2月に「夏までには国境の強化を万全にする」という発表がありました。

また具体的な安全対策として、今年4月21日にテロ対策のための新たな法律が発表されています。

従来は、日本と同じように大きな駅や観光地では警察が頻繁にパトロールし、公共の場所に不審物があれば通報するようにという呼びかけ、また外国人に対しては職務質問の徹底が主な対策でした(一般市民が目で見て分かる対策)。

私も質問されたことが二度あります

私も質問されたことが二度あります

.
では、どのような法律なのか。

内容をまとめた書類は84ページにも及び、全ては訳できませんが、要約すると今後のテロ対策として以下のことが国家の権限として認められています。
.

  • 必要性があれば、国内のインターネットを制限し、情報の共有を防ぐ。
  • 特定の場所でのインターネットや電話の使用を制限することもある。
  • 怪しい人物に対しては、裁判所の許可なしに個人データやブラウザの履歴、位置、活動を監視することができる。
  • 容疑者を発見した場合、14日間の拘留をする。また、捜査は深夜・早朝も可能とする(従来は22時から6時まで禁止されていた)。
  • 特定の出身地や民族性のある外国人はいつでも盗聴または指紋採取の対象となる可能性がある。
  • プリペイド式のSIMを購入する場合、IDを見せなければならない。

.
人によっては「人権を無視している/プライバシーがない」と批判しそうですが、この世界の現状を見てそんな主張をする余裕はあるのでしょうか。

悪用を恐れているのかもしれませんが、政権も変わったことですし国家を信頼するしかないと思います。

個人的に言うと、テロの対策をし過ぎるということは決してないので。

あのパリやブリュッセルでの悲惨なテロはポーランド側からすると、あんなにハイリスクな移民ばかり抱えておいて対策が甘かったから起こってしまったとしか言いようがありません。

ポーランドは自国にハイリスクな移民を抱えていないにも関わらず、このような決断を下しましたが、非難されようが私はそれぐらい潔くていいと思います。

 

結局、安心していいの?

じゃあ安心してポーランドを観光できるのか。そんな考えは捨ててほしいです。

ポーランドに限らず日本にいてもどこにいても、自分の身を守ることができるのは最終的に自分にあります。

国はそれなりの対策を考え、人々を守りますが、油断が一番の敵だということを忘れないでください。

私が「ポーランドは安全だよ!テロなんて起こるわけないよ!大丈夫、大丈夫」とこのブログに書き込めば、万が一の事態が発生した場合に絶対、私に責任を問う人が出て来ると思います。

だから口が裂けても言いません。

ポーランドは絶対に安全だなんて。日本ですら絶対安全だと思わないのに。

ただ、私がここに書いてきたことは事実であり、それをどう受けとめるかはあなた次第ということです。

.

今日のポーランド語

Daj mi znać

Daj mi znać(ダイ  ミ  ズナチ)は “Let me know”、「私に知らせて」という意味です。目上の人に用いたり、丁寧に言いたい場合は頭に Proszę(プロシェン)を付ければOK。

組み合わせは非常に様々です。

“Daj mi znać, kiedy będziesz gotowy/a”(…, キェディ  ベンヂェシュ  ゴトヴィ【男】)/ ァ【女】)は「用意ができたら知らせて」、”Daj mi znać, jak Ci leci”(…, ヤク  チ  レチ)は「どんな調子か知らせてね」など。

とても聞く機会の多い表現なので、応用ができるように練習しましょう。

 

最後までお読み頂きありがとうございます☆
あやか
この記事が役立ったら、イイネ!をお願いします。FBページではここには載せていないポーランド最新情報や注目の記事更新情報をお届けします ^^


Digiprove sealCopyright secured by Digiprove © 2016

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です