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【英語と比較】日本人にとってポーランド語の易しいところを4つ挙げます

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クラクフ市公認ガイドのカスプシュイック綾香(本名)です。2014年以降、ポーランド在住。ガイド・通訳業の傍ら、旅行や生活に欠かせないポーランド情報をお届け中!
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この記事の内容
 私はポーランド人との結婚、移住をきっかけにポーランド語を一から学びましたが、もともとは第二言語として英語が得意でした。バイトでも外国人を相手にスマホ契約などしていたくらいです。23歳までは、自分の英語力を活かして就職したいと思っていたり…。
 
 はい、でも人生なんてどう転ぶか分かりません。勉強し始めた当初は先行き真っ暗な気分でした。それでも学んでいくうちに、「あれ、ここは英語よりもシンプルじゃない?」と気付くことがあったのです。当記事ではそんなポーランド語の易しいところをまとめてみたので、気休め程度にお読みください。
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この記事の目次
日本語と同じで冠詞がない
語順はある程度自由に並べられる
時制が圧倒的に少ない
ラテン語由来で読みやすい
この記事のまとめ
ポーランド語は超難解言語ではない!まず知っておきたい4つの特徴


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日本語と同じで冠詞がない

冠詞英語初心者でも上級者でも必ずぶつかるのが、超基本文法の冠詞 a/the です。

英語では数えられるすべての単数名詞に冠詞を付ける必要があり(通常複数形には冠詞が付きませんが、冠詞 the と複数形がセットになる場合もあります)、冠詞がなければ単数形名詞の方向性が定まりません

英語のネイティブスピーカーは日本人のように文脈重視ではなく、ハッキリと物事を言うので、こういった差が文法にも現れます。

具体的な例で説明すると、

「犬」とだけ言われても英語のネイティブスピーカーは「え?どの犬?」となり、イメージができないので物足りなく感じます。

「なんの動物が好き?」の答えとしての漠然とした「犬」ならともかく、複数形を除いて冠詞抜きで “dog” とは言いません。
“a dog” なのか “the dog” なのか、または “my” や “her” など人称代名詞を付けて所有者など関連性をハッキリさせてほしいのです。

一見単純そうですが感覚頼りという面が強いため、英語を流暢りゅうちょうに話せる人でも100%使いこなすことは難しく、冠詞付け忘れた!なんてケアレスミスもよくやらかします。

 

語順はある程度自由に並べられる

語順ブロック英語は語順を間違えると、まったく意図しない意味になってしまうことがあります。

“Yuka loves Takashi”(ユカはタカシが好き)と “Takashi loves Yuka”(タカシはユカが好き)では逆の意味ですよね。

また語順がまるっきり変わってしまうと、何が言いたいのかよく分かりません。

しかしポーランド語では単語の語尾によって品詞(動詞、名詞、形容詞など)が分かるため、語尾さえ間違っていなければ何を言いたいのかを理解することが出来ます

原則は主語→動詞→(形容詞+)名詞→副詞の順に並べますが、動詞→主語→名詞、あるいは名詞→動詞→主語としても通じます。
初級者にとって、直感でワードを並べても通じるというのはメリットではないでしょうか。
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時制が圧倒的に少ない

時計英語には12の時制がありますが、ポーランド語には5つの時制しかありません。

ポーランド人視点では3つの時制と2つのアスペクトしかないのですが、日本人視点では不完了体で過去・現在・未来、完了体で過去・未来を表すことができるので計5つです。

時制が少ない場合、文脈なしでは意味を捉えにくいという欠点もあります。
しかし日本語には時制がないと言われるくらいなので、時制が少ないのは有り難いです。

私はバナナを食べます(習慣)
I eat a banana.
Jadam banany.
私はバナナを食べています
I‘m eating a banana.
Jem banana.
私はバナナを食べました
I‘ve eaten a banana.
jadłam banana.

※文意によって表現が異なる場合があります

上の表のように、英語では現在のことを述べる際に be や have を用いて表現するので組み合わせが多くなります(現在完了はその出来事が「今」につながっている表現)。

でもこれらをポーランド語で表す場合、不完了体や完了体といった動詞のみで時制を表すことができるのです!(ただし不完了体を未来形にする場合は状態動詞と合わせます)

 

ラテン語由来で読みやすい

アルファベットポーランド語は、ロシア語やウクライナ語と同じ言語系統のスラブ語です。
ただロシア語とウクライナ語はキリル文字を使い、ポーランド語はラテン文字を使います。

つまり、英語と同じアルファベット!

ポーランド語には独自のアルファベットが存在しますが、音を正しく覚えていればつづり通りに読むことができるのも嬉しいです。
英語は辞書で発音記号を確認しないといけない単語も多く、発音しない音まであって厄介。

キリル文字も覚えてしまえば問題ないんでしょうが、ポーランド語が見慣れたアルファベット表記で本当によかったと思います。

発音しにくい音は多少あれど読むのも英語より圧倒的に楽ですし、そういった面ではとっつきやすい言語かもしれません。
もしキリル文字だったら、「新しい読み方に加え、新しい文字も学ばないといけない」というストレスが最初にのしかかってきます。

ちなみに英語で語尾がション “-tion” になるものはラテン語起源ですが、ポーランド語に対応させるとツィア “-cja” になりますよ。
(例:”information−informacja”)
ポーランド語のアルファベット

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この記事のまとめ
 英文法の揚げ足をとったような記事ですが、どっちが結果的に難しい言語だとかそういうことを言いたいわけではありません。しかし英語は参考書籍やウェブで親切に解説されており、苦手だとしても学習しやすい言語です。一方、ポーランド語は情報が少なく、難しいというイメージだけが強いのでフォローしてみました。

 英語もポーランド語もただ「難しい、分からない」と言いながら勉強するのではなく、そういう特徴なんだと受け入れてマイペースに勉強してくださいね (*^ ^*)
ポーランド語学習に興味がある方は ポーランド語レッスンというカテゴリーもあるのでぜひ覗いてみてください。

ポーランド語の基本知識

 

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あやか
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2件のコメント

a より:

have eatenって日本語では食べた(過去時制)じゃないですか?
現在完了形が続けているになるのは現在完了進行形にできない状態動詞だけでしょう。

Ayaka より:

aさんへ
書き方があまり適切ではなかったかもしれないので、訂正しました。
have eaten は文意によって訳し方が異なりますが、「食べた(から今ケーキは食べられません)」といった風に現在にも繋がっているので「過去形」と言い切ってしまうと、それはそれで理解しづらいこともあります。

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