ポーランド語を美しい音に変換?格変化とは



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ここは、ポーランド語の先生でもない私がレッスンをするコーナーです。ん?と思った方はこちらをどうぞ。
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ポーランド語はパズル

しかも、ちょっと形を変えてあげたりしないと型にはまらない。

そう、 “格変化” のことです!ポーランド語には7つの格があるということは既に下の関連記事でお話した通り。

ポーランド語は超難解言語ではありません 前編

2015.11.01
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格自体は特に難しくもなんでもありません。私たちだって日本語を話す時、数ある助詞(”は, を, に, で”…のこと)の中から瞬時に適切な助詞を選び抜いて意味の通る文をつくるじゃないですか。

格もそれと同じです。

ただ決定的にちがうのはポーランド語では、”は” や “を” などの前の単語の音を変えてしまうということ。例えば、

 

kuchnia
(クフニャ/キッチン)

Kuchnia の格変化
kuchnia を生格にすると kuchni です。それは、kuchnia は女性名詞で、女性名詞を生格にする場合、語尾の a をとって、 -y あるいは -i にするからです。このとき、a の前の音がどのような音なのかをよく見る必要があります。ではなぜ、kuchnia は -i をとるのか、そして kuchnii ではないのか。

それは 、” nia の後に i が来る場合(すなわち女性名詞生格)nii とはせず、 ni とする(ただし外来語は niiとなる)” というルールがあるためです。

しかし、 unia(ウニア/連合)は外来語ではないのに unii となります。これは、 クフニャの “フ” の音を発音するとき、”ウ” はそこまで強く出ないのに対して “ウニア” は “ウ” の音が強くでているため。つまり niaの音の前の “ウ” の音が小さい場合は ni とします。

 

え?今、なんて言ったの?

え? 今、なんて言ったの?

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意味分かりませんよね

そんなの単語ごとにいちいち覚えていたら先に進めません。ほんと、もうここで心が折れそうになります。
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しかも、これは生格の話であってまだ5つの形がありますよ。

あ、前置格は与格といっしょだから4つか。でもそれは女性名詞の場合だから、男性や中性になったらまた変わるんですけどね。

それと、男性は有生と無生に分かれるので、まったく同じではないですよ。特に生格と対格。

中性は男性と似てますけど、与格や呼格はちがう変化になるので気を付けてくださいね。

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さらに、え〜!って感じです。

でも日本語だってきっちり文法説明すれば、同じくらい複雑。英語も。

ただ日本語や英語はそれらの複雑なルールを覚えなくても意味の通る文を作りやすいので、比較的易しい言語といわれます。その代わり、つかみにくい。

だから日本語話せる人の日本語って、正直なんだか変じゃないですか。

でも助詞を間違えていても言いたいことは分かるから「上手だな」って思うし、頑張って話しているところを訂正するのも気が引けるから、少しくらい間違えていてもスルーしちゃいますよね。

その点、ポーランド語は間違っても自分で間違ったことに気付きやすいですし、指摘されて後から調べれば「あ、そういうことなのか」と理解しやすいです。

助詞を間違える外国人はそもそも助詞の使い分けを把握しきれていない場合が多いそうですが、ポーランド語は格変化のルールがきっちりしているので、間違えるということは、ルールを覚えきれていないか混乱しているだけ

調べても結局まだ分からないような、そんなもやもやはありません。

曖昧なのが少ない変わりに、小さなルールがたくさんあるんですよね。それが大変。でも “大変” と”難しい” は別です。
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男性有生 女性
主格 -/ -a
生格 -a -y/i
与格 -owi -e y/i
対格  = 生格
造格 -em
前置格 -e -u  = 与格
呼格  = 生格 -o

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では、ポーランド語の格変化とは何か、具体的に見てみましょう。

この記事ではまだ、こまかい格変化の規則(子音交替など)は説明しませんが、格変化そのものをあまり知らない方のために少しだけ解説しますね。

上の表は、男性有生名詞と女性名詞のオリジナル格変化対応表。

これと名詞を照らし合わせ、それぞれ下のように適切な形に変化させます。
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男性有生 女性
主格 chłopak dziewczyna
生格 chłopaka dziewczyny
与格 chłopakowi dziewczynie
対格 chłopaka dziewczynę
造格 chłopakiem dziewczyną
前置格 chłopaku dziewczynie
呼格 chłopaku dziewczyno

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すべて説明していると長くなるので、男性有生名詞の主格〜造格にだけ限定して見てみましょう。
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主格”chłopak” というのは辞書の形ですから、気にしなくて構いません。単語を覚えるときはいつだって主格です。

生格では -a の形に変える必要があるので、”chłopaka” となりますね。

与格では -owi の形に変える必要があるので、”chłopakowi” となります。

対格は生格といっしょ。

造格では -em の形に変える必要があるので、”chłopakiem“です。ここで問題。

 

なぜ “i” が -em の前に?!

 

それは男性造格で k/g/ch/h が語尾の場合は、”i” を付けて軟音化する必要があるから。この軟音化については、こちらの記事に詳しく書いているので、一度じっくり読んでみてください(長文)。

正しい発音ができるように…音声学の基本 前編

2015.12.04

 

ポーランド語ではこういったことを男性・女性・中性名詞ごとに覚える必要があり、また形容詞も同じように変化させる必要があります。

形容詞は格変化だけで済むのですが、名詞の場合は格によってはさらに元の語尾を適当な形に変化(子音交替)させなければいけません。

これが学習者の壁なんです。

でもこの複雑な変化こそがポーランド語は美しい言語だと言われる理由。

だって、chłopakemフウォパケム より chłopakiem – フウォパキム と言った方が軟らかい響きじゃないですか。ポーランド語はこうやって、音をキレイに変換させてあげないといけないのです。

 

さて、今日はここまで。

次回からは、使う頻度の高い順で格対応を1つずつ紹介します。これさえ乗り越えれば、ぎこちない音を並べたポーランド語は卒業できますよ (o^ ^o)

 

最後までお読み頂きありがとうございます☆
あやか
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4 件のコメント

    • ポーランドなび管理人 綾香 より:

      ???さん
      いえいえ、私は外大生でも外大を卒業したわけでもありません。発音や音声学に関してはすべて独学です (*^^*)
      独学と言うと読者の方は逆に不安がるかもしれないですね。笑

  • Chika より:

    綾香さん 初めまして 私はショパンの大ファンでピアノを習っている者です。
    綾香さんの 「ポーランド語は美しい言語で、音を綺麗に変換させてあげないといけない」というお考えに ショパンの美しい音楽とポーランド語の美しい響きが重ね合いました。

    • Ayaka より:

      はじめまして、Chika さん!

      ショパンの大ファンとのこと、最近公開した音楽についての記事は興味深く読んでいただけそうですね (*^^*)

      ポーランド語の音変換は面倒に思われがちですが、ものも考えようです。
      よりきれいに聞こえるためにどう発音するか、そういったことを細かく意識するのは音楽と重なる部分があるのかもしれませんね。

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