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第1回 私が住んでいるグリヴィツェってどんな街?

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クラクフ市公認ガイドのカスプシュイック綾香(本名)です。2014年以降、ポーランド在住。ガイド・通訳業の傍ら、旅行や生活に欠かせないポーランド情報をお届け中!
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こちらは、個人的に観光客の皆さんにお勧めしたいポーランドの魅力的な都市を紹介していくコーナーです。
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第1回は、グリヴィツェ

もしあなたが既にこの街をご存知なら「グリヴィツェ?!」と目を疑った方もいるかもしれません。

でも私の住む街だからこそ、どこの都市よりも先に書くことにしました。観光地としては名の知れない場所ですが、程よく栄えた素敵な街です。
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Gliwice
Gliwice

 

このページの目次
1. グリヴィツェの位置
2. グリヴィツェの歴史
3. どんな街?
4. 市内の交通・料金
5. 市内へのアクセス
6. 主な観光スポット

 

グリヴィツェの位置

グリヴィツェ/Gliwice は南ポーランドのシレジア地方、シロンスク県/Województwo śląskie に位置する都市。

西にはクラクフ、東にはヴロツワフがそれぞれ車で約1時間半強〜2時間の距離にあり、南へ30分走るとチェコの国境(ボフミーン)があります。

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グリヴィツェの歴史

100年前?のグリヴィツェ
ドイツ領のグリヴィツェ

グリヴィツェの歴史は800年。

大都市クラクフとヴロツワフを結ぶ場所でもあり、またバルト海方面へ琥珀を運ぶ際のルートであったことから、13世紀には開拓されていたそうです。

そして実は、ポーランドが所有する国としてのグリヴィツェはまだ歴史が浅く、1945年以前はチェコ、オーストリア、プロイセン、ドイツ…と時代によって違う国に所有されていました。

しかし、一番最初はポーランドが統治していたこととポーランドの国境に非常に近かったこともあり、他国が所有していた時代も人口の半分以上をポーランド人が占めていたと言われています。

戦後、ポーランドになってからは旧ソ連の領土だった東ポーランドに住む人々を中心とし、多くのポーランド人がグリヴィツェに移住し始めました。

photo: flickr by Kris Duda
photo: flickr by Kris Duda

そのおかげでグリヴィツェにはたちまち多くの若者が増え、また炭鉱(今は閉鎖中)を始めとする豊富な仕事のおかげで急速に発展を遂げたといいます。

そして現在の人口は約20万人(国内41都市中18位)。経済成長の豊かな都市として知られるようになりました。
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ちなみに日本でも有名なニベアの生みの親、オスカー・トロプロヴィッツはこのグリヴィツェ出身。ただドイツ領の時だったので彼はドイツ人ですが…。

 

どんな街?

圧倒的な投票の数で、ビジネスをするのに最適なポーランドの都市第1位(2012年)に選ばれたグリヴィツェ。

就業率が非常に良く、先に述べたように経済発展に富んだ街です。

2015年12月には、国内最速列車であるペンドリーノがグリヴィツェ駅に乗り入れることからも、この街がポーランドにおいて重要な役割を担っているということは明らかでしょう。

しかし残念ながら、グリヴィツェは観光地としては有名ではありません。

photo: flickr by Ministry of Foreign Affairs
photo: flickr by Ministry of Foreign Affairs

それでも700年前に建設された教会や中世の市壁、世界一の木造建築物・ラジオ塔などの歴史スポットもあり、また家族で楽しめる博物館や植物園、アウトドア施設などが充実しています。

東にはクラクフ、西にはヴロツワフ、南にはザコパネ、北にはカトリック巡礼地のチェンストホヴァがあり、これらの場所からも日帰りで十分楽しめるところ。

南ポーランドへ訪れる際は、ぜひ訪れる街の候補の1つとして興味を持っていただけると嬉しいです。

 

市内の交通・料金

トラムは数年前に廃止になったので、市内の移動手段は主にバスとなります。

トラムが走っていた路線は現在A4のバスが走っており、中心部のみの移動であればA4が便利です。

ちなみに駅の近くにあるトラムは、隣町のザブジェとグリヴィツェ間を結ぶ交通手段の1つとして唯一残されたトラム。

グリヴィツェのバス
グリヴィツェのバス
有効時間 料金(PLN)
15分間有効 3.20
30分間有効 .80
60分間有効 4.80

※2016年3月現在

参考:GOP公式サイト

 

市内へのアクセス

空港:最寄りの空港は隣の街にあるカトヴィツェ空港。この空港から市街までは車で約30分ですが、公共バスで行くにはバスの乗り換えが必要で非常に時間がかかります。通常、グリヴィツェまで行くにはタクシー(約100ズウォティ)を利用するか1日に数本のプライベートバスを利用するしかありません。

列車:ヴロツワフ、チェンストホヴァからは各2時間前後の移動時間となります。県都のカトヴィツェからはローカル列車のKSで30分。

ワルシャワの駅

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バス
:クラクフからであれば列車よりバス(uni bus)が◎。所要時間は約2時間です。将来的には列車での移動時間が1時間半に短縮される予定(2016年3月現在は最短2時間40分)。

※2016年3月現在

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主な観光スポット

グリヴィツェ駅の真正面から伸びている、ズヴェチェンストヴァ通り(Ulica Zwycięstwa)がメインストリート。

ここを真っ直ぐ突き抜けていくと中央広場(rynek:リネック)があり、ここから様々な観光施設に徒歩圏内(5分〜25分)で行くことができます。

ズヴェチェンストヴァ通り
ズヴェチェンストヴァ通り

グリヴィツェラジオステーション
(Radiostacja gliwicka)HP
世界ー高い木造構造物。グリヴィツェ史上、最大の悲劇とも呼ばれる事件が起こった歴史的に重要な場所でもあります。詳細は行き方なども含め、関連記事のリンク先をご覧ください。

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ピアスト城
(Zamek Piastowski)HP
リネックから徒歩5分圏内にある、一見到底城には見えない「大きな家」のようなピアスト城。城内は博物館となっており、グリヴィツェでの発掘品を中心として古代から現代に至るまでの様々なジャンルの展示物があります。確か恐竜かマンモスかのレプリカもあったはず。

カロ  ヴィラ(Willa Caro)HP
ヴィラは裕福な人が休暇を過ごすための別荘のこと。カロ  ヴィラの歴史は19世紀にさかのぼり、その時にヨーロッパで起こったルネサンス建築様式の復興にちなんだ外観をしています。館内にはアジアからの展示品もあり、日本の鎧も見ることができます。

植物園(Palmiarnia Miejska )HP
ショパン公園の近くにあるエキゾチックな場所。6000種を超える世界中から集められた植物を間近でじっくり見れる植物園ほか、ちょっとした水族館もあります。は虫類や昆虫なども観察でき子どもたちが喜ぶような場所ではありますが、大人1人でも楽しめそうです。

シナゴーグ博物館
(Mała Synagoga)HP(未開設)
2016年オープン予定。20世紀初頭、グリヴィツェでは人口の10%がユダヤ人を占めていたそうで過去にはもっとたくさんのシナゴーグがありました。しかし現存するシナゴーグとしては、こちらの博物館のみ。

木造の聖マリア教会
(Kościół Wniebowzięcia Najświętszej Maryi Panny)HP
元々グリヴィツェから65キロ程離れた場所にあるズェンボビツェという町にあった教会。教会そのものは1493年に建てられたもので1925年にグリヴィツェへ移動されました。非常に良好な状態を保っており、とても500年前に建てられたとは思えません。しかも釘1本も使っていないそうです。教会内部もミサ時間帯以外であれば見学できます。

 

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2件のコメント

しおん より:

こんにちは、この前の12月からグリヴィツェへ、夫の仕事の都合で引っ越してきたものです。
グリヴィツェが紹介されているブログは珍しいので驚きました!(もしかして、以前にコメントかなにかしていたらごめんなさい^^;)
近くにお住いでしたら機会があったらぜひお会いしたいです〜(^o^)

ポーランドなび管理人 綾香 より:

しおんちゃん!

コメントしてくれてたのに今気づいたよ >_< 通知が来てなくて分からんかった…!
もう会ってお友達になってるけど、これからもよろしくね!ありがとう (*^^*)

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